世界RXコウボラ第4戦:元王者との激戦を制したニクラス・グロンホルムが母国で勝利 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

世界RXコウボラ第4戦:元王者との激戦を制したニクラス・グロンホルムが母国で勝利

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世界ラリークロス選手権は8月30日、フィンランドのコウボラで第4戦が行われ、地元のニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)がファイナルを制した。

父である元WRC王者のマーカス・グロンホルム率いるGRXタネコからエントリーするグロンホルムは、予選で今季のベストパフォーマンスを披露すると中間リザルトを2位で通過。難しいコンディションとなったセミファイナル2を制すると、ファイナルではフロントロウからスタートした。

ファイナルのポールポジションを獲得したのは、中間リザルトトップで前日の第3戦も制している元王者のヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ)。しかし、スタート直後の最初のコーナーでクリストファーソンをインからパスしたグロンホルムは、ウエットでスリッパリーなコンディションとなったファイナルを終始リードする。しかし、後方からはクリストファーソン、マティアス・エクストローム(アウディS1)という元王者のふたりからの激しいプッシュが続いていた。

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クリストファーソンはラップ3でジョーカーラップに入ると、3番手でメインコースに復帰。グロンホルムは引き続き後続2台から強烈なプッシュを受け続けることになる。しかし、2014年以来となる母国フィンランドでの世界RXファイナルで冷静なレース運びを見せたグロンホルムは、ファイナルラップでジョーカーに入るとそのまま首位での復帰に成功。自身3度目となる世界RX戦勝利をマークした。

「後ろのふたりがタイトなコーナーでプッシュしてくるだろうと思っていたので、とにかくラインのイン側を守ることに徹した。ストレートでの加速で競り勝った」とグロンホルム。
「冷静を維持し、絶対にミスをしないように心がけた。小さなミスはあったが、それほど大きなものではなかった。プレッシャーは感じていたが、レースをリードしている時は基本的にはレースをコントロールできるかどうかにかかっている。勝つことができて、本当にうれしいよ」
中間リザルトでもポイントを稼いだグロンホルムは、ドライバーズ選手権では3番手に浮上している。

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また、グロンホルムとともにジョーカーラップに入ったエクストロームは、最終コーナーでクリストファーソンをかわして2位でフィニッシュ。これによりドライバーズタイトルでも2番手を維持している。
「ファイナルではペースはよかったが、フロントガラスが泥だらけで見にくかった。でも、なんとかワイパーを使って視界を確保したよ」とエクストローム。
「ニクラスと比べてもペースはよかったので、彼のバンパーにずっと当て続けることができたが、彼はミスをしなかったね。彼も彼のチームも本当にお見事だった。ミスをしなければ、勝つことができる。あまり前は見えなかったが、チームのスタッフから無線で最終コーナーはタイトになると聞かされていた。みんなが素晴らしいレースだったと言ってくれるので、映像を観るのが楽しみだよ」

この最終コーナーではさらにドラマがあり、グロンホルムのチームメイト、ティマール・ティマラザヤノフもクリストファーソンをパスすることに成功。GRXタネコにダブルポディウムを献上した。
「よかったよ。セミファイナルもファイナルも、いい戦いだった。すごく接戦だった」と語るティマラザヤノフは、今季初めてポディウムに上がった。
「最終ラップは、少しオーバーラップになり始めていた。最終コーナーは本当に接戦で、みんながポディウムを狙っていた。ヨハンがわずかにスペースをあけたので、その隙間をついてインから彼をパスした。本当にうれしいよ」

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クリストファーソンは4位でのフィニッシュとなったが、ドライバーズ選手権では首位を維持している。2019年チャンピオンのティミー・ハンセン(プジョー208)は、ラップ1でジョーカーラップに入っており、5位でフィニッシュ。モンスターエナジーGCK RXカルテルのアンドレアス・バックラッドが(ルノー・メガーヌ)は6位フィニッシュとなった。

グロンホルムのチームメイトで、初の世界RX挑戦となった前日の第3戦でファイナル2位と衝撃的なデビューを飾ったフィンランドのユハ・ライトコネン(i20)もファイナル進出が決まりかけたが、セミファイナルでジョーカーラップの走行制限違反により5秒のペナルティ。これにより、バックラッドが繰り上がってファイナルに進んだ。ハンセン兄弟の弟、ケビン・ハンセンは、セミファイナルで兄のティミーに最終ラップで競り負け、後一歩のところでファイナル進出を逃した。KYBチームJCのロビン・ラールソンと、GCKビルシュタインは、セミファイナル1で、ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツのティモ・シャイダー、フィンランドのヤレ・カリオコスキはセミファイナル2で、それぞれ敗退。しかし、KYBチームJCは、チームズ選手権での首位を守り切ってフィンランド大会を終えている。

世界RXは、開幕からいきなり2週連続でダブルヘッダー開催と一気に4戦を消化した。プロモーターを務めるIMGのモータースポーツイベント担当上級副社長、ポール・ベラミーは「今日は、まさに新進気鋭の若手が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。8日間で4戦を行うという、選手権の関係者全員にとって本当に張りつめた日々だったが、みんなが素晴らしい仕事をしてくれた」とコメントしている。

世界RXの第5戦、第6戦は、9月19‐20日、ラトビアのリガでダブルヘッダーで開催される。

世界RXコウボラ(第4戦) ファイナル結果
1 N.グロンホルム(ヒュンダイi20) 5:05.975
2 M.エクストローム(アウディS1) 5:06.369
3 T.ティマラザヤノフ(ヒュンダイi20) 5:07.323
4 J.クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ) 5:07.627
5 T.ハンセン(プジョー208)5:08.041
6 A.バックラッド(ルノー・メガーヌ) 5:13.483



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