ローブ「ラリーに出場するという感覚自体が僕は好きだ」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ローブ「ラリーに出場するという感覚自体が僕は好きだ」

©Red Bull

Red Bull TVのコメンテーターとして、ラリーGBに来場したセバスチャン・ローブ。今季、不振に喘いでいたシトロエンC3 WRCのテストドライバーとしてシトロエン・レーシングに参画したことで、ドライバーとしての復帰に期待するファンやメディアからも注目が集まった。そんなローブに、WRCとの関わりや最新WRカーの印象などについて話を聞いた。

ーーテレビの解説者の仕事はどうですか?

「WRCのイベントに来る機会はあまりないから楽しいね。今年モンテカルロには行ったけれどサービスパークには行かずにスペシャルステージだけだったから、長い間会っていなかった人たちに会う良い機会だ。解説者の仕事はたまにはいいが、僕に向いた仕事ではないね! 楽しいけれど、いまはまだドライバーの方がずっといい」

ーーいまのWRカーをドライブしたい気分になりますか?

「テスト走行はしている。今回もモロッコのテストから直接ここに入った。でも今回、ステージを走るワールドラリーカーはまだ見ていないから、何とも言えないね」

ーーモンテカルロではステージで新世代のWRカーを見たわけですが、どう思いましたか?

「ナイスだね。外観もいいしね。空力パーツや車幅が広くなったこともあるし、エンジンもよりパワフルになった。全般的に見てなかなかクールな感じだ。シトロエンがテストの機会を与えてくれたので、楽しみながら試すことができた」

ーーそのテストは楽しむためのみのものだったのですか、それともWRCに復帰することを目的としたテストだったのですか?

「復帰ということはない。でも楽しむために1戦か2戦に出場するというのはあり得るね。テストは機会が与えられたので乗ってみたが、明確な計画は立っていない。いくつかのことは考えているが、まだ具体化していない」

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ーー今日(金曜日)のタイムなどは見ましたか?

「DMACKを履いたエバンスが他を離している感じだね。彼らはこの1戦に賭けたので当たり前なのかもしれないが、うまくいっているのは良いことだ。他のドライバーたちについてはまだこれからだと思う。オジエにとってはエバンスが前にいればポイント差が少なくなるので有利だ。オジエ、ヌービルとタナックの間ではまだこれからだ。面白いラリーだね」

ーーオジエが5回目のタイトルを獲得することはあなたにとってどういう意味がありますか?

「彼はチャンピオンになるのにふさわしいドライバー、ということだ。彼が選手権の展開を最もよく管理している。チームを移籍し、いつも優勝できないかもしれない状況を受け入れ、ポイントを獲得し続けたことが効果的だったわけだ」

ーーフランス人がこれまで通算して13年、そして、もしかしたら14年間タイトルを連続して獲得しています。現在フィンランド人の若手ドライバーが台頭してきていますが、若手フランス人ドライバーは見当たりません。それについてどう思いますか?

「それは確かに真実だが、ラリーでは才能がないとステップアップすることができない。僕が注目してもらえる機会となった「ラリー・ジューヌ」プログラムは、オジエもその恩恵を受けることができた。だからシステムとしてはまだ存在すると思うが、当時の僕らがトップドライバーになるための特別な恩恵を受けていたかというと、そうではないと思う。そしてこのようなプログラムが存在するからといって、オジエやローブのようなドライバーがどんどん輩出されるわけではない。もしかしたらフィンランドのプログラムの方が積極的なのかもしれないが、僕には詳しいことはわからない」

ーープライベートチームがタイトルを獲得することは驚くべきことですか?

「(Mスポーツの)マルコムにとってはとても良いことだと思う。長年、彼はチームの存続を懸けて戦ってきたからね。難しい時期もあったと思う。彼は情熱的な人だ。彼にとっては素晴らしいご褒美となるだろう。でも彼のチームを「プライベートチーム」と本当に呼べるかどうかということもある。彼はマシンの作り方を良く知っているわけだし、常にトップチームの一員としてWRCに貢献してきたわけだからね」

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ーー今シーズンはどのマシンも優勝できている状況です。多くのドライバーが優勝しました。キャリアの中であなたはこのようなシーズンを経験してみたかったですか? あなたはたいていの場合、ライバルがひとりしかいない状況が多かったわけですが。

「確かにこういうシーズンは面白かったかもしれないね。さまざまなレベルでのバトルがあるのは楽しいものだ。観客にとっても面白いだろうしね」

ーー来年、この大勢のドライバーが勝てる状況に戻って自分もバトルに加わりたいと思いますか?

「ラリーに出場する、という感覚自体が僕は好きだ。他の選手権では経験できないものだ。だからラリーに出場するという喜びを再び経験するのは良いと思う。時々ラリーに出場するのは良いとは思うし、いまのワールドラリーカーに乗るのはまた感覚が違うと思う。でもまだ何も決まっていない」

ーー今年優勝した、このマシンを熟知しているドライバーたちと互角に戦う自信はありますか?

「(笑い)もう長い時間が経っているからね! このレベルでラリーに出場しなくなってから5年になる。マシンもラリーやステージも知らないものが多い。現在のドライバーたちにはそのような問題はない。だから難しいかもしれないね」

ーーイベントによっては競争力を発揮できる、例えばモンテカルロのようなラリーがあるのではないですか?

「確かにモンテカルロは僕が最も好きなイベントの一つだ。全般的にターマックイベントの方が良いのかもしれないが、グラベルも嫌ではない」

ーーどのラリーに出場するかというのは自分が好きかどうかによって決まるのでしょうか? もしくは勝てそうなところを選ぶのでしょうか。

「まずは僕のラリークロスのスケジュールとバッティングしないイベントがどれかを見ていく必要がある。WRCに出場することによって再び1ヶ月自宅を留守にするような状況にはしたくない。それ以外はやはりドライビングを楽しめるイベントに出たい。フィンランドよりはツール・ド・コルスの方がいい。フィンランドはいいラリーだが、5年間のブランクがあると難しいかもしれない」



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