ダカール2021:マラソンステージで競技が再開、第7ステージではペテランセルが総合首位を死守 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ダカール2021:マラソンステージで競技が再開、第7ステージではペテランセルが総合首位を死守

©Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

ダカールラリーの2021年大会は、1月9日にハイルで休息日を迎えた後、10日、ハイル〜サカカ間に設定された第7ステージ、471kmの走行が行われた。

2021年のダカールラリー、後半戦は2日間に渡る壮大な846kmのマラソンステージで再開した。休息日を経て再び過酷な競技に挑んだコンペティターはこの日の夜、アシスタンス不在のビバークで過ごさなくてはならず、翌日のマラソンステージ後半に向けてビバークでマシンの修復に追われるケースも続出した。

カー部門では、総合首位のステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)にドラマが起こり、石にヒットして大きな衝撃を受けた。過去ダカールを13回制しているマイスターだが、明日の375kmに向けてのマシンプリペアには自身の経験をフルに活かさなくてはならないようだ。
「残り40kmのところで石にヒットし、リムを破損した。タイヤを交換するのに、かなり時間がかかってしまった」とペテランセル。

一方、後半からの首位浮上を狙う総合2番手につけるトヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス)は、この日は3番手タイムだったが総合順位ではペテランセルとの差を8分以下に留めている。
「すべて順調に進んだので、明日、どこまでできるか楽しみ。ステファンとはかなり激戦となっている」と、アル‐アティヤは振り返る。

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

激しい首位争いに続いて3番手につけるカルロス・サインツは、累積タイムでは両者から1時間半遅れ。その差は大きいが、昨年のステージウイナーは、イベント連覇をまだあきらめてはいない。
サインツは「大会2週目は、いいドライビングをして、前半にロスしたタイムを取り戻すことに専念したい」と意気込み新たに語った。

Eric Vargiolu / DPPI / Red Bull Content Pool

7ステージを終えて総合4番手につけるのは、クバ・ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)。このまま順位をキープしてフィニッシュできればダカールでの自己ベストとなるライゴンスキーは、後半戦をリズム良く滑り出したことに満足を見せた。
「マラソンステージの初日は、かなりトリッキーだった。ラクダ草と砂の後に石地が出てきた。パンクも1回あったが、全体のリズムにはハッピー」とライゴンスキー。

シリル・デプレは、この日のステージを今大会自己ベストの7番手タイムでフィニッシュした。
「今日はマシンを労りながら走行したので、何もトラブルはなかったしパンクもなかった。タイヤ圧の使い分けについての理解が深まってきたよ」と語っている。

Eric Vargiolu / DPPI / Red Bull Content Pool

しかし、2009年のダカール覇者、ジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)からは厳しい知らせが届き、再びタイヤトラブルに見舞われているようだ。
「残念ながらタイヤがもう残っていない。今回のダカールですでに、もう13回パンクに見舞われた」。

セバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターBRX)にとっては、この日も長い1日となった。ステージフィニッシュ手前30kmでホイールハブの破損に見舞われており、現時点でフィニッシュラインを超えられていない。

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

日本勢では、トヨタ車体がエントリーするチームランドクルーザーは、三浦昂とロナルド・バソ、2台のトヨタ・ランドクルーザー200が、両マシンともパンクに見舞われた。三浦は、後半部分でパンク1本と1本がバースト。バソ車も前半部分でスローパンクに見舞われたほか、後半にも砂に隠れていた石で1本のパンクを喫した。2日間に渡ってアシスタンスなしで乗り切らなくてはならないマラソンステージ、2台は3本積んでいたスペアタイヤのうち2本を、1日目で失ったことになる。しかし順位としては、市販車部門での1‐2はキープ。総合順位でも三浦が39番手、バソも41番手を維持している。
「昨年のマラソンステージでサスペンションを傷めた反省から、ことしは注意して走ったつもりだったが、2本のスペアタイヤを失ってしまった。明日はペースを抑え、しっかりゴールすることに集中する」と三浦はコメント。

日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(日野レンジャー)は、前半は砂地で速度が上がり難く、後半は石が混ざってパンクの危険が高い難関コースを手堅くクリア。トラック部門11番手でステージをフィニッシュし、排気量10リットル未満クラス首位を守っている。
菅原は「ラクダ草の生えた砂の丘陵を行く区間は、モーリタニアのようだった。全体に砂の中に石が多く、パンクした競技車を多く見かけた。我々は無事で、パネルが飛んだ以外はノートラブル。明日も気を付けながら頑張ってネオムに向かう」と語っている。

明日11日は、マラソンステージの後半、サカカ〜ネオム間に375kmの第8ステージが設定されている。

ダカールラリー2021 暫定結果(ステージ7終了時点)
1 S.ペテランセル(MINI JCWバギー) 26:36:50
2 N.アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス) +07:53
3 C.サインツ(MINI JCWバギー) +41:06
4 J.ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) +1:22:48
5 N.ロマ(プロドライブ・ハンターBRX) +1:59:00

*日本勢のの戦況を追記しました



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