WRCサファリ:2002年以来の開催となる伝統のサファリに挑むトヨタ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:2002年以来の開催となる伝統のサファリに挑むトヨタ

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、6月24日(木)から27日(日)にかけてアフリカのケニアで開催される、WRC第6戦「サファリ・ラリー・ケニア」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンの、3台のヤリスWRCで参戦。また、2戦連続で自己最高位の総合4位を獲得した、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元もヤリスWRCで出場する。

(以下チームリリース)


前戦ラリー・イタリア サルディニアではオジエが今季3勝目を獲得し、ドライバー選手権首位を堅持。エバンスは総合2位に入り、今季3回目の1-2フィニッシュを飾ったチームは、マニュファクチャラー選手権トップの座を守りライバルに対するリードをさらに拡大しました。そして迎えるサファリ・ラリーは、2002年大会以来19年ぶりの開催となる伝統の1戦です。

サファリ・ラリーが初めて開催されたのは1953年と非常に古く、WRC創立初年度の1973年からシリーズに含まれ、唯一無二のラリーとして長年に渡り人気を博してきました。ケニアを始めとする東アフリカの大地を舞台としたラリーは非常に壮大なスケールで、かつては完全にはクローズされていない道を長期間、長距離走行するアドベンチャー色の強いイベントでした。そしてトヨタは、WRCとして開催されたサファリ・ラリーで過去7回の優勝を収めています。

その後、サファリ・ラリーは2002年大会を最後にWRCのカレンダーから外れていましたが、伝統の一戦を復活させようという動きが強まり、昨年久々にWRCのカレンダーに復帰しました。しかし、新型コロナウイルスの影響によって大会は中止となり、満を持して今年ついに開催されることになりました。ステージはグラベル(未舗装路)で、その多くが見通しの良い平原に設定されています。しかし、大きな石が多く転がる荒れたステージも予想され、大雨が降るとグラベルは泥状になり、非常に難しい路面コンディションになります。なお、WRCでは規則によりヨーロッパ以外でのテストが禁じられているため、ケニアの道で事前にクルマを走らせることはできず、チームはスペインでサファリ・ラリーを想定したテストを実施しました。

ラリーの中心となるサービスパークは、首都ナイロビの北西約100kmに位置するナイバシャ湖畔に置かれます。ラリーは24日木曜日、ナイロビ中心部の「ケニヤッタ国際会議場」でのセレモニアルスタートで開幕し、その後近くのカサラニで4.84kmのスーパーSSが行われ競技がスタートします。広大な大地での本格的な戦いは、翌日25日金曜日から始まり、サービスパークの南側で3本のステージを各2回走行。26日土曜日はサービスパークの北側にあるエルメンテイタ湖の周辺で3本のステージを各2回走行します。最終日となる27日日曜日は、日中のサービスなく5本のステージを走行し、最終ステージとなるSS18「ヘルズゲート2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で18本、計320.19km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1133.94kmと、5000kmにも及んだ昔のサファリ・ラリーに比べればコンパクトな大会ですが、それでもケニアのステージは現役のトップドライバーにとって未知なる領域であり、大きなチャレンジとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
WRCにケニアでのサファリ・ラリーが戻ってくるのは素晴らしいことです。クローズされていない一般道を走り、対向車が来ることをヘリコプターで選手に警告していた以前のスタイルとは大きく異なりますが、それでも新たな試練に直面することが予想されます。サファリ・ラリーはかつて、WRCの中で最も難しいイベントでした。今年のステージがどのようになるのか正確にはわかりませんが、クルマにとって非常に厳しいラリーになることを覚悟して準備する必要があります。チームにとっても、現役のドライバーたちにとっても、未知なる領域への挑戦はとてもエキサイティングなことです。

セバスチャン・オジエ(ヤリスWRC 1号車)
私はこれまで、新しい挑戦にいつもワクワクしてきましたが、今回のラリーはこれまで経験してきたものとは全く違うものになると思います。ターゲットを少し変えて臨まなければならないという話をよく耳にします。最近のWRCでは、常に限界まで攻めるような走り方をしますが、ケニアではトラブルなくラリーを乗り切ることに重点を置くことになるでしょう。1シーズンのうちに、このようなチャレンジがあるのは面白いことだと思います。どのように準備をするのが正解なのか分からない部分も多く、ドライバーはラリー中に少しずつ適応していかなければならないと思います。それでも、どのようなことが起こり得るのかを理解するためには、レッキがとても重要になるでしょう。

エルフィン・エバンス(ヤリスWRC 33号車)
現役のドライバーは、誰ひとり以前に行われていたサファリ・ラリーに出場した経験がないため、今回のケニアは未知なる領域です。もちろん、過去の映像はたくさん見てきましたし、いずれも壮大なものでした。今回に関しては、よりコントロールされたステージを繰り返し走行するので、昔と全く同じにはならないと思いますが、ケニアという普段と全く違う環境でラリーができることに興奮しています。スムーズなイベントになるとは思っていませんし、クルマだけでなく、選手にとってもきっと大きなチャレンジになるでしょう。映像等を見た限り、とても広大な風景の中を走るようなので、道がどのようになっているのかを見極めるのはかなり難しそうです。実際に現地に行ってレッキを行い、自分の目で確かめて、最大の課題が何なのか判断したいと思います。

カッレ・ロバンペラ(ヤリスWRC 69号車)
ケニアは本当に面白いラリーになりそうです。誰にとっても新しいイベントであり、長い歴史のあるクラシックなイベントでもあります。WRCが最後に開催されたのは2000年代の初期で、私の父も参戦していました。当時の古い映像は全て見ましたし、父もいろいろな話をしてくれました。ラリーというスポーツは、昔と今ではかなり変わってきているので、最新のラリーカーであのようなステージをどのように攻略するのか、とても興味深いところです。とはいえ、昔とコンセプトが完全に同じではないことは理解しています。例えば、あれほど長いステージを走ることはありませんが、以前と同じように路面が荒れているのか、トリッキーな場所があるのかどうかを知るのは面白そうです。全てがいつもと大きく異なると思いますが、私はとても楽しみです。



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