エバンス「失うものは何もないという気分。プレッシャーは感じない」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

エバンス「失うものは何もないという気分。プレッシャーは感じない」

©Toyota Gazoo Racing WRC

今週末開催のWRC最終戦ラリーモンツァでは、英国人として3人目のWRCチャンピオンになるチャンスを握っているエルフィン・エバンス。今季、トヨタに加入したエバンスと入れ替わるようにチームを離れた同じく英国出身のクリス・ミークは、自身初のWRC優勝を2015年のラリーアルゼンチンでマークしているが、この時エバンスは自身初めてのポディウムに上がっているという縁がある。

そのミークは今季のエバンスに関して「エルフィンは今季、旬を迎えたという感じ。本当に素晴らしい仕事をしており、モンテの最初のステージから見事だった。モンテではラリーを通して優勝を争いを演じたし、スウェーデンでは優勝。今季は完璧な戦いを見せている」と称賛する。

「エストニアでは少しつまずいて大きなトラブルに見舞われたが、それに影響されることはなかった。サルディニアでは先頭走行の義務を果たしたうえで4位でフィニッシュした。選手権で勝ち切るためには、こうした実力が必要だ」

「トルコは実に独特の展開となった。ある1ステージだけで戦況が一変してしまった。でも、エルフィンはそれを切り抜けパンクを避け切った。今のところ、彼は今年、一番安定感のあるドライバーだし、求められる速さもある。間違いなく世界チャンピオンにふさわしいよ」

そのエバンスは現在31歳。モンツァの参戦は経験がなく、トヨタ・ヤリスWRCでのターマックの経験も少ない。
「気持ちとしてはポジティブに捉えている」とウェールズ出身のエバンス。
「好リザルトが必要であることは分かっているし、その準備はできている。最高の走りをする。主催者から配布された動画を見る限り、土曜日の山岳部のステージはとてもよさそうだ。高速でリズムに乗れるターマックステージがあるし、1年のこの時期はかなりチャレンジングになるかもしれない。ターマックでのヤリスの走行経験は不足しているかもしれないが、モンテでのフィーリングはよかった。難しいのは、サーキットステージが林道とはまったく違うシナリオになるということ。だから、いいフィーリングをつかむためにベストを尽くさなくてはならないし、マシンに対応しなくてはならない」

「モンテカルロ以来、ターマックでは走っていないので、先週行ったテストはとても重要だった。失うものは何もないという気分なので、プレッシャーは感じていない。粛々と、自分のできる限りのベストを尽くすだけだ」

新型コロナウイルス(COVID-19)感染流行の再拡大により、一時は開催キャンセルも懸念されたモンツァ戦。もしモンツァの開催が中止されていれば、エバンスはそのままタイトルを獲得していたことになるが、本人はマシンに乗った状態でタイトルに挑みたいとずっと主張していた。
「僕らは常に願っているのは、ラリーが開催されて、できるだけ多く参戦できることだ」とエバンス。
(Graham Lister)



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