小林直樹カメラマン撮影のWRC写真で彩る「ワールドラリーカレンダー2020」が今年も完成いたしました！ そのなかに掲載されている写真について、小林直樹カメラマンのひと言コメントとともに撮影秘話をご紹介してまいります。今回は9月〜12月までのお話。
WORLD RALLY CALENDAR 2020
ワールドラリーカレンダー2020
A2変形判・13ページ・オールカラー
撮影： 小林直樹
発行： 合同会社サンク
価格： 2,600円＋税
9月
ポルトガルの村を抜けていく、リエゾンでのマシンを撮影しました。マシンが通過するとなると、どこからかギャラリーがワラワラと出てくるんです。きっと左側の建物にあるカフェからもフラッと見に出てくるんじゃないでしょうか。真っ青な空と、以下にもヨーロッパ的な白い壁、そして青いマシンと、コントラストがきれいですよね。
この撮影ポイントの近くに橋と教会があって、最初はその教会をバックにマシンが走っているシーンを撮ろうと考えていました。ところがいざラリー本番になってみると、バナーやノボリがたくさん並んでしまって、せっかくの風景が台無しになってしまったので、急遽歩きまわって探し出したんです。マシンもちょうど陽の当たる部分を走ってくれていますし、探した甲斐があったと思います。
10月
これはラリーモンテカルロですね。このカットも村を通過していますが、れっきとしたスペシャルステージです。葉の落ちた寒々しい雰囲気に、廃墟っぽい場所、そして観客も防寒具を着込んで、まさに冬、という乾いた感じを狙いました。くすんだ色味の背景に、シトロエンの鮮やかな赤が浮き出るようです。実は左側にあるオレンジ色の鉄板は除雪車なんです。できることなら削りたかったんですが、アングルなどを考えてこう収まりました。
ギャラリーはこの家に遊びに来た人だと思うんですが、落ちちゃうんじゃないかと内心ドキドキしながら撮っていました。もたれかかっている鉄柵はちょっと頼りないし（笑）。でもラリーにグッとのめり込む感じは出せたのではないかなと。
11月
これもポルトガル。今回はちょっとポルトガルが多めですね（笑）。やはりグラベルで迫力あるシーンを、と考えると、ポルトガルは外せないです。ダストがすごいのと、巨岩に登って観ているギャラリーの様子、それに青空にはためくポルトガルの国旗を入れてみました。良く見ると分かりますが、お国柄なのか、ポルトガルの人はマスクをして観戦するんですよ。ギャラリーから「これ使った方がいいよ」とマスクをもらったこともあります。他の国の人は砂埃をあまり気にしないみたいですね。
12月
今年のモンテカルロは、初めてギャップの街でセレモニアルスタートが行われたので、それを撮影しました。最初はポディウムを撮影していたんですが、ちょっと面白くない。そこで、場を離れて、走り去るマシンのバックショットを狙ってみたのです。排気の熱でもやが立っているところも寒さを感じさせるアクセントになっていると思います。
マシンを前方から照らしている光は、他のカメラマンのストロボです。こうやって“よそのストロボを借りる”のが好きなんですが、なかなかタイミングが合わないと写りません。イチかバチか運に左右される部分もありますが、うまくシャッターチャンスが合って、こんな幻想的なシーンになりました。
さて全体を振り返って、小林カメラマンから皆様にメッセージが。
「ようやく2020年カレンダーができあがりました。このカレンダーでWRCの世界の魅力を皆さんに伝えられたらいいなと思います。僕の一番のお気に入りは表紙のカットですね。ちょうど陽が当たったことで、ドライバーの表情や力強さを感じ取ってもらえるのではないかと思います。それに雑誌やウェブサイトでは、これほど高解像度かつ大きなサイズではなかなか見られないので、細部までじっくり見ていただけると思います。ラリー北海道にいらっしゃる方はぜひ現地でお会いしましょう！」
ワールドラリーカレンダー2019は、いよいよ明後日、ラリー北海道のラリプラブースにて初お披露目、販売スタートです。会場でお手にとってじっくりご覧いただけますのでお楽しみに！ 小林カメラマンも現地入りする予定ですので、運が良ければ会えるかもしれません！
さらに、現地に来られない方はオンラインでご注文いただけます。しかも今なら送料無料になる先行予約キャンペーン中！ 対象は19日（木）のご注文分まで！ もう間もなく締め切りですよ!!
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