WRCサルディニア:初日はヒュンダイのタナックが19.4秒のリードで首位。勝田は6番手 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサルディニア:初日はヒュンダイのタナックが19.4秒のリードで首位。勝田は6番手

©HYUNDAI

WRC第5戦サルディニアは、競技初日を終えてヒュンダイのオィット・タナックがリードする展開となった。2番手には同じくヒュンダイのダニ・ソルド、3番手にはトヨタのセバスチャン・オジエがつけている。勝田貴元は6番手から上位を狙う格好だ。

ラリー初日に行われるのはSS1〜8の127.40km。午前と午後にそれぞれ2SSを2度ずつ走る構成となっている。この日の天候は晴れ、最高気温は29度と予想されており、上位陣のタイヤ選択はふたつに分かれることとなった。先頭走者のオジエと、タナック、ソルド、ヌービルのヒュンダイ勢3台はそろってハードコンパウンド3本+ソフトコンパウンド3本をチョイス。ほかのドライバーはハード4本+ソフト2本という選択でラリーをスタートした。

TOYOTA


SS1はラリー最長となる22.29km。ここで機先を制したのは4番手スタートのタナック。1.6秒差のSS2番手にはリズムをつかんでいきたいカッレ・ロバンペラ、9.6秒差のSS3番手には先頭走者のオジエが並ぶ。このSS1ではMスポーツ・フォードのテーム・スニネンが右コーナーで膨らみすぎてアウト側にこぼれ、横転。クルマを起こしたものの道に戻ることができず、この日の競技続行を諦めることとなってしまった。

タナックは続くSS2でもベストタイムをマーク。オジエも1.4秒差のSS2番手と、出走順を感じさせないタイムをマークし、総合3番手の座を守ってみせる。勝田はSS1に続き5番手タイムをマークし、上位陣に食い込む好走をみせた。SS3はSS1の再走ステージ。砂利が掃けたこともあり、先頭走者のオジエはSS1で記録した自身のタイムを14.3秒も更新してみせたが、後方スタートのドライバーも軒並みタイムを伸ばしたため、SS6番手タイムにとどまることに。総合順位でもソルドにかわされ、4番手にドロップしてしまった。

首位タナックは隙のない走りでこのSS3と、続くSS4も制覇しリードを拡大。SS4では総合2番手につけていたロバンペラが右フロントサスペンションを破損してしまい、ペースの維持が不可能に。ロバンペラは後方から来る勝田を先に行かせるためコースの途中でストップし、その後しばらく走り続けたものの、ステージをフィニッシュすることなくラリー続行を諦めた。勝田はSS途中でオーバーシュートからエンジンストールを喫する場面もあったが、SS7番手タイムでフィニッシュしている。これで午前中のSS4つを終えて、首位はタナック、2番手にソルド、3番手にオジエ、4番手にヌービル、5番手に勝田、6番手にエバンスという上位陣になっている。

TOYOTA


午後のセクションでもヒュンダイのワークス3人はハード3本+ソフト3本をチョイス。オジエと勝田も同じタイヤチョイスで挑む。エバンスとピエール‐ルイ・ルーベはハード4本+ソフト2本、グリーンスミスはハード5本をチョイスした。オープニングのSS5では、タナックがベストタイムを刻み、オジエが4.9秒差で続く展開。ここでペースを伸ばせなかったソルドはオジエに逆転を許し総合3番手に順位を落とすこととなってしまった。

そのソルドは続くSS6で一番時計をたたき出し、オジエを再逆転して総合2番手に返り咲いた。ソルドはその勢いのままSS7を制し、さらにこの日最後のSS8ではチームメイトのヌービルと同タイムで3連続ベストタイムをたたき出す。首位タナックとは19.4秒の差はあるものの、2年連続優勝ドライバーの存在感を見せつけるかたちとなった。なお、SS7ではヌービルがパンクを喫して総合4番手の座をエバンスに明け渡している。SS8ではMスポーツ・フォードのグリーンスミスがギヤボックスのオイルリークでストップ。また、ヒュンダイのルーベはブレーキトラブルを抱えており、この日を走り切ったものの総合14位と大きく後退してしまっている。

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この結果、首位タナックと2番手ソルドに続くのは、オジエとエバンスのトヨタ勢。ヌービルを挟んで勝田というトップ6に。特に4番手エバンスと5番手ヌービルの差は1.2秒という僅差だ。サルディニアは初日にして4台のワールドラリーカーがトップ10から脱落するというサバイバルラリーの様相を呈してきた。残す12SSでどのようなドラマが繰り広げられるのか、目の離せない展開となりそうだ。

競技2日目はSS9〜16の8SS、129.62kmを走る最長の1日。初日と同じく午前中に2SSを2度、午後に2SSを2度走行するパターンをとっている。オープニングステージのSS9は5日の日本時間15時08分スタート。

WRCサルディニア SS8後暫定結果
1. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) 1:26:58.0
2. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +19.4
3. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +36.2
4. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +1:02.0
5. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:03.2
6. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +1:26.1
7. M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +3:41.7
8. J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +4:08.7
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +4:35.8
10. P.ロペス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +4:52.1



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