今季始動のRX2eに元世界RXコンテンダーのギヨーム・ド・リダーが選手権登録 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

今季始動のRX2eに元世界RXコンテンダーのギヨーム・ド・リダーが選手権登録

©FIA RX2e Championship

元世界ラリークロス選手権のスタードライバー、ベルギーのギヨーム・ド・リダーが、今季から始まるFIA初の電動ラリークロス選手権、RX2eに選手権登録した。現在28歳のド・リダーは、今季はRX2eの初代チャンピオンを目指し、2022年からフル電動化となる世界ラリークロス選手権への復帰を視野に入れている。

FIA RX2eは今季、世界ラリークロス選手権のサポートシリーズの形で初のシーズンを迎え、ヨーロッパのみ全6戦での構成を予定している。

昨年の夏に発表されたこのRX2eは、スペインの電動車両のスペシャリストであるQEVテクノロジーと、スウェーデンの名門ワークショップであるオルスベルグMSE(OMSE)が共同で立ち上げたプロジェクト。このシリーズで使用される馬力250kW (335bhp)、510Nmまでトルクを発生するフル電動の4WDマシンは、この数カ月の間に複数のドライバーがテストを行っており、ド・リダーもそのひとりだ。

FIA RX2e Championship

ド・リダーは、このシリーズのアイデアを高く評価したひとり。2017年にラリーからラリークロスにスイッチしたド・リダーは、RX2インターナショナルシリーズで3連続ポディウムをマークし、シリーズを3位で終えている。翌年は、参戦した7戦中4回でポディウムに上がるなどさらに活躍を見せ、現在RX2eテストドライバー兼アンバサダーを務めるオリバー・エリクソンと激戦のタイトル争いを展開。僅差でシリーズ2位でシーズンを終えた。2019年には世界RXにステップアップしたが、不安定さと不運が重なりトラブルの多いシーズンとなった。

2020年は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、ほとんどのイベントに参戦できなかった。普段はアルピーヌF1チームでパワーユニットパフォーマンスエンジニアを務めているド・リダーは、昨年9月にデンマークのナイサムで行われたRX2戦にスポット参戦。初日で圧倒的な強さを見せたあと、僅差で勝利を逃した。しかし、その高い競技力は再びRX2eという舞台で披露されることになる。

新シリーズへの参戦が決まったド・リダーは「今年、RX2eに参戦することが決まり、飛び上がるほど興奮しているよ」と語る。
「エンジニアという職業柄、新しい技術にはいつも魅力を感じるし、電力はラリークロスやモータースポーツ全体の将来になることに疑いの余地はない。この数年間、電力分野へ移行していく過程をずっと注目し続けてきた。FIA初の電動ラリークロス選手権の初年に公式に関わることができるようになり、心から誇りに思う」

「2月にスペインでこのマシンをテストした時、すぐに感銘を受けた。すぐに運転しやすさを感じたし、とにかく自然。内燃エンジンのマシンとまったく同じように動くし、そこにパワーとトルクが増えただけ。安定感やバランスが素晴らしいのでアタックしやすいし、それはドライバーならみんなが求めること。まさに限界までプッシュできる。それ以来、参戦できるための予算を確保するために昼夜を惜しまずに取り組んできたんだ」

「QEVとOMSEは、素晴らしいマシンを作り上げたと思う。ドライバーがあらゆることを調整できる点がすごく気に入っている。これ勝敗が決まるだろうからね。もちろん、多少はドライビングスタイルを調整しなくてはならないが、2022年には世界ラリークロスもフル電動化となるのだから、いずれにしても必要になることだ」

「マニュファクチャラーが選手権に戻ってくることを願っているが、その時には自分もトップレベルに戻れるようできる限り挑んでいきたい。今年、最先端の電動技術の経験をもっと積んで成長することができれば、その実現に近づいていける」

「OMSEとQEVとの関係も、とても重要だ。(OMSEのCEO)アンドレアス・エリクソンとは、4年前に自分がラリークロスに移行して以来の付き合いだし、QEVは同じようなアプローチで模索をしており、一流の実績とモータースポーツへの熱い情熱を持っている。彼らは、何か特別なものを作り出そうという意欲を持っている。自分たちも同じビジョンを持っており、同じ方向に向かって取り組んでいる。だからこそ、自信を持ってRX2eに登録したんだ。自分にとって、このプロジェクトは大きな視野をもって見ている。現在の気象問題の中、ブランドは倫理的かつ環境的に責任を持つ必要があり、高い知名度を持つ何かに関連できることを望んでいる。今のところ、RX2eは、そのすべてに当てはまる唯一のメジャーなラリークロスシリーズ。この選手権で、電動の高速での冒険を楽しみにしているし、最終的に自分が目指すのはただひとつ、初のFIA電動ラリークロスチャンピオンになることだ」

FIA RX2e選手権のプロジェクトマネージャー、ペレ・ゴンザレスは「このエキサイティングな新ラリークロス選手権、RX2eの初シーズンに、ギヨームを迎えられることをうれしく思う」とコメント。
「今年の初めに彼がマシンをテストした時、彼が参戦したいだけではなく、我々が成長や進化をする中で、偉大な記録を残したいのだということはハッキリと分かった」

「ギヨームの評価は、みんなの知るところ。2017年、2018年にはRX2でそのポテンシャルを証明したし、2年近く経ってからシリーズに戻ってタイトル争いを演じるほどの能力とスキルを披露した。それだけでなく、彼の取り組む姿勢や作業への考え方は、とにかく非の打ち所がなく、この業界で明るい将来が待っていることを裏付ける。数カ月後、ギヨームは間違いなくRX2eのトップコンテンダーになっているだろう」

2021年FIA RX2e選手権カレンダー
第1戦 ヘル(ノルウェー) 6月12〜13日
第2戦 ヘリェス(スウェーデン) 7月2〜4日
第3戦 バルセロナ‐カタルニア(スペイン) 7月23〜24日
第4戦 ニュルブルクリンク(ドイツ) 7月31日〜8月1日
第5戦 ロエアック(フランス) 9月3〜5日
第6戦 スパ・フランコルシャン(ベルギー)

FIA RX2e Championship

RALLY PLUS