ERCアクロポリス:大荒れの悪路ラリー、序盤トップはマガリエス – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCアクロポリス:大荒れの悪路ラリー、序盤トップはマガリエス

©ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ヨーロッパラリー選手権(ERC)第3戦アクロポリスラリー(ギリシャ、グラベル)は6月1日に開幕。この日は2SS、2日には3SSを2ループする6SS・156.89kmを走行。WRCでも屈指の悪路と呼ばれた難関グラベルの前半戦を終えて、ブルーノ・マガリエス(シュコダ・ファビアR5)が首位に立った。

石が散乱しタイヤの摩耗が激しいために、安全と速さのバランスを保つことが難しいステージを、マガリエスが完璧に攻略した。2日はSS4、SS5とベストタイムを連発して53.7秒のリードを築いて首位に立つと、この日を終えるまでにその差を64.7秒にまで広げた。

一方、選手権リーダーのアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)は波乱の前半を過ごした。金曜日のレグ1は、2番手のアイバインド・ブライニルドセンに33.5秒のリードを築いて首位で終えていたルキヤナクだったが、SS4で、コーナーのイン側にあった石にヒット。サスペンションと左フロントのドライブシャフトを破損してしまった。応急処置を施してステージは走りきったが、20分近くをロスしてしまい、このままサービスに直行することを選択。選手権争いをにらみ、トラブルを修復して明日の再スタートとレグポイント獲得を目指す。

これで首位に立ったブライニルドセンも、ルキヤナクがアクシデントに見舞われたのと同時にパンクに見舞われ、タイヤ交換を余儀なくされた。その後、インターコムにもトラブルが発生し、日中サービスで修復するまでコ・ドライバーのベロニカ・エンゲンが手で指示を送らなくてはならなくなった。

2人に替わって首位に立ったマガリエスは、戦略的にとにかく慎重なアプローチで臨んだ。
「このラリーは、とにかく生き残り戦。午前中はムチャクチャなコンディションで、これまでの人生でこんなステージは観たことがないよ」とマガリエスはSS5のフィニッシュでコメントしている。
「信じられないよ。2本目のステージ(SS4)をスタートした時には巨大な岩や石が、道のあちこちに見えた。いったん止まって、反対側から通ることもあった。これも戦略だ」

このSS4では他にも犠牲になったドライバーが多く、ウェーバーズ・スポーツから参戦する若手、ユーソ・ノルドグレン(ファビアR5)はポディウム圏内につけていたが、SS3でのパンクにより中古のソフトタイヤを履かなくてはならなくなった。暑さも重なって、リヤの両タイヤがなくなり、SS4以降は走行が不可能となった。その後を続いていたユーリ・プロタソフ(ファビアR5)も、このステージでパンクを喫し3分半近くをロス。13番手にまで後退した後、ラジエターを破損し日中サービスでリタイアを決めている。

レグ2で2番手を走行したのは、グレゴレス・ライジフだったが、SS4のリピートとなるSS7・ドロソーリ(25.10km)でベストタイムをマークしたノルベルト・ヘルチグが2番手に浮上。一方のライジフはSS8で左フロントをパンクして3分以上をロスし、総合6番手に後退となっている。フバート・パタシェクはSS7でパンクを喫したが、この日を3番手で折り返した。

ERC / Alexandre Guillaumot / DPPI


ERC / Alexandre Guillaumot / DPPI

ERC2はチボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューションX)、ERC3では、ERC戦デビューを迎えたインド出身のアミラジット・ゴーシュ(フォード・フィエスタR2)が首位に立っている。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI


ERC/ Alexandre Guillaumot / DPPI

競技最終日のレグ3は、2SSを2ループする4SS・81kmが設定されている。

ERCアクロポリス 暫定結果(レグ2終了時点)
1 B.マガリエス(シュコダ・ファビアR5) 1:59:59.2
2 N.ヘルチグ(シュコダ・ファビアR5) +1:04.7
3 H.パタシェク(シュコダ・ファビアR5) +1:51.7
4 S.ガラタリオティス(シュコダ・ファビアR5) +2:26.1
5 E.ブライニルドセン(フォード・フィエスタR5) +3:12.9
6 G.ライジフ(シュコダ・ファビアR5) +4:23.9



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