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ダカール2021:アル‐アティヤが6本目のステージウイン、ペテランセルは15分差を維持して最終日へ

©Eric Vargiolu / DPPI / Red Bull Content Pool

ダカールラリーの2021年大会は1月14日、アルウラ〜ヤンブ間に設定された第11ステージ、464kmの走行が行われた。

2021年のダカールも、残すステージは2本。この日のイベント最長のステージ11は、戦況を大きく変えるビッグチャンスとなった。各部門のリーダーはアドバンテージを守ることを目指したが、それに続くライバルももちろん、猛追の手を緩めはしなかった。

カー部門では、総合2番手につけるトヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス)がこの日、ステージトップタイムをマークして、首位を走るステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)との差をさらに2分詰めることに成功。しかし、ペテランセルは依然として15分のアドバンテージを維持しており、14回目(過去バイクで6回、カー部門で7回優勝)のダカール優勝に向けて、200kmの1ステージを残すのみとなった。

「砂丘の中盤は石が多く、走破するのは楽ではなかった。これで残り1日なので、一番にフィニッシュできるよう祈るばかりだよ」とペテランセルは語っている。

Eric Vargiolu / DPPI / Red Bull Content Pool

ペテランセルはステージ2から首位を維持しており、アル‐アティヤはステージ3から2番手で追い続けている。“ムッシュ・ダカール”と呼ばれるペテランセルとの差を詰めるために全力を尽くしてきたアル‐アティヤは、今日を入れて通算6本のステージウインをマーク。明日、トップフィニッシュを飾るために最後のアタックに挑む。
「まだ1本残っている。明日どうなるかは、誰にも分からない」とアル‐アティヤ。

ポディウムの最後のポジションにつけているのは、ペテランセルのチームメイト、カルロス・サインツ。4番手のクバ・ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)とは90分の差がついている。サインツは、ステージ中にMINIバギーのルーフが外れてしまい、砂漠の太陽を浴びながらの走行となった。
「高速走行中にワイヤーにヒットし、ルーフが丸ごと外れてしまった。今日も大変な一日だった。今回のダカールでは、あらゆるハプニングが自分たちに起こった」とサインツは振り返った。

ジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)はステアリングが曲がってしまったことでスローダウンとなったが、2週目で調子を上げているシリル・デプレ(プジョー3008DKR)は、このステージでトップ5タイムをマークした。
「体力的にもハードで厳しかった。これがダカールのレースのスタイルだ」とデプレ。

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

日本勢では、トヨタ車体がエントリーするチームランドクルーザーは、前半はグラベルや枯れた川底など固い路面、後半は80kmに渡り砂丘が続く今大会の山場ルート、三浦昂とロナルド・バソ、2位台のトヨタ・ランドクルーザー200が慎重に走行。三浦は序盤の石路面でパンクを1回喫したものの、その後はノーミスで砂丘もスタックなしでクリア。リスキーな区間ではバソを待つなど落ち着きのある展開を見せた。バソも安定した走行で、難関をノートラブルでフィニッシュ。2台は市販車部門で1‐2をキープしたほか、総合順位ではそれぞれ2つ上げて三浦が39番手、バソが40番手につけている。
三浦は「ハードなステージを予想していたが、パワステを失ったステージに比べれば走りやすかった。明日は最後のステージだが、いつも通り自分らしく走りたい」と最終日に向けての意欲を語った。

日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(日野レンジャー)は、今大会最後のロングステージでも果敢なアタックを続け、大型クラスのライバル勢にも遜色のないペースで走行。80kmの砂丘区間もノーミス・ノートラブルでクリアし、総合13番手タイムでフィニッシュした。累積順位でも13番手を維持し、排気量10リットル未満クラス首位も堅守して最終日を迎える。
「今日も風が弱く、巻きあがったダストがなかなか抜けずに視界が悪かった。砂丘も距離が長いうえに、降りるところが落ち込んでいる場所があるなど危なかった。ペース的には、現在の車両としてはいいところだと思う」と菅原はコメント。

競技最終日となる明日15日は、ヤンブ〜ジェッダ間に200kmの第12ステージが設定されている。

ダカールラリー2021 暫定結果(ステージ11終了時点)
1 S.ペテランセル(MINI JCWバギー) 42:06:45
2 N.アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス) +15:31
3 C.サインツ(MINI JCWバギー) +1:04:50
4 J.ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) +2:32:21
5 N.ロマ(プロドライブ・ハンターBRX) +3:15:53

*日本勢の戦況を追加しました

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