ERCリエパヤ:オリバー・ソルベルグがイベント連覇。選手権2番手に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCリエパヤ:オリバー・ソルベルグがイベント連覇。選手権2番手に浮上

©ERC / Thomas Fenetre / DPPI

ERC第2戦ラリーリエパヤ(グラベル)は8月16日、競技最終日となるレグ2が行われ、前日を首位で終えたオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が、この日もリードを広げ続け、イベント連覇を達成。昨年はERC史上最年少でこのイベントを優勝しているオリバーは、最年少での連覇も果たしたことになり、シリーズに新たな歴史を築いた。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

現在18歳のソルベルグは、土曜日のSS1から首位に立ち、僅差で争っていたニコライ・グリアジンがクラッシュした後は、様々なトラブルにも対処して好タイムを連発した。10秒差を築いて迎えたこの日は、最初のステージで総合2番手のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)に0.1秒負けたが、続く2本でステージウインを連取。特に3本目のSS7は、ポールに接触するアクシデントに見舞われながらのベストタイムだった。この時点でギャップを22.4秒に広げて日中サービスに入り、勝利を確信できるものと見られていた。

ところが、サービス明けのSS8でエンジンが不調となり、大きな不安を抱える事態に。しかし、そのトラブルも次のSS9で解消すると、あとはペースをコントロールし最終的に18.7秒差で2年連続のラリーリエパヤ勝利を飾った。
「今日はプッシュしてギャップを広げることを目指したが、タイヤもマシンも素晴らしかった。SS8の前半は3気筒になってしまったが、後半はエンジンもまた順調に動き出したので、必死になってプッシュした。すごく心配していたので、エンジンがまた動き始めてラッキーだったよ」とオリバー。

2位は、9月のWRCラリーエストニア参戦に向けてのテスト参戦としてエントリーしたオストベルグ。今回は、PHスポール製のC3 R5のセッティングをファインチューニングすることが目的だったが、高速ラリーの参戦は2月のWRCスウェーデン以来となり、フィーリングを取り戻すことにも役立ったようだ。

ERC / Thomas Fenetre / DPPI

昨年のERCチャンピオン、アレクセイ・ルキヤナク(C3 R5)は3位に入ったが、オストベルグが選手権ポイント対象外のため2位相当のポイントを獲得し、ドライバーズ選手権での首位を守っている。
「本当に信じられないような戦いになった」とルキヤナク。
「ずっと全開走行のまま走り切った。プッシュして高ポイントを目指した。自分のパフォーマンスには満足しているよ」

ERC / Thomas Fenetre / DPPI

なお、オリバーはこのイベントでフルポイントの40点を獲得、ルキヤナクまで4ポイント差の選手権2番手に浮上したほか、ERC1ジュニアでは首位を堅守している。

4位には、今戦がERCデビューとなったエイリーク・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)。クレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)、エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアR5)のチームMRF勢が後に続いた。

ERC / Thomas Fenetre / DPPI

ERC2は前日トップのチボール・エルディ(三菱ランサーエボリューションX)が終盤、3気筒になるトラブルに。最終ステージでは2度も止まりながらもフィニッシュにたどり着き、優勝を飾った。またERC3/ERC3ジュニア部門では、さらに大きな波乱が起きていた。前日首位に立った地元ラトビアのマルティン・セスク(フォード・フィエスタ・ラリー4)は、エストニアの若手ケン・トーン(フィエスタ・ラリー4)に2.8秒差を築いて残り3本の最終ループを迎えたが、最初のSS8をフィニッシュした時点でマシンから煙が立ちこめてきたのだ。フィニッシュラインからマシンを移動してチェックすると「ラジエターの破損だ」とセスク。
「大ジャンプの後、小さな石が入り込んだようだ。本当に残念だよ」
この結果、トーンが部門トップでフィニッシュ。デニス・ラドストローム、ラリークロスからラリーにスイッチしたことが発表されたレイニス・ニッティスが続き、フィエスタ・ラリー4勢がポディウムを独占した。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI


ERC / Gregory Lenormand / DPPI

フィアット・アバルト124RGTのワンメイクシリーズ、アバルトカップでも波乱が起き、前日首位のアンドレア・マベリーニがメカニカルトラブルでリタイアに。この結果、チェコの新鋭マルティン・ラダが部門優勝を飾った。リヤ駆動マシンでのグラベルラリーは今回が初めてというラダは「グラベルでの走りはすごく楽しめた。グラベルラリー自体もこれまでに1回しか出たことがなかったが、その時はFFだった。簡単ではなくグリップが違う場所もあったが、経験を積むために来たけど満喫したよ」と語っている。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

なお、このラリーリエパヤでは、昨年のERC最終戦ハンガリーに続き、P1レーシング燃料ポディウムチャレンジ賞が設定され、参戦コストを支援することを目的として、ERC1ジュニア、ERC2部門の上位3人にP1 XR5レーシング燃料に交換できるチケットが贈られた。各部門の優勝者は150リットル、2位と3位のドライバーは、それぞれ100リットル、50リットル分の燃料を獲得した。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ERCの次戦は、9月17‐19日にポルトガルのアゾレス諸島最大の島であるサンミゲル島で開催されるアゾレスラリー(グラベル)が予定されている。

ERCラリーリエパヤ 最終結果
1 O.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) 1:18:28.5
2 M.オストベルグ(シトロエンC3 R5) +18.7
3 A.ルキヤナク(シトロエンC3 R5) +35.7
4 E.ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5) +1:23.1
5 C.ブリーン(ヒュンダイi20 R5) +1:40.1
6 E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:45.9
7 G.ムンスター(ヒュンダイi20 R5) +2:05.4
8 M.ヘイッキラ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:18.7
9 E.ラレーナ(シトロエンC3 R5) +3:10.7
10 S.ジョンストン(シトロエンC3 R5) +3:36.2



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