WRCイタリア:ヌービル「全開で攻めていたのは自分だけじゃない」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCイタリア:ヌービル「全開で攻めていたのは自分だけじゃない」イベント後記者会見

©Red Bull

WRCイタリアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。0.8秒差をパワーステージでひっくり返して優勝を飾ったティエリー・ヌービルは、自身の達成感を表す一方で、ナイスバトルをともにしたライバルを讃えた。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Hyundai Motorsport GmbH


1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
1位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:セバスチャン・オジエ=SO(Mスポーツ・フォードWRT)
2位:ジュリアン・イングラシア=JI(Mスポーツ・フォードWRT)
3位:エサペッカ・ラッピ=EL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:ヤンネ・フェルム=MM(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ミシェル・ナンダン=JF(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)

Q:ティエリー、素晴らしい勝利だった。スリリングだったのは最終ステージだけではなく、3日間を通してのバトルだった。まず、ポディウムの頂点に上った気分は。
TN:もちろん最高だよ。本当にタフな週末だった。走行順が一番だったし、少し雨が降って、金曜日の後半は少し強くなったが、この週末はポディウムを狙うことくらいしか期待していなかった。優勝争いができそうになってから、ポルトガルの場合と同じだけど、その時から「プッシュしてポディウムに上がれるかやってみよう」と決めた。それから土曜日、完璧なステージになってセブとの差を5秒広げて、優勝争いが始まった。プッシュを続けて、また優勝を持ち帰りたいと、大いにモチベーションが高まった。チームにとって、素晴らしいリザルトだよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:この優勝はどれだけ価値があるものか。
TN:最高だよ! 全開で攻めていたのは、自分だけじゃなかった。セブとジュリアンも、素晴らしい走りをしていた。あの状況では、どれだけ完璧かの勝負だ。今日は自分はラインをミスしたこともあるし、タイムもロスしたが、最終的にほんの少しアドバンテージがあった。可能な時は少しプレッシャーを与えて、差を詰めた。最終ステージは「全力を尽くす」ことと、ミスを避けることだった。もし、マシンを道から外せば選手権で重要なポイントも、選手権リードも失う。だから、そのことを心に留めておいた。

Q:最終パワーステージは、ミスがあったのか、それとも完璧だったのか。
TN:ミスも一回あった。石だらけの所に入った時に、石に弾かれて二輪走行になった。片側に乗りそうになったがプッシュを続けて、フィニッシュに向かうにつれて一番ラフな区間に入ったと感じた。これまでにも常に問題が発生してきたところだ。今日も同じだった。ラフなセクションでよりプッシュして、一番速く走り抜けた。とても楽しかったし、ここでアドバンテージが得られたんだと思う。

Q:これだけの僅差、いつもよりもプレッシャーを感じていたか。
TN:いつもよりモチベーションを高めてくれたのは、5年連続世界チャンピオンを相手に戦っているということだけだった。だから、いつも以上に勝利を目指してプッシュした。だからこそ、素晴らしく特別な勝利なんだ。

Q:ニコラ、戦い終えての気分は。
NG:とても、とてもハッピーだったよ。アメージングな週末だったし、最初から最後までビッグバトルだった。セブ、ジュリアンとすごく僅差で、最終ステージのフィニッシュラインまで、結果は分からなかった。この週末は、とてもハードにプッシュしたと思う。マシンに自信はあったし、必ず優勝すると考えるよりも、ベストを尽くすことに専念した。最終的にミスもなく、勝負に勝った。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:セブ、週末を通してのティエリーとのバトルは見事だった。どちらも譲らず死力を尽くした。最終ステージでかわされた気分は。
SO:最終ステージで負けたことに、明るい要素はないよ。間違いなく緊張感のある戦いだったし、前にも言った通り、この週末の内容に満足できないことはないと思う。自分はかなりハードに挑んでいたと思う。ティエリーほど、リスクを負う準備ができていなかった、ということじゃないかな。この週末はずっと彼の後ろからスタートしたのでラインを追っていたが、限界までプッシュしていることが分かっていた。最終的に僅差だったが、勝ったのは僕らじゃなかった。正直、それでもポジティブな気持ちだ。選手権争いでは高ポイントを獲得したし、22ポイントを獲れた週末を不満に思うことはできない。まだ6戦残っているし、自分が先頭走行じゃないラリーもある。先頭走行は、重いウェイトのようなものだからね。自分は、ここまでずっと背中に困難を背負ってきた。シーズン後半はいいチャレンジになる。

Q:最終1本前のステージで、フィニッシュにいたレポーターと話をせず、すぐに出発してしまった。まず、何かトラブルがあったのか。
SO:パワーステージのリグループに間に合わなくなりそうだった。自分は何も見ていなかったし、ジュリアンが「行くよ」と言ったから行った。

Q:出発した時、TCカードは持っていなかったはずだ。何があった。
SO:自分は人生の中でTCカードを触った事がない。今日も同じだ。聞く人を間違えているよ。

Q:今回のマシンパフォーマンスについてはハッピーか、それとも向上できるところはあるか、特にここ、というところはあるか。
SO:今のフィエスタにとってベストなラリーではないかもしれないと分かっていたが、そう悪くはなかった。もちろん、ティエリーとヒュンダイのようなパフォーマンスが出せなかったセクションがあったのは明らかで、その点については取り組んでいかなくてはならない。でも非難するつもりはない。メカニックたちはがんばってくれたし、マシンはとても強く、トラブルもない。もちろん、作業を続けて、より強くなっていく。次のフィンランドは全く違うラリーだし、フィエスタはいい走りをすると確信している。ここからブレイクになって、休暇を取れるのもうれしい。言ったように後半戦はいいチャレンジになるし、自分は強くなって戻ってくる。

M-SPORT

Q:ジュリアン、まずはTCカードの件について、最終1本前のステージで何があったのか。
JI:自分がミスをした。何千回も同じことを繰り返してやってきたが、積み上げてきたものは一回で壊されてしまう。これはルールの一つ、自分はミスをした。

Q:ラリーについて、素晴らしいリザルトだし、週末を通して見事なバトルだった。どんな気分だったか。
JI:驚くような週末だった。金曜日、ステージに着いた時、サルディニアにいるという気分にはならなかった。2つのラリーが1つになったような感じだった。クルーにとってもエキサイティングだった。このようなバトルができるのは本当に素晴らしいし、規定の悪い影響や、何かが起きたとかは言うことはなく、今回は純粋なバトルだった。もちろん、こういうのは大好きだ。

Q:エサペッカ、今季初ポディウム、おめでとう。土曜日の夜までチームメイトとバトルをした末の見事なリザルトだ。ポディウムに上がった今、ハッピーなのでは。
EL:ここに座ることができて、本当にうれしいよ。今季はポディウムに上がるチャンスがあったが、ミスをしてしまっていた。今、ラッキーにもここにいる。

Q:(WRカーで)選手権を戦うようになって、ちょうど1年だが、もっと経験豊富なドライバーと戦う中で安定したペースを維持できている。昨年は優勝もしているが、今年は、さらにステップアップしているようだ。
EL:SSタイムではトップ5周辺につけている。もちろん、全てのステージではないが、その周辺につけて、一貫性があること、それが今季の目標だと思っている。その状態に達し始めているし、次は別の目標を設定しなくてはならないのかもしれない。選手権順位では4位に上がったのはよかったが、隣にいる人たちと張り合うためにはもっと練習が必要だ。

Q:ミスについて語っていたが、いくつかのイベントでは最終日にミスをしてきた。今日は特に慎重になることはあったか。
EL:今日は、パワーステージのためにタイヤをセーブしていた。プッシュしてポイントを狙った方がいいかもしれないとも考えていたが、過去にも挑戦して、あまり結果につながらなかったから、大きなプッシュはしなかった。そうしたら大きな石を見かけたので、抑えたよ。

Q:次は母国戦のフィンランドで、初めてWRC勝利を飾ったところだ。今回も大きな期待をかけているか。
EL:正直、どのチームもマシンやパフォーマンスを格段に改良しているので、昨年のようにトヨタが圧勝するようなことにはならないと思う。ポディウムに上がるのもタフになるだろう。でも、挑むつもりでいるよ。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:ヤンネ、今週はラトバラと素晴らしいバトルになった。一緒に戦っている時の雰囲気はどのようなものだったか。
JF:雰囲気は、いつでも楽しいよ。ビッグファイトだったし、ヤリ‐マティをリエゾンで見ることになったのは残念だった。あの時の気分は、去年のフィンランドと全く同じ。いいバトルをしていたが、彼がリタイアしなくてはならなくなった。アップダウンも、ゲームの一部だ。

Q:フィンランドに向けて、準備は大変か。
JF:どうかな。まずはサウナだね!

Q:ミシェル、ティエリーとニコラが信じられないような勝利を飾った。誰もがスリリングに見ていたし、ラリーにとっても素晴らしいことだ。自身はどうリアクションしたか。
MN:あの日が始まった時から、タフな一日になると思っていた。しかし、ラリーにとってはいいことだ。バトルは昨日から始まり、今日の午前も続いていた。セブとティエリーは、どちらも譲らなかった。このような戦いが勃発するのは、ラリーがとてもコンペティティブであり、とても興味深いスポーツだということを証明しているし、ファンにとってもとてもいいことだ。ベストなのは勝つことだが、自分のとってはスポーティングな観点でより興味深いバトルだった。

Q:これでマニュファクチャラーズ選手権のリードが広がった。シーズンブレイクを前に、最高の終わり方では。
MN:もちろん、そのことはうれしいが、まだ6戦残っている。次のフィンランドは、ヒュンダイはあまりいい結果を残してきていない。理由は分からないが、そのことに取り組んでいる。まだ先は長いことは分かっているし、難しいイベントも残っている。



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