中央自動車大学校がアジアクロスカントリーラリーに5度目の挑戦、ドライバーは篠塚建次郎 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

中央自動車大学校がアジアクロスカントリーラリーに5度目の挑戦、ドライバーは篠塚建次郎

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8月13日(日)から19日(土)にかけてタイで行われるFIAアジア・クロスカントリーラリー(AXCR)に、中央自動車大学校のサポートで篠塚建次郎/EJ千葉が参戦する。篠塚のAXCR挑戦は今年で4回目。

7月12日(水)に下館オフロードコースで行われた参戦体制発表会には、マシン製作に携わった中央自動車大学校のメンバーのほか、ドライバーの篠塚、コ・ドライバーの千葉、現地でマシン整備を担当するTeam TAISANの千葉泰常社長、このプロジェクトのサポーターとしてチーム・スパルナのいとうりなと恋七も来場し、今年の活躍に向けて全員で決意を新たにした。

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中央自動車大学校ではこれまで4年間、「CTSステップアッププログラム」として、学生をメカニックとして派遣している。日々の学習態度や意欲の高い学生が学校内での選抜により選ばれ、過酷なラリーメカニック経験を経て、毎年人間としてもメカニックとしても大きく成長を果たしてきた。今年は篠塚がドライブする「Team FB Shinozuka CTS」に1級コース4年の橋場鷹彦と1級4年担当職員の石川浩昭を派遣するほか、「TEAM JAOS」に上条拓人、脇田寛之の2名、「TEAMガレージ・モンチwithこにゅうどうくん」に鈴木航太と、日本人チームに4名の学生がサポートとして携わる。

正示彰校長は「2年前に私が現地に行った時、22歳の学生がフィニッシュで大粒の涙を流していました。そんな経験はこの年齢でなかなかできませんし、涙を見せることもあまりありませんよね。日本の自動車整備の現場とは違って、現地ではあるもので対応するしかなく、ラリーカーが帰ってくるのを待っている間も様々な準備が必要になります。そういう経験を経て帰ってきた学生たちはなんだか大きくなっているように見えました。今年もそういう経験をしてもらえたらと思います」と、このプログラムの意義を語った。

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マシンは今年も引き続き、スズキ・ジムニーシエラをベースに、カルタスの1600ccエンジンを搭載したラリーカーを使用。昨年はエンジンが水を吸ってしまいコンロッドが曲がったり、サスペンションの付け根部分が突き抜けるなど、常識では考えられないダメージを受けて満身創痍の状態となっていた。しかし、中央自動車大学校の1級コースの学生20名が2カ月をかけて、エンジンのリペア、エアクリーナーの配置変更、補強などの対策を施し万全の体制にプリペア。この日はシェイクダウンも兼ねており、細部の調整は必要なものの、ほぼ参戦に問題がないレベルまで完成していることを確認した。

参戦クラスは改造車/ガソリン車クラス。エンジンを換装しているとはいえ、大排気量ディーゼル車がひしめくなかでは絶対的に非力なジムニーだが、2015年には全車がミスコースするなかで6時間ものリードを得て総合2位を獲得するという快挙も達成している。篠塚は「昨年は不完全燃焼で終わってしまったんですが、今年はジャングルをたくさん走るコースと聞いており、我々にとって有利な展開となります。どんなクルマに乗る時でも、私は常に優勝を狙っているので、今回も優勝を目指して頑張ります」と決意を表明。コ・ドライバーでありマシンオーナーの千葉は「このマシンは2012年のモンゴリアラリー参戦時に制作して、今年で5回目の参戦です。古いクルマですが、中央自動車大学校の学生さんたちが努力して仕上げてくれました。今年はかなりリニューアルして集大成と言えるマシンになったと思います」と期待を寄せた。

ラリーは8月13日(日)、アユタヤで開幕。日本人最上位の総合優勝を目指して、20名の学生の思いを背負い、5度目の挑戦がもうすぐ始まる。

TAISAN・CTSジムニー1600 スペック
ベース車両 スズキ・ジムニーシエラ(JB33W)
エンジン型式 G16A
排気量 1600cc
最高出力 140ps
ECU E-MANAGE(トラスト)
エアクリーナー オリジナル
マフラー CANASオリジナル
ホイール レイズ
シート スパルコ
ステアリング momo
ロールケージ オリジナル
トランスミッション ノーマル
クラッチ エクセディ
デフ クスコ
サスペンション キングショック
 フロントトラベル 200mm
 リヤトラベル 220mm
ブレーキ ブレンボ
オイル Verity
ライト PIAA
タイヤ フェデラル・クラウジア 205/80R16
ハーネス シルバーストン
セーフティネット シルバーストン



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