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ERCカナリアス 事前情報:激動のシーズン最終戦、ERC、ERC1ジュニアタイトル争いに注目

©ERC

2020年のERCは11月26〜28日、スペイン領アゾレス諸島で開催されるラリーイズラス・カナリアス(ターマック)で最終戦を迎える。タイトル決戦となる部門が多いこともあり、ERCにノミネートする45台がエントリー、ラリー2(旧R5)マシンは27台が登場する。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、イベントは無観客での開催となる。

8月にイタリアで遅い開幕を迎えた今季のERCは、ここまで4戦が終了。ERCのタイトル争いではローマ、ファフェ・モンテロンゴを制した2018年王者のアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3 R5)が首位に立っているが、今季大躍進を遂げているティーンエイジャーのオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は23ポイント差の2番手につけており、ルキヤナクが自身2度目のタイトルを獲得するためには、このカナリアスでソルベルグより上位でフィニッシュすることは不可欠だ。

そのソルベルグは、ERC1ジュニアタイトルでも激しい争いを続けている。チャンピオンには2021年のERCに2戦参戦するための助成金10万ユーロ(約1240万円)が与えられるこの部門で2番手につけているソルベルグは、ハンガリーで部門優勝を飾って選手権首位に浮上したヒュンダイのジュニアドライバー、グレゴワール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)との真っ向対決に臨む。ミュンスターはERCタイトルのチャンスも残していたが、最終戦に予定されていたスパラリーが新型コロナウイルスの影響で開催中止となりポイント獲得のチャンスを失ったことから、カナリアスではERC1ジュニアタイトルに専念することになる。

スパが中止になったことから、2019年のERC3/ERC3ジュニア王者のエフレン・ラレーナ(シトロエンC3 R5)も、ERC1ジュニアタイトルのチャンスが消滅。2020年のERC3/ERC3ジュニアタイトルでも、ジョセフ・バサス(プジョー208 ラリー4)のタイトルチャンスがなくなり、カナリアスを待つことなくケン・トーン(フォード・フィエスタ・ラリー4)のタイトル獲得が確定している。

ERC2では、ハンガリーのチボール・エルディ(三菱ランサーエボリューションX)が首位に立っており、カナリアス戦で14ポイントを獲得できれば3度目のタイトル獲得が決まる。フィアット124アバルトRGTのワンメイクシリーズ、アバルトラリーカップでは、カナリアスでアンドレア・マベリーニを上まわるポイント獲得の可能性を残すドライバーがなくなったため、マベリーニのタイトルも確定した。

スペイン国内戦や地方選手権も複数併催されている今回のラリーイズラス・カナリアスは、計17SS・201.79kmのルートで構成。本拠地とサービスパークは、COVID-19の制限を受ける関係で新たにエスタディオ・デ・グランカナリアに置かれる。この火山島の舗装路は摩耗が激しく起伏があることから、グリップレベルが高く雨が降っても安定しているが、タイヤの摩耗が高くなることも意味する。しかし、カットできるコーナーは限定的で、路面に掃き出されるデブリは比較的少ない。

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