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新春特別インタビュー:セバスチャン・オジエ 後編「経験を活かしモンテカルロでの連覇を狙う」

©Hiroyuki Takii

2020年シーズンに臨むTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのドライバーに話を聞く特別インタビュー企画。セバスチャン・オジエの2回目は、いよいよ目前に迫ったモンテカルロへの意気込み、そしてラストイヤーの参戦となることについて聞く。


──マキネンはヤリスの長所として、誰が乗ってもすぐに速く走らせることができる、イージードライブな性格を挙げていました。同意できますか? あなたの現時点でのヤリスWRCの習熟度はどのくらいでしょうか?
「イージー、と言うのは語弊があるかもしれないが、ドライブするにあたって確かに困るような驚きはない。エンジンは確かに長所だし、回転数が低い時のトルクなどはとても優れている。それはラリードライバーにとっては魅力的なものだ。でもまだシーズンは始まっていない。誰だってマシンの評価に関しては、どちらかというと慎重になるんじゃないかな。テストはうまくいったが、実際のラリーの現場で僕らに何ができるか、それを実感できるのが待ち遠しいよ」

──モンテカルロに向けて課題などはありますか?
「モンテカルロの前には、あと1日しかテストが残されていない。ラリーが始まっても、他のドライバーたち同様、まだマシンについて学ぶべきことが多く残されているのだと思う。ティエリーだけがこれまでと同じクルマで出場できるが、オィットも新しいマシンに乗るわけだし、エルフィンやフォードにいくエサペッカにとっても同じ状況だ。多くのドライバーにとって未知のファクターが存在する。だから全員ができるだけ良い結果を出そうと取り組むだろう。

ラリーモンテカルロ自体もあまりに特殊なイベントで、どこで何が起こるか分からないラリーだ。だから僕らはこれまでの経験を活かしてモンテカルロでの連覇を狙っていきたいと思う」

──シーズンはどんな展開になると予想しますか。トップドライバー3人のうちでは、やはりクルマを良く知るヌービルが有利でしょうか?
「決してティエリーだけが有利とは言えないと思う。確かに優勝候補は3人になるとは思うが、僕らだけになるとも言えない。誰かが僕らを驚かせてくれる可能性もある。エルフィンも最近成長してきているし、タイトル争いに絡んでくる可能性も十分にあると思う。フォードのドライバーたちがどのような走りを見せるかも興味深い。フィエスタも良いパフォーマンスを見せてきている。新しいシーズンが始まる時、僕の取り組み方はいつも同じだ。誰か特定のドライバーをマークするのではなく、全員を真剣にライバルと見なす。今シーズンで誰が最大のライバルになるかを判断するには、数戦を通じて様子を見ていく必要があるからね」

──カーナンバー#17の由来を教えてください。
「子どもの頃、親戚のなかでモータースポーツに携わっていたのは叔父だけだった。彼はオートクロスに出場していて、当時のナンバーが#17だったんだ。そして僕の誕生日でもあるしね(12月17日)。これまであまり番号について考える必要はなかったけれど、昨年DTMに出場した際には#17をつけた。だから今季も#17を選んだ」

──昨年カーナンバー#17だった勝田選手は、あなたがわざわざ彼に#17を使っていいかと聞いたことを、うれしかったと言っていました。
「タカが#17を付けていたのは知っていた。だから、彼にとってこのナンバーがどうしても使いたいものかどうかを聞いたんだ。彼はすぐに快く応じてくれたし、同じラッキーナンバーを共有しているのは、とても誇りに思うのでぜひ使ってほしいと言ってくれたよ。だから幸運にも自分が選んだ番号を使うことができたんだ」

Hiroyuki Takii / RALLY PLUS

──GRヤリスの印象を聞かせてください。もう乗りましたか?
「まだ乗る機会には恵まれていないが、データを見た限りでは素晴らしいクルマのようだし、乗ったことがあるドライバーの話を聞くと、あまり最近は見掛けなくなったタイプのクルマだと聞いている。軽量で、敏捷で、パフォーマンスレベルもとても興味深い。だからファンたちの間でとても人気が出るのではないかと思うし、プレゼンテーションが行われた昨日だけでかなりの数の予約注文があったというからね! だから多くの人にとって魅力的なクルマなんだと思うし、チームとしては早い時点でレッキカーに使ってくれるかもしれないから、すべてのラリーで使えることになるといいと思っている」

──2021年はこのクルマがWRカーになるという噂も聞こえてきていますが、乗りたくはないですか? 今年が最終イヤーであることは変わらない?
「今年を最後のシーズンにするということは、もうすでに何年も前から決めていることで、それは現時点では変わっていない。『ネバー・セイ・ネバー(絶対ということはない)』という言葉もあるが、これは家族と一緒に決めたもので、自宅にいる息子と離ればなれになるのがますますつらくなってきている。でもこれは僕が夢見てきた仕事であることも忘れてはいないし、このようなポジションにいることも、とても幸運だという自覚もある。現時点ではその計画は変わっていない。だからまずは今シーズンに集中して、できるだけ良い結果を出して、すぐに競争力を発揮してタイトル獲得を目指すことを目標としたい。シーズン終盤でどのような状況になるかは分からないが、現時点では計画は変わっていないよ」
(Interview/Keiko Ito)



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