FIAラリー部会のマトン「2022年に向けた詳細は、8月には確定させることを目指している」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

FIAラリー部会のマトン「2022年に向けた詳細は、8月には確定させることを目指している」

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FIAラリー部会は、新型コロナウイルス(COVID-19)のラリーへの影響に関するディレクターのイブ・マトンへの質疑応答を公開。この中でマトンは、ハイブリッドマシン導入の取り組みにそれほどの遅れはないと見ていることを明かした。


COVID-19に関して、ラリーへの影響についてイブ・マトンへの質疑応答

Q:FIAのラリー部会は、COVID-19にどのように対応したのか。
「まず何よりも、主催者、コンペティター、ASNからの要請に応じて対応を行ってきた。柔軟に支援を行い、数々の関係機関とともにオープンな話し合いを欠かさずに行ってきたので、大人数が集まるイベントへの制限やソーシャルディスタンス、検疫や自粛関係、国内外の移動、地元レベルでの資材がどれだけ準備できているか、主催者やコンペティターがラリーを開催したり、参戦したりするための資金を集めたり、参戦できる能力があるかなど、あらゆる課題について把握している」

Q:柔軟に対応をすることがなぜ重要になるのか。
「フォーマットや規定、コスト削減に関して、実行できるようなレベルにするためには、柔軟にならなくてはならない。多くのことに関して、これまでよりもスピーディに物事を決定できるようにしている。ラリーにとってよかれとなるために、ともに取り組んでいるのは、誰もが同じだからね」

Q:2020年のWRCカレンダーはまだ揺れ動いたままだ。なぜか。
「ラリーのDNAとして、公共機関との連携なしにイベントを主催するのはかなり困難だ。このため、政府の決定と足並みを揃えて決断も行っている。各国の保健方針がどう変わっていくのか、まだ不透明となっているため、新しいカレンダーの日程を組む前に、こうした方針が固まるまで状況を見守っている」

Q:2020年のWRCカレンダーは、最終的に何戦となるのか。
「一番現実的な見通しとしては7戦で、その目標に達する目前まできている。もちろん、納得のいかない部分は常に出てくるものだが、主催者のみなさんからは選手権に加わるために最大限の努力を続けてきてくださっていることを、私はよく分かっている。ERCのような他の選手権との併催も視野に入れている。例えばERCのラリーディローマキャピターレの主催者は、イベントを開催できるようにするためにソーシャル・ディスタンスの見事なアプリを開発するなど、優れたイベントもあるからね」

Q:今回のパンデミックに関して、ポジティブに捉えることができる側面はあるか。
「すべての関係者が本当に団結して取り組んだ。みんなが、同じ問題を乗り越えようとしていることをよく理解しているからだ。これまで以上に、誰もが同じ方向に向かって取り組んでいる。選手権の成功とラリーが長く続いていくことが、何よりも重要だからだ。今の状況に対応するためには、みんながこれまで以上にオープンになることが求められる。どのようにイベントを主催するかという点でも、これまでとは違う方法を試さなければ、メチャクチャになってしまうだろう。例えば、もしWRCをまた米国で開催できたとしたら、ヨーロッパ戦と100%同じ方法を採ることはできない。だから、今は何かを変えて、前向きに考えなくてはならない」

Q:COVID-19によって、ラリー1の始まりやハイブリッド技術の投入は遅れることになるのか。
「現在、その計画や予定を立てている。もちろん、2022年に向けてのマニュファクチャラーの作業を考えれば、6月ではなく8月には確定させることを目指している。しかし、パンデミックで3カ月の中断があっての2カ月遅れなので、当初の想定からはそう遅れは取っていない。すべてのマニュファクチャラーが、2022年のマシンの作業に全力で取り組んでいる。技術規定に関わるワーキンググループは毎週行っていて、マニュファクチャラーからの質問に答えている。マシンの設計を始めると、疑問がたくさん出始めてくる。また、WRCプロモーターとマニュファクチャラー陣とも毎週、ミーティングを行い、コミュニケーションの維持に努めている」

FIA / Gregory Lenormand / DPPI



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