ARA100エーカーウッドでスバル・モータースポーツUSAのブランドン・セメナックが衝撃の逆転優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ARA100エーカーウッドでスバル・モータースポーツUSAのブランドン・セメナックが衝撃の逆転優勝

©subaru.com/rally

米国の国内ラリー選手権、アメリカン・ラリーアソシエーション(ARA)第2戦100エーカーウッドラリーが3月18〜19日、ミズーリ州で開催され、スバル・モータースポーツUSAから参戦したブランドン・セメナック(スバルWRX STI)が今季初優勝をマークした。

ARA開幕戦のスノードリフトラリーでは、選手権上位陣のほとんどが厳しい結果に終わっていたことから、本格的な選手権争いは、今回のミズーリ州で行われる超高速でラフなグラベルステージで幕を開けることとなり、近年まれに見るエキサイティングな展開となった。負傷から復帰したパストラーナは、2021年の100エーカーウッドでの優勝再現を目指してカーNo.1のWRX STIで登場。セメナックは、開幕戦のスノードリフトでのリタイアからの挽回を目指していた。100エーカーウッドでは過去7回優勝しているブロックはヒョンデ、2020年チャンピオンのバリー・マッケンナはフォードと、今季はそれぞれWRカースペックのマシンで参戦している。

18日金曜日の1ループ目は雨で滑りやすいコンディションのなか、激戦となり、パストラーナがステージウインを2本マークした後、SS3でもブロックに対し僅差ながらリードを死守した。しかし、ブロックが新型マシンでのペースを見せ始めると、SS5ではパストラーナとマッケンナがパンクによりタイムロスしたことで、アドバンテージを握る。この日の6SSを終えた時点で、ブロックは2番手につけるセメナックに30秒差をつけて初日を折り返した。マッケンナ、パストラーナはこの時点で、首位に1分以上遅れの3番手、4番手につけていた。

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翌19日土曜日のステージはラフで轍ができ、カーブレーカーラリーとして知られる100エーカーウッドらしい舞台となった。トップ4はそれぞれ差が開いていたことから、ドライバーたちはペースコントロールに徹した。ブロックがWRカースペックの威力を活かしながらステージウインを重ねる一方、セメナックはマッケンナとの差を守り続けることに専念。パストラーナは上位陣の不運を願うしかなかったが、この日の序盤に自らがパンクに見舞われ、これでポディウムへの望みが断たれた。プライベーター参戦の車両にトラブルが発生し回収作業によりスケジュールが遅れたことで、主催者は最終SS13のキャンセルを決断。SS12をパワーステージに指定し、このステージのトップ5には選手権ポイントを与えることとなった。

今回のラリー最大の局面は、このパワーステージの終盤に待っていた。上位陣の車両が近づく中、鹿の群れが道を渡り始めたのだ。スタート順トップでステージを走行していたブロックは、トップスピードの区間でこのうちの1頭に衝突してしまい、1分以上をタイムロス。2分後にその場にやってきたセメナックはギリギリのところで群れを避け切り、ブロックを総合タイムで16秒先行してのトップフィニッシュを飾った。セメナックは、優勝による22ポイントと、パワーステージでの3番手タイムで3ポイントを獲得し、選手権争いでも首位に浮上した。

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「ラリーの勝ち方としては望んでいる形ではないが、優勝して選手権ポイントを獲得できたことはうれしいよ」とイベントを終えたセメナックはコメント。
「キートン(ウィリアムズ、コ・ドライバー)と自分は、週末を通してかなりクリーンな走りを保てたし、土曜日のほとんどは首位の射程圏内に留まっていた。もちろん、ケンがあのような不運に見舞われたことは残念だが、彼とアレックス(ゲルソミーノ、コ・ドライバー)が無事でチームのみんなも喜んでいるよ! ラリーはいつも冒険。チャンスが来たらつかまなくてはならない」

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ARAの次戦、オリンポスラリーは4月23〜24日に開催される。

ARA100エーカーウッドラリー 最終結果
1 B.セメナック(2020 スバルWRX STI) 1:09:53.1
2 K.ブロック(2019 ヒョンデi20クーペWRC) +16.7
3 B.マッケンナ(2021 フォード・フィエスタ)+39.3
4 T.パストラーナ(2021 スバルWRX STI)+1:33.1
5 T.ウィリアムズ(2022 フォード・フィエスタ・ラリー2) +6:40.5
6 M.ピアトコフスキー(2019 フォード・フィエスタR5) +9:33.8



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