【Martin’s Eye】WRCローンチインタビュー:セバスチャン・オジエ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【Martin’s Eye】WRCローンチインタビュー:セバスチャン・オジエ

©Citroen

1月12日に英国バーミンガムで行われたWRCローンチ。2019シーズンのWRCを戦うクルーとマシンが集結したこの場で、マーティン・ホームズが新シーズンに向けてのインタビューを敢行した。まずは、激戦の2018シーズンを制してタイトルを防衛、新チームで心機一転を図るセバスチャン・オジエから。


WRC6連覇王者のセバスチャン・オジエは今季、自身がその座に上り詰める出発点となったチーム、シトロエンに復帰する。2010年に離れた時と比べ、今のシトロエンはどのようなチームになっているのだろうか。取り組み方での大きな違いは?
「まず、(自分がシトロエンにいたのは)何年も前の話、8年前だよ! 8年と言えば、人生での中でもモータースポーツでも長い時間。だから、当時と正確に比較するのは、とても難しいことだと思う。コ・ドライバーのジュリアン(イングラシア)も自分も、8年前とはかなり変わった。ラリーでの経験をたくさん積んだし、当時とは立場も違う。あの頃は、まだいろんなことを学ぼうとしている若造だったと思うが、今、チームからは自分たちが後押しすることを期待されている。何も変わらない人も中にはいるので参考にはなるが、まだ特に違いを感じることはないよ」

マネージャーが変わり、企業経営が変わり、ラリーに関する見方もこれまでとは変わってくるのでは。
「同じマネジメントに戻ることはない、それは明らかだ。でも、時は変わるもの。一方で、チームの技術面では始まった時からいい関係を築いているし、たくさんの人が、自分たちがチームに戻ったことを喜んでくれていると思う。もちろん、自分たちがまたシトロエンをドライブする理由の一つには、このマネジメントは、再び成功を収めるために必要なことをやっていこうというモチベーションがとても高いように感じられたことがある。それができることを期待しているよ」

オィット・タナックとティエリー・ヌービルはもちろん、昨年同様に強敵となるだろうが、セバスチャン・ローブの復帰についてはどう考えているか?
「既に話したと思う。彼には、フル参戦で戻ってきて欲しいと思っていた。でも、最終的に何戦かだけにはなったが、それでも戻ってくるのはうれしいよ。以前は、いつも素晴らしいバトルをしていたし、いつも接戦だった。2人だけの一騎打ちだったこともあった。今は、タイトルを狙えるドライバーがもっと増えているので、バトルは広がる」

Martin Holmes Rallying

今年は全14戦となるが、選手権が拡大することについてはハッピーか。
「必要だとは思っていない。ラリーの数を増やし過ぎるべきではない。経済的にチームに負担が大きくなるからだ。既にそうなっている。おそらく、自分の考えだが、イベントの質を向上させて、よりコンパクトにするべきなのでは。短くするべきだ、と言っているのではない。総SS距離は最低でも300kmは必要だと、自分も考えている。競技性を維持するためには、それが重要だ。でも、その距離を2日間で行うこともできるはずなんだ。自分には、それで十分。もしラリーウィークの長さを少し減らすことができれば、コストも削減できる。そうすれば、選手権にもう一戦増やすチャンスもできるのではないだろうか」

(WRCプロモーターの)オリバー・シースラは、ケニアと日本が選手権に昇格するなら、ヨーロッパの伝統戦を2戦を落とさなくてはならないと語っている。WRCのスタイルが変わろうとしていることには、どう感じているか。
「自分としては、たぶん心から賛成はしない。選手権を創設した頃からのラリーは維持しなくてはならないのではないかな。こういったイベントには長い歴史があるし、それがラリーを応援し続けてくれるファンの根強い礎になっていることも少なくない。時には新しいことがやってくるのもうれしいが、多くを失うようなことはしたくないよ! 何らかの形で折り合いがつけられる部分があると思う。例えば、オーストラリアとニュージーランドを交替で開催する、とかね」
(Martin Holmes)



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