全日本ラリー丹後:スバルの鎌田卓麻がセントラルラリー以来の勝利 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー丹後:スバルの鎌田卓麻がセントラルラリー以来の勝利

©Jun Uruno

全日本ラリー選手権第5戦ラリー丹後は8月2日(日)にすべての競技を終了し、JN1クラスはスバルWRX STIの鎌田卓麻/鈴木裕が勝利を収めた。2位には三菱ランサーエボリューションの奴田原文雄/佐藤忠宜、3位にスバルWRX STIの新井大輝/小坂典嵩が入った。

JN1クラスのトップ3は鎌田、奴田原、新井大輝 / RALLY PLUS

この日行われたのは計4SS、47.24km。わずかに距離は変わっているが、前日使ったコースを逆走で2度走行する構成だ。午前中には丹後半島を雨雲が通過する予報が出ており、朝のサービスには緊張感が走ったが、結果的に路面をウエットコンディションにするほどの雨が降ることはなかった。JN6クラスは明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツCVT)が独走状態だが、それ以外のクラスはすべて接戦(JN1:4.7秒差、JN2:5.3秒差、JN3:1.5秒差、JN4:4.2秒差、JN5:3.7秒差)となっており、最終日のバトルから目が離せない。

JN1クラス優勝の鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) / RALLY PLUS


JN1クラスは鎌田が4SS中3SSで奴田原のタイムを上まわる快走を見せ、一時はその差を19.1秒にまで拡大。最後までトップの座を譲らずにフィニッシュし、今シーズン初、2019年のセントラルラリー愛知・岐阜以来の優勝を飾ってみせた。このところターマックで好調ぶりを見せる奴田原は、一歩及ばず2位という結果となった。前日まで3番手につけていた新井敏弘/田中直哉はこの日最初のSS7でヒット。エンジンが止まり、リバースとUターンを強いられて、15~20秒のタイムロスを喫してしまう。これで新井大輝が3番手に浮上、その後も順位を守り切って3位表彰台を獲得した。また、初日にリタイアを喫して再出走となっていた勝田範彦/石田裕一は、この日すべてのSSでベストタイムをマークする走りをみせ、レグポイント3点を獲得した。
全日本ラリー選手権としては2018年の開幕戦Rally of Tsumagoi以来の勝利となる鎌田は、「今回は久々のラリーでしたが、スタートから全開で行くことができ、その走りにクルマもついてきてくれました。タイヤもグリップが高かったと思います。最終日最初の1ループ目はアタックしていこうと思っていて、そこで7秒離すことができました。安定してタイムを刻むことができたので、狙ったとおりの展開にすることができたと思います」と、手応えを語っている。

JN2クラス優勝の上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) / Jun Uruno/RALLY PLUS


ホンダ・シビック・タイプRユーロvsレクサスRC Fという異種格闘技となったJN2クラスは、シビックの上原淳/漆戸あゆみがSS7/9を、RC Fの石井宏尚/寺田昌弘がSS8/10を獲りあう展開に。総合順位を入れ替えながらの戦いは、最終的には上原が1.1秒差で石井の猛追をしのぎ、ターマックラリーでの初勝利を獲得した。3位には足まわりにトラブルが出て思うようにペースを上げられなかったトヨタ・ヴィッツGRMNの眞貝知志/安藤裕一が入っている。
「1ループ目で離されてしまったので、2位キープかなと思っていましたが、2ループ目最初のSS9で気合いをいれて走りました。そうしたら、期せずして12.4秒も勝ってしまって(笑)。最後も頑張って走りました。次の北海道は完走すれば上に行けると思っているんですが、敵はコロナウイルスですかね」と、上原。僅差で敗れた石井は「2ループ目はだいぶペースを上げたんですが、ちょっと届きませんでした。でも、これだけ真剣に1位を争えたのは初めてだったので、いい経験になりました」と笑顔を見せた。

JN3クラス優勝の竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ) / Tadayoshi Nakajima/RALLY PLUS


JN3クラスは、前日3番手につけていたスバルBRZの竹内源樹/木村悟士がSS7で一番時計をマークし、クラス首位の福永修/齊田美早子(トヨタ86)をパス。一方、前日1.5秒差で2番手だった鈴木尚/山岸典将(スバルBRZ)は、この日最初のSS7でリタイアを喫してしまい、戦線離脱の憂き目に遭う。トップに立った竹内は、続くSS8、SS9でもベストタイムを刻んで一気にリードを拡大すると、前戦新城に続くターマックラリー連勝を挙げてみせた。2位は福永、3位は曽根崇仁/竹原静香(トヨタ86)が入った。
逆転勝利を収めた竹内は、「昨日の最終SSからしっかりペースアップできました。今日もしっかりプッシュでき、タイムもついてきました。自分の思っていたラリーの展開を戦うことができて、優勝できました。今後ターマックラウンドには出る予定で、北海道をスキップして、次はモントレーを予定しています。地元ですし、しっかり勝ちにいきたいですね」と力強く語った。

JN4クラス優勝の高橋悟志/立久井和子(スズキ・スイフトスポーツ) / Tadayoshi Nakajima/RALLY PLUS


JN4クラスは、オープニングのSS7から内藤学武/小藤桂一(スズキ・スイフトスポーツ)がスパート。連続ベストタイムをマークして先行する高橋悟志/立久井和子(スズキ・スイフトスポーツ)をかわし、午前中のループを終えた段階でクラストップに立った。サービスを挟んだSS9では、高橋が渾身の一番時計。これで高橋が再度トップに立ち、両者3秒差で最終SSヘ。11.35kmの最終SSを、なんとふたり同タイムで走り抜けてみせた。結果3秒差は変わらず、勝利は高橋のものに。3位には古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)が入っている。
高橋は、「接戦でしたね。1ループ目で逆転されてしまいましたが、2ループ目はだいぶタイヤが温まっていたので、ここは行くしかないと、攻めました。次は北海道をスキップして、モントレーに参戦します。序盤から攻められるように、クルマもドライバーも見直す必要がありそうです」と、自らの走りを分析した。一方の内藤は「最後のループで負けてしまって、最終SSで気負ってしまいました。でも、秒差で勝ったり負けたりは楽しいですね。次も勝負できるように精進していきたいです。次の北海道は出たいと思っていますが、あらためて車両のチェックをして、体制がしっかり整っているのか確認してから、考えたいと思います」と次戦への意気込みをみせた。

JN5クラス優勝の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) / Jun Uruno/RALLY PLUS


JN5クラスをリードしていた天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRスポーツ)のマシンに異変が起きたのは、朝のサービス。エンジンが再始動せず、サービスアウトの時間は刻一刻と迫ってくる。なんとか時間ギリギリにエンジンが息を吹き返してことなきを得たが、一抹の不安を抱かせた。ところがラリーが始まってみれば、オーバーヒート症状に悩む大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)を尻目に4連続ベストタイムをマークして勝利をモノにした。2位は大倉、3位は今回トヨタ・ヤリスで参戦した小濱勇希/東駿吾が入っている。
天野は「朝のサービスはヒヤヒヤしましたが、なんとか走り出せました。調子もよく、再開初戦で勝ててよかったです。クルマのセッティング的なトラブルもあって大変でしたが、想像以上に大倉選手が速くなっていて、1回のミスでひっくり返されてしまいそうです。なんとか振り切れてよかったです」とコメント。丹後初参戦の大倉は「けっこう頑張ったんですが、負けてしまいました。最後はリスクを負って攻めたんですが、届いていません。エンジンの冷却系が厳しいのかもしれませんね。次の北海道はもう1ステージアップデートが入るので、そこが機能してくれればいいですね」と次戦に期待をつなぐ。3位の小濱は「伸び代があるクルマなので、長所も課題も色々と見つかります。やればやるほど、欠点もどんどん減ってくるはずです。コ・ドライバーの東選手とは初めて組むラリーでしたが、ふたりでテストしたこともあって、一定のスピードが発揮できたので、それが確認できてよかったです」と、ヤリスの手応えを語った。

JN6クラス優勝の明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツCVT) / Jun Uruno/RALLY PLUS


明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツCVT)が大幅リードを築いているJN6クラスだが、マシンに不調を抱えていることもあり完走優先のペースでの走行を余儀なくされる。そんななか、クラス3番手につけていた水原亜利沙/高橋芙悠(トヨタ・ヤリスCVT)がSS7、SS8と連続ベストタイムをマーク。スタート時点で45秒ちかくあった2番手兼松由奈/美野友紀(トヨタ・ヴィッツCVT)との差を一気に3.9秒差にまで詰めてみせた。2ループ目では明治のマシンもペースを取り戻し、2連続ベストタイムでフィニッシュ。今季2勝目を飾ってみせた。2位は兼松、3位は水原。水原は序盤の好走が効き、レグポイント3点を獲得している。
明治は、「今回は最終日の1ループ目でトラブルが出て、それを後半で取り返せませんでした。それでも、完走して勝てたのは良かったです。次はモントレーを予定しています。いろいろテストして、アップデートして挑みたいですね。あらためて、今回ラリーが開催されたことに感謝したいです」と、ラリー開催の喜びを噛みしめた。

NISSINラリー丹後 レグ2終了時点結果
1. 鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) 1:29:00.1
2. 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX) +17.7
3. 新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI) +2:17.0
4. 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +2:20.4
5. 柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI) +3:53.9
6. 上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) +3:59.2
8. 竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ) +4:24.8
11. 高橋悟志/立久井和子(スズキ・スイフトスポーツ) +4:46.7
18. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRスポーツ) +6:37.7
32. 明治慎太郎/里中謙太(トヨタ・ヴィッツCVT) +16:06.1



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