WRCトルコ:トヨタ、荒れた路面のグラベルラリーで2年連続優勝とシーズン6勝目を目指す – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCトルコ:トヨタ、荒れた路面のグラベルラリーで2年連続優勝とシーズン6勝目を目指す

 

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月12日(木)から15日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権第11戦ラリートルコに、オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組の、3台のヤリスWRCで参戦。大会2連覇と、シーズン6勝目を目指して戦いに挑む。

トルコでのWRC開催は2010年大会を最後にしばらく途絶えていたが、昨年カレンダーに復帰。地中海に面したトルコ南西部のリゾート地、マルマリスを中心とする新たなイベントとしてWRCを迎えた。山岳地帯を中心に設定されるステージはグラベルで、凹凸が激しく、大きな石が転がるなど路面は非常に荒れており、昨年は多くの選手がクルマに大きなダメージを負った。また、9月のマルマリスは気温が非常に高く、エンジンにとって非常に厳しい環境となる。特に、ツイスティなコーナーが続く低速セクションでは、ラジエーターに当たる風の量が少なくなるため温度が上がりやすく、駆動系やブレーキにとっても過酷な条件だ。

昨年、チームはヤリスWRCの冷却系に大きな改善を施してラリーに臨んだ。その上で、パンクや足まわりの破損などトラブルを避けるべく堅実な走りを続けた結果、タナックが優勝、ラトバラが総合2位に入り1-2フィニッシュを飾っている。そのことからも、ラリートルコは純粋なスピード以上に耐久力が求められる、サバイバルラリー的な側面が強い一戦と言えるだろう。

タナックは昨シーズンの中盤、フィンランド、ドイツ、トルコと3連勝を飾ったが、今年もフィンランドとドイツを制し、現在ドライバーズ選手権でトップに立っている。そのため、金曜日のステージでは出走順が先頭となる。通常ドライコンディションのグラベルラリーでは早い出走順ほど不利になるため、タナックにとっては非常に難しいチャレンジとなることが予想される。

ラリーは12日(木)の晩、マルマリス市街地でのスーパーSSでスタート。翌日から、マルマリスのサービスパークを中心に本格的なグラベルステージが始まる。13日(金)はサービスパークの周辺と北側で3本のステージを各2回走行。その合計距離は159.14kmと最長の1日になる。14日(土)は、サービスパークの西側で3本のステージを各2回走行。SS10と、その再走ステージであるSS13はニューステージだ。最終日の15日(日)は、金曜日と同じエリアで4本のステージを走行。サービスパークのすぐ近くで行われる最終のSS17「マルマリス2」は、ボーナスの選手権ポイントがかかるパワーステージに指定されている。4日間で17本のSSを走行し、その合計距離は309.86km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は986.28kmとなっている。

TOYOTA

トミ・マキネン(チーム代表)
「ラリードイチェランドでの信じられないような結果により、我々のモチベーションは非常に高い状態にありますが、ラリートルコはまったく別のチャレンジとなるでしょう。何よりもクレバーさが求められる1戦ですし、昨年はクレバーに戦ったからこそ素晴らしい結果を得られたのだと思います。もちろん今年もその再現を試みますが、そう簡単には行かないでしょう。厳しいコンディションに対応できるようなクルマに仕上げることが非常に重要ですが、性能に関しても少し上げたかったので、このラリーに向けてとてもハードに準備を進めてきました」

オィット・タナック
「トルコでの我々の目標はもちろん連覇ですが、昨年は本当に厳しいラリーでした。自分は優勝し、チームは1-2フィニッシュを飾りましたが、正直なところ我々にはそれほど速さがなく、スマートな戦いをしたことが好結果に繋がったのです。きっと今年もステージは非常に荒れると思うので、いかなる問題も起こさないようなアプローチをとることになるでしょう。しかし、今年はパフォーマンス面に関しても向上させたかったので、チームは懸命な努力を続けてきました。フィンランド、ドイツと連勝したことで努力が報われ、チームのモチベーションは高く保たれています」

ヤリ-マティ・ラトバラ
「ラリートルコは、今年もっとも路面がラフなイベントです。昨年はライバルが次々とトラブルに遭遇し、決して最速ではなかったものの、慎重に走り続けた我々が1-2フィニッシュを飾りました。いろいろな意味で、サバイバルラリーといえる1戦でした。今年は路面コンディションが少しは良くなるのではないかと予想していますが、それでも注意深く、クルマを気遣って走る必要があります。我々チームはラリードイチェランドの前にギリシアでテストを行ない、トルコと似たような荒れた路面でクルマの改善に注力しました」

クリス・ミーク
「自分にとって、ラリートルコは新たな経験となります。昨年は遠く離れたところでラリーを追っていましたが、他のドライバーの言葉を聞く限り、ステージは信じられないくらい荒れていたようです。今年自分でレッキを行なって初めて、どのようなステージなのか理解することができるでしょう。昨年出場しなかったため、自分にとって少々難しいチャレンジになるのは仕方ありません。結果に関して特に目標を設定するつもりはありませんが、ラリーが終わった時にそのアプローチが正解だったと、きっと証明されるはずです」



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