WRCエストニア:勝田貴元、総合3番手につけるもリタイアを選択 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCエストニア:勝田貴元、総合3番手につけるもリタイアを選択

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元は、WRC第7戦「ラリー・エストニア」に、コ・ドライバーのダニエル・バリットとともにヤリスWRCで参戦。SS4終了時点で総合3番手につけていたが、ジャンプの着地の際にコ・ドライバーのバリットが首に違和感を覚えたため競技続行を断念、リタイアを選択した。

(以下チームリリース)


ラリー・エストニアは昨年初めてWRCとして開催され、その素晴らしいステージと、質の高いオーガナイズが高く評価され、今シーズンもWRCのカレンダーに入りました。昨年と同じように、ラリーの中心となるサービスパークはタルトゥに置かれ、そこを中心に4日間にわたりグラベル(未舗装路)のステージが行なわれました。エストニアのステージは全体的にハイスピードですが、今大会ではテクニカルなセクションも増えました。また、クレスト(丘)や大きなジャンプも多く、テクニックと度胸の両方が求められる1戦でした。

昨年、勝田はこのラリーにヤリスWRCで出場し、最終日にクラッシュを喫するまでは、トップの選手達に負けない速さを披露。総合5位以内を走るなど、パフォーマンスの高さを証明しました。その後も勝田は経験を積み重ね、今シーズンは開幕から全戦で総合6位以内に入り高い安定性を示すとともに、いくつかのステージではベストタイムを記録するなどスピードも確実に向上し、リザルトは総合6位、総合4位と、順調に上がっていきました。そして、前戦のサファリ・ラリー・ケニアでは総合2位に入り、初表彰台を獲得。実力と実績を増して、今年のラリー・エストニアに臨みました。

本格的な戦いが始まった16日の金曜日、勝田は最初のSS2ではやや慎重に走り、8番手タイムでしたが、続くSS3では5番手タイムで総合順位を5位に上げ、SS4は3番手タイムで総合3位にポジションをさらに上げるなど、良い波に乗っていました。しかし、大きなジャンプが数多くあったSS4の終盤、ひとつのビッグジャンプの着地でバリットが強い衝撃を受け、ステージ終了後、首に違和感を覚えたため、リエゾン(移動区間)でクルマを止め、助けを呼ぶために競技を中止。その後、医師の診察を受けたバリットは重傷ではないことが確認され、入院の必要はありませんでしたが、安静でいることを指示されたため、チームと勝田はこのステージを以って、ラリーからリタイアすることを決断しました。

勝田貴元
ここエストニアでは、ハイスピードで素晴らしいステージを走ることにとても興奮していました。金曜日の朝、最初の2本のステージでは少し慎重になってしまいましたが、徐々に改善して行きました。そして、SS4ではいくつかミスはありましたが、タイムはかなり良く、総合3位に上がり、手応えを感じていました。しかし、大きなジャンプでコ・ドライバー側から少しハードに着地してしまい、ダンが首に違和感を訴えたので、助けを求めるためにリエゾンで止まることにしました。 その時、何よりも気がかりだったのはダンの健康状態でしたが、無事だったのでほっとしました。もちろん、ラリーを続けることができなかったのは少し残念でしたが、このようなことは起こり得ることですし、今は次のラリーに向けて気持ちを切り替えています。

ユホ・ハンニネン(インストラクター)
今回のエストニアは、タカが最も楽しみにしていたラリーのひとつでした。ただミスなく安全に走るのではなく、良い結果を出して自分の力を見せたいと彼は思っていました。ラリー前には良いテストができたので、準備は整っていましたし、とても自信を持っていました。金曜日の最初のステージでは少し慎重になったかもしれませんが、その後はどんどん良くなって行きました。それだけに、あれほど早くリタイアしなければならなかったことは、タカもダンも非常に悔しかったと思いますが、ラリーではこういうことも起こり得ますし、何よりも大事なのはダンが無事であることです。エストニアのジャンプの着地の衝撃は、おそらく他のラリーよりも強く、どのコ・ドライバーにとっても厳しいものです。タカとダンには速さがあり、その時点で総合3位につけていたのですから、良い結果が得られる可能性は十分にあったといえます。次のベルギーは、ほとんどの選手にとって初めて出場するラリーなので、タカにとってはいいチャンスと考えています。また、秋に開催されるラリー・フィンランドも、今回と似たような道なのでチャンスといえます。

Result
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) 2h51m29.1s
2 クレイグ・ブリーン/ポール・ネーグル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +59.9s
3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m12.4s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +1m24.0s
5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +2m07.1s
R 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC)

次回のイベント情報
勝田の次戦は、8月13日(金)から15日(日)にかけて開催される第8戦「イープル・ラリー」です。ベルギー西部のイープルを中心に行われるこのラリーは、1965年に初開催された長い伝統と人気を誇るターマック(舗装路)ラリーです。側溝のある農道を走行する非常に難しいステージが多く、トリッキーなラリーとして知られています。今年初めてWRCとして開催されるため、勝田を含む多くの選手にとって初めて出場するラリーとなります。

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