ラリージャパン実現に向け自信を見せるWRCプロモーター。その理由とは – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ラリージャパン実現に向け自信を見せるWRCプロモーター。その理由とは

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モータースポーツジャパンフェスティバル in お台場に来場したWRCプロモーターGmbHのオリバー・シースラ代表は、2020年のWRCラリージャパン開催に向けて「非常に前向き」であると報道陣に語った。

「FIAと我々がともに考えるWRCのグローバル化戦略において、欧州圏外イベントの増加は決定事項だ。世界選手権であるからには、アジア、アフリカ、中東での開催も視野に入れなければならず、日本とケニアは今後の重要なステップとなることは間違いない。ほかには砂漠や、冬のラリーを増やすことも検討している。これほど様々な環境での選手権は、WRCにしかできない価値だと思っている。
ただし、我々の予算とロジスティクスの面からも、イベント数を急激に増加させることは不可能だし、2020年においても全14戦が適切だと考えている。6月14日に開催される世界モータースポーツ評議会(WMSC)で、我々が提案するカレンダーは承認されると思っている。アジアにこのスポーツを持ってくることが、先ほどの戦略に照らしても重要なポイントだからだ。
プロモーターとしては、WMSCでの結論を待って公式発表を行う予定なので、もう少し待っていてほしい。ただ、開催にあたっては非常に前向きに思っているし、否定的になる理由はないと思っている」

WMSCにおけるカレンダー決定の流れは従来と同様。プロモーターがカレンダー案を策定し、WRC委員会がそれを採決、WMSCがこれを承認して、晴れて確定となる。

ラリージャパンが落選した昨年までと大きく異なるポイントは、WRC委員会での可決プロセスにある。WRCのさらなるグローバル化という目標を具体化するため、2020年のリミットとなる全14戦のうち、欧州圏内イベントが8戦、欧州圏外イベントが6戦という枠が先日のWMSCの電子投票で明確となったことだ。これによって日本は欧州圏内イベントと席の獲りあいをする必要がなくなるわけだ。

本誌の取材によると、来年の欧州圏外イベント6戦の候補に名を連ねているのは8イベント。現在WRCを開催しているメキシコ、アルゼンチン、チリ、オーストラリアの4戦に加え、すでにキャンディデートイベント(2018年新城)を終えている日本、この7月にキャンディデートイベント開催予定のケニア、APRC開催実績によりキャンディデート開催の必要のないニュージーランド、新規のサウジアラビアというラインナップだ。このうち6戦が2020年のWRCイベントとしてカレンダー案に組み込まれることとなる。欧州圏内イベントは11戦が候補にあがっているといい、伝統も実績もある激戦区と争わなくてもよいというのは大きい。

すでにキャンディデートイベントを実施していることや参戦マニュファクチャラーの有無、オーガナイザー側の財政基盤、アジア唯一であることなどを考えれば、日本開催の可能性そのものは決して低くはないと言えそうだ。さらに、去年までWRC委員会の投票には既存のオーガナイザーも1票ずつの投票権利を持っていた(つまり2018年は計13票)が、今年からは6票に減らされたという。この点も、既存イベントの影響力が薄まりラリージャパンのカレンダー入りに向けた追い風といえる。

6月14日、WMSCでの暫定カレンダー決定が待たれる。



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