©Naoki Kobayashi
11月に発売予定の「ワールドラリーカレンダー2021」。写真を撮影した小林直樹カメラマン本人による解説を、4回にわけてシリーズでお届けします。すでにお伝えしているとおり、今年は取材のチャンスが限られてしまったこともあり、小林直樹カメラマンが選ぶ思い出のラリーということでセレクトしました。A2変形判（縦420mm×横594mm）という迫力のサイズでお届けします。そのなかから、今回は4月〜6月分を解説！
また、こちらの商品はラリプラメンバーズ特典に含まれています。メンバーズにご入会いただいた皆さまには特典としてお届けいたしますのでお楽しみにお待ちください。
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◆4月
1999年ラリーアルゼンティーナ
スバル・インプレッサWRC99
Naoki Kobayashi
これは99年、ユハ・カンクネンが勝った時ののアルゼンチンですね。ここは超有名なウォータースプラッシュで、実際に行く前にも写真で見ていたので、絶対に行きたいと思っていました。その後も何度も行っていますが、意外と晴れている写真が少なくて。ここは岩山に人がいっぱい、これ以上入らないくらい埋め尽くされていて、ラリーカーが来るたびに大きな歓声が上がっていました。スタートから1kmくらいの場所なんですが、その間ずっとこんな感じで人が連なっていて、ほかの場所でも撮りたいなと思えるほどでしたね。
ここはコースを歩いて撮影ポイントまで向かうんですが、ギャラリー（酔っ払い）から「ジャッキー・チェン！」とか言われましたね（笑）。最近はカナードとか色々ついているから水への進入スピードは抑え気味なのかもしれませんが、この頃はラリーカーも全開で入ってきていました。そういう迫力を味わってもらうことができたらと思います。
◆5月
2000年ラリーカタルーニャ
三菱カリスマGT（ランサーエボリューションⅥ）
Naoki Kobayashi
カタルーニャは、僕のなかで鉄板というか、名物のギャラリーコーナーが3コあって、そのうちのひとつがここのS字コーナーなんです。もうひとつは別の月で出てきますが、高速道路下のヘアピン。最後は今回のカレンダーには入れていませんが、有名なV字コーナーです。このS字コーナーは毎年お客さんが多くて、外せないポイントです。『取材に行くと必ず行ってしまうコーナー』のひとつですね（笑）。ガードレールギリギリまで観客がいて、朝からずっと賑わっているんですよ。やっぱりラテン系のイベントはファンの熱量がありますね。
マシンに寄ったり引いたり、色々な撮り方ができるコーナーですが、このカットでは道の感じとマシンがインカットしていく様子、大勢のギャラリーを入れ込みたくて、俯瞰での構図を狙いました。ランエボの赤もいいアクセントになったと思います。
◆6月
2005年ラリードイチェラント
スバル・インプレッサWRC2005
Naoki Kobayashi
WRCを追いかけていると、これほど“抜け”のいいところってなかなかないんですよね。ここは天気も良かったですし、背景の雲の表情というか、流れ方もいいですし、思い切り引いて横から撮ってみても面白いなと思って挑戦したカットです。建物とかもまったくなくて、まさに“空と大地”みたいな。あとは黄色い花が点々と咲いているのも入れ込んで、青空と緑の中を疾走するラリーカーを表現したくて撮りました。
たしか2回走るステージで、1本目は別の場所で撮っていて、これは2本目だったかな？ レッキの時に見つけたわけじゃなくて、たまたま歩いていて発見した場所です。クルマがどこに写っているか分からないくらいですが、こういう思い切った構図で写真を撮ることができるのも、WRCならではの面白さだと思っています。
ラリプラメンバーズの方々には以前のメールマガジンでお知らせしていますが、10月31日（土）には会員限定のオンラインミーティングで写真講座をお送りします。詳細な時間とアドレスについては今後メールマガジンでお知らせします。これまでラリー北海道で行われていた写真講座にはなかなか参加できなかった方も、自宅から気軽に楽しめると思いますので、ぜひご視聴ください。質問などもお待ちしておりますのでよろしくおねがいします！
次回は7月〜9月分の解説を行いますのでお楽しみに！
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