新型コロナ第2波襲来のベルギー、WRCイープルが開催の危機か – RALLYPLUS.NET ラリープラス

新型コロナ第2波襲来のベルギー、WRCイープルが開催の危機か

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11月20〜21日にベルギー初のWRCとして第7戦に予定されているイープルラリー(写真は2018年)が、再び新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威にさらされている。

新型コロナウイルスの感染第2波によって、ベルギーは2度目の全国的なロックダウンに入る寸前となっており、新たな規制により開催中止となった南ベルギーに続いてイープルも開催できないのではという懸念が持ち上がっている。

国内選手権である南ベルギーラリーは今週末に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大したことにより木曜日の朝に開催がキャンセルとなった。ヒュンダイからこのイベントに参戦を予定していた昨年のイープルラリー覇者であるクレイグ・ブリーンや現WRCチャンピオンのオィット・タナックは、レッキ中にこのニュースを知らされたという。

この件についてイープルラリーの主催者からはコメントはないが、ベルギーのフランク・ファンデンブルック保健相は今週のはじめ「当局は感染の発生を制御できない」と述べており、ベルギーが新型コロナウイルスの新たな“津波”に直面しているとも付け加えた。

イープルラリーの主催者は、大規模なCOVID-19対策の一環として、イベントに参戦や従事する関係者を対象とした検査を2500件行うことでイープル市内のヤン・イーペルマン病院と提携を結んでいる。
「政府や主催者によって、数々の対策が講じられている」とイープルラリーの主催者であるクラブ・スーパーステージのヤン・ヒューグは語った。
「多くの項目に取り組んでいるが、すでに実施されたものもある。その中には、オンラインチケット販売、マスクの着用、アルコール消毒などもあるが、安全面の対策についても随時、連携を取っている。我々は、モンテベルグラリー、アオロバラリーを開催したことで、一般の方々の安全を確保した中でラリーを主催できることを証明している」

南ベルギーラリーの開催キャンセルと、国内の状況が悪化していることは、WRCのみならずヨーロッパ選手権(ERC)にとっても懸念材料だ。このシリーズは最終戦として、12月11〜13日にスパラリーを予定している。南ベルギーもスパラリーも、主催者は同じプロモーター、DGスポーツが務めている。

しかし、ハンガリーとスペインのカナリア諸島では ERCの開催準備が続けられており、いずれのイベントも、それぞれの主催者チームが対策を講じている結果、開催の確約を得ている。

一方、ベルギーの北部を拠点とする地方選手権イベントのヘミクーダラリーは現状、無観客ではあるものの予定どおり日曜日に開催される方向。このイベントには、トヨタのエルフィン・エバンスとセバスチャン・オジエが、イープルラリーに向けた準備としてエントリーしている。
(Graham Lister)



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