WRCラリーGB:オジエ「まだ終わってないよ!」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCラリーGB:オジエ「まだ終わってないよ!」イベント後記者会見

©M-Sport

WRCラリーGBのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。シトロエン移籍発表後の初ラリーで、Mスポーツ・フォードのイベント連覇を引き寄せたセバスチャン・オジエは、チームボスとメディアとの感極まりそうなやり取りに、思わずそれを抑止させる一言を発した。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Red bull


1位:セバスチャン・オジエ=SO(Mスポーツ・フォードWRT)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(Mスポーツ・フォードWRT)
2位:ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:ミーカ・アンティラ=MA(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:エサペッカ・ラッピ=EL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:ヤンネ・フェルム=JF(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
マルコム・ウィルソン=MW(Mスポーツ・フォードWRTチーム代表)

Q:セブ、信じられないイベントだった。このラリーでの5度目の優勝は、初めて。素晴らしいリザルトだ。
SO:僕がどんな気分か、想像できるだろう。最高の気分だ!! この週末は、いろいろな感情が入り乱れていた。金曜日はあまりいい滑り出しができず、序盤にギアボックスのトラブルがあり、かなり首位から離されたと自覚していた。もちろん、その時はハッピーではなかったが、考えたんだ。「前に進み、できることをやろう」と。それを実行して、ヤリ、クレイグ、エサペッカとポディウム争いになった。その後、ヤリ‐マティとの2位争いのつもりでいたが、オットがトラブルに見舞われて、それが優勝争いに変わった。それから、この奇妙な気持ちになった。オットは友人だし、彼にはそんな経験をして欲しくない。今回、彼の速さは異次元で、誰も彼についていけなかった。前回のトルコでは自分が彼に勝利を譲ったから、今回はそのお返しなんじゃないかな。

Q:今日の最初のループのグラベルステージで、タイムをロスした時に不安になったか。
SO:今日、ヤリとは僅差だったので、タフな一日になると思っていた。トヨタのパフォーマンスがどれだけ素晴らしいか見せつけられてきたし、上に立ち続けるのが簡単にはいかないことは分かっていた。そして、気合いの入ったヤリ‐マティの強さも見ていた。昨晩の記者会見で、彼はそのことを説明していた。彼は午前中のループで気合いを見せ、もちろん自分はターマックセクションで何か出来ればと思っていた。最後の林道ステージでは速い走りをしなくてはならず、できること全てを尽くした。少なくとも彼のペースと張り合うことが計画だった。ラインを越えた時、ジュリアンに言ったんだ。「これ以上は無理だろう? これが精いっぱいだ」って。自分の気持ちにタイムが応えてくれて、ヤリよりもわずかに僕らが速かった。ヤリ&ミーカとこのような戦いをしたのは久しぶりだ。もちろん、チームメイトだった時はよく戦い合ったが、最近は少なかった。楽しかったよ。

Q:選手権については、どう考えているか。
SO:もちろん、素晴らしい前進ができたと思うし、選手権争いの軌道を戻すことが出来た。自分が望んでいる位置につけているとは言えないが、近いところにいる。ここ数ヶ月、パフォーマンスが常に出ていたわけではなかったことを思えば、悪くない。運は時々離れていくと感じることがある。金曜日もそんな感じがしたけど、最終的に自分の方に戻ってきた。シーズンの終わりが楽しみだよ。スペインではパフォーマンスが出せる自信がかなりあるし、そしてオーストラリアで決戦だ。

Red bull


Q:ジュリアン、今日はどんな戦いだったか。
JI:全く簡単な戦いではなかった。全力で行くしかなかった。この一戦は、選手権に大きく影響すると分かっていた。マシンの左側からは、怒号も聞こえてきたよ。道よりもディッチを走ってる方が多いって! どんな週末だったか、想像できるでしょ。

Q:選手権争いについて、どう考えるか。
JI:絶対にあきらめない。自分たちが勝つラリーもあれば、最終的に何とかポイントを獲らなくてはならないラリーもある。厳しい時でも、その中で出来る限りのものを得ようと考えるしかない。もちろん、エキサイティングな戦いだし、オーストラリアに向かう飛行機では何か思うことも出てくるだろう。でも、その前にまずはスペインに専念しないとね。

Q:ヤリ‐マティ、優勝したかったのでは。
J-ML:あまりいい滑り出しではなかったが、徐々に改善していった。セブとはターマック勝負になると分かっていたし、1回目に入る前にリードをつかんでいた。今日の最初のステージは、本当にいい走りができた。プッシュしていたが、ディッチにはまり少し危なかった。慎重に走らなくてはならなくなったが、そうすると数秒をロスした。パワーステージでは全力を尽くした。本当に素晴らしい走りだった。かなり危ない場面もあったが切り抜けた。グレートオームのターマックでセブのタイムと張り合うことができれば、状況は変わったと思う。でも、セバスチャンの方が速かったし、5連覇王者らしい圧巻の強さを見せた。自分はあれが精いっぱいだ。もしかしたら、わずかながらミスとなったのは、ミディアム3本と中古のソフト1本を選んだことかもしれない。ミディアム4本で行った方がバランスがよかったのだと思う。でも、一日を終えて大した違いにはならなかった。セブとジュリアンは、最後の林道ステージで素晴らしいタイムを出した。ラリーの最終ステージでは、自分は2km辺りでワイドになり、縁石にヒットし、その後はタイヤがトーアウトになっている感じがしていた。その後、自分で言ったんだ。「OK、フィニッシュすることを優先しよう」

Q:しかし素晴らしい戦いだった。戦いに戻れたことは、自分にとってもよかったのでは。
J-ML:もちろん。今シーズンの初めは厳しい内容が続いていた。勝てるフィーリングを少しなくしていたが、それが戻ってきた。(勝つことは)できなかったが、この気分を持ち続けて残り2戦では優勝争いをしたい。まだマニュファクチャラーズポイントを重ねていかなくてはならないし、それが一番重要なことだ。

Q:来年については。
J-ML:トヨタに残りたいと思っているが、確定してくれるといいね。

Red bull


Q:ミーカ、今回のルート変更についてどう思うか。
MA:もちろん、今年のルートは興味深かったと言えるね。テクニカルなステージが増えて、たぶんFIAが平均速度を下げるようにリクエストしたのだろう。でも、自分は楽しめたし、スリッパリーになるとすごくチャレンジングだった。

Q:戦いはどうだったか。
MA:とても楽しめたよ。前にもこういうことがあったが、僕らとセブ、ジュリアンとの間では、常にお互いをリスペクトしている。ステージの合間には冗談を言い合うが、ステージでは全開だ。

Q:エサペッカ、パフォーマンスにはハッピーか。
EL:そうだね、かなり安定していた。金曜日の午前は少し苦戦していたが、そこからはいい流れになった。昨日は、いいタイムも出したし、争いに残れるようにがんばったが、チャンスは消えてしまった。差が広がり過ぎた。今日は、クレイグから3位を守ることに努めた。クレイグがミスをしたので、少し楽になった。

Q:今日の午前は、どんなプランを立てたのか。パワーステージは得意のコースではなかったが、最初のステージのエルシでは最速だった!
EL:パワーステージはグリップがかなり低かった。ディッチに入ってしまうコーナーがたくさんあったが、自分たちが最初ではなかった。ラインを辿ったらディッチに入ったんだ! たぶん、最初のステージでまだ目が覚めていなかったんだろうね。でも問題にはならなかった。たぶん、タイヤがよかったんだろう。自分たちはミディアムタイヤで、山がしっかり残っていた。でも、ベストを獲るために必死でプッシュしたわけじゃなかったよ。

Q:今季、トヨタでの残り2戦、プランは。
EL:ヤリ‐マティと同じ、マニュファクチャラーズタイトルを目指して戦っていく。個人的には、勝つ理由はない。たぶん、オットをサポートすることはできるが、彼もかなり厳しいと思う。

Q:来年については。
EL:何にも。自分には何も言えないよ。毎日、それを聞いてくる度に、おかしくなるよ。去年、セバスチャン(オジエ)に毎日聞いていたようにね。ドライバーからは、何も発表はしないよ。

Q:ヤンネ、チャレンジングな週末を終えて今の気分は。
JF:もちろん、3位に入れてうれしいよ。厳しい戦いだったし、他のラリーと全く違うゲームだ。グリップは変化が激しい。真っすぐなラインよりも、ドリフトしている時間の方が長い。

Q:エサペッカは自分に厳し過ぎる時もあるか。
JF:自分たちは一番ハッピーなチームだと思うよ。彼は彼自身に試練を与える。そしてリエゾンを走り、数時間後には彼が戻ってくる。

Q:マルコム、ドライバーズ選手権の上では素晴らしいリザルトだ。
MW:金曜日の時点では、いい流れではなかった。トルコのあの結果を経て、今回は流れを取り戻すつもりだったが、金曜日に思わず言ったよ。「なんだよ、12ヶ月の間にずいぶん変わっちゃったじゃないか!」。でも昨日は「なんだよ、24時間の間にこんなに変わっちゃうのか!」。セブとジュリアンは、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。心から誇りに思うよ。

Q:残り2戦で全てをベストの形にするために、何ができるか。
MW:自分たちがこの20ヶ月やってきた、その全てを尽くす。最も恐れているのは、信頼性を損ねてしまうことだ。エルフィンのマシンにそれが起きたが、このマシンを走らせて以来、起きていなかったことだ。高価なパーツではなかったが、どれだけ影響を持つかを思い知らされた。残りのイベントでは、セブとジュリアンに、信頼性のあるマシンを与えなくてはならない。

Q:セブとジュリアンがチームにいたことは、どのような意味を持っていたか。
MW:それに答えるのは、まだ先にしたいね。そうでなくちゃ、込み上げてきちゃうよ!!
SO:まだ終わってないよ!



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