WRCフランス・ポスト会見:今季初優勝のヌービル「フィニッシュして涙が浮かんだのは初めて」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCフランス・ポスト会見:今季初優勝のヌービル「フィニッシュして涙が浮かんだのは初めて」

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCラリーフランス(ツール・ド・コルス)のフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。序盤のモンテカルロ、スウェーデンと目前にしていた勝利を逃してきたヌービル。得意の舗装戦で、序盤は苦戦しながらもついに新型マシンの初勝利を決めた瞬間の「らしくない」反応を明かした。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
1位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツ)
2位:セバスチャン・オジエ=SO(MスポーツWRT)
2位:ジュリアン・イングラシア=JI(MスポーツWRT)
3位:ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:マルク・マルティ=MM(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ミシェル・ナンダン=MN(ヒュンダイ・モータースポーツ、チーム代表)

Hyundai Motorsport GmbH

Q: ティエリー、2017シーズン初優勝おめでとう。今年は2度、優勝目前に迫っていたが、ついにトップに立った気分は。
TN: 言う通り、2回も優勝を目前に勝てなかった。今年が始まってから長かった。ペースがあることは分かっていたし、ベストタイムをマークすることもできていた。ここまでの3戦を通して、ほとんどでラリーをリードしていたが、勝利を得ることはできなかった。今週末はとても期待していた。ターマックで速いことは分かっていたし、テストからマシンのフィーリングも速さがあった。でもラリーは期待していた通りには進まなかった。フィーリングはよかったし、いいドライビングをしている手応えもあり、速くもあったのに、タイムにつながらなかった。悪くはないが、でも期待通りではなかった。だから、それに対応した。マシンにも手を入れた。2日目は違う感じの道だったから、マシンのポテンシャルを最大限に引き出せるようにしたんだ。最高の気分だよ。フィニッシュラインを超えて涙が浮かんだのは、初めてだと思う。それほど感情的な人間じゃないからね。でも今回は、僕らにとって本当に重要なリザルトだと分かっていた。

Q: 金曜日はペースが上がらなかったとのことだが、土曜日は道が変わり、具体的にはどうマシン変更を行って自信を高められるようにしたのか。
TN:いろいろな所に変更を行ったが、結果的にはフィーリングは同じようなものだった。マシンのフィーリングは素晴らしく、余裕を持ってドライブしていた。たぶんグリップレベルは多少よくなったかもしれないが、全体的な感じは違う性格の道にマシンがよりフィットしたということだ。長いステージではなく、かなり短かったが、ステージを思い切り走ることができたし、すごく楽しめた。そしてタイムもよくなった。

Q: 昨晩の「ミート・ザ・クルー」の時間では、リードしている時にリタイアしたことが2回あったから、昨日のステージに入る前は少し緊張するかもと冗談を交わしていた。今日の朝は緊張はあったか、それとも落ち着いていたか。
TN:かなり落ち着いていた。自分に、2度も起きたことが3回連続して起きるわけがないと自分に言い聞かせていたからね。そんなことあり得ない。ようやく、いい形で整った。セブに対して大差をつけて最初のステージをフィニッシュしたから、パワーステージでどんなリスクも負いたくなかったので、力を抜いて走った。

Q:今日最初のステージでは力を抜かず、ベストタイムだった。でも、ペースには余裕があったようだ。それほどペースを上げていたとは思っていなかったか。
TN:終わってから、前の日ほどみんながプッシュしていないというのを感じた。セブはトラブルもあったから、僕らがベストタイムだったのかもしれない。かなり接戦だったし、ダニも1秒以下だったんじゃないかな。でもリズムもフィーリングもよかった。最後まで集中を切らさなかった。ステージを終えて1分のギャップがあったので、最後のステージは安全に行った。

Q:ニコラ、ようやくポディウムに上がって安心したか。
NG:そうだね、もちろん。でも、僕らはいつも自分たちを信じている。ハイレベルでトップを狙うなら、ミスをすることはその流れのうちだ。これで僕らも学んだし、リザルトを手にしたので今日はとてもハッピーだよ。

Q:あのツール・ド・コルスで勝った。特別なことでは。
NG:そうだね、特別だ。ここでは、IRCとして開催された2011年、ティエリーと組んで初めて優勝した。勝ったイベントはどこでも、特別なものになる。だからここには特別な思い出があるし、今はもっと思い出が深まった。

Q:セブ、今日は少しストレスの溜まる気分かもしれない。トラブルはあったが、幸い、ありがたいことに、今日スタートした順位と同じ2位でフィニッシュした。でも、ロングステージで何が起きたかを聞いた時は、話を逸らした。具体的に何があったのか。
SO:浮き沈みの激しい週末だった。幸い、上位でフィニッシュして高ポイントを獲得した。予想以上だった。今朝の滑り出しはあまりよくなかった。ロングステージの前半はすべてよかった。もちろんティエリーに追いつくチャンスはなかったので、とにかくいいペースでドライブしようとしていたが、それ以上はなかった。ステージ中盤で突然、マシンのターボが効かなくなり始め、そこから大変になった。でもステージの中盤は道が広くかなり高速だったから、それほどロスをしなかったのだと思う。でもナローな道に入って、ヘアピンで電子系トラブルに気付いた。ターボが効かないだけでなく、センターデフもロックされたので、ヘアピンでハンドブレーキが使えないから、かなり苦労したよ。ステージが終わるとダニが先行していたが、最後のステージでまた走れるようになるのか、自信がなかった。あの状況で自分たちにできたことは、ECUの1つを交換することだったが、これでトラブルが解消されるのか、チームも自信がなかった。マシンをリセットすると、少し良くなったが、どれだけ持つか分からなかった。幸い、パワーステージの10kmの間、もってくれたよ。

Q:ターマック用にマシンにどんな作業が必要なのかは、特定が難しいか。
SO:この週末のペースには、満足だったと思う。正しい方向に進んでいると思う。ここに来た時、舗装ではいいフィーリングを感じているし、マシンはそう悪くないと思うと話した。まだ伸び代があると思うし、それは正しかった。この週末、ティエリーと戦える速さがあった。トラブルが起こるまでは数秒差だったから、優勝争いにもなっていた。でも、この週末はテクニカルトラブルが多過ぎた。僕らのマシンだけでなく、チームメイトもね。だから、チームが必死で取り組まなくてはならないことは間違いない。このような状況はもう味わいたくないし、ストレスの溜まる状況にいたくない。

Q:2位おめでとう、ジュリアン。セブが言ったように、トラブルがあったのでこの結果は予想していなかったと思うが、選手権争いでは高ポイントを獲得した。今日は、タフな1日だったのでは。
JI:みんなが言った通り。コルシカはいつだって難関だし、こういったトラブルを望む人はいない。それがなければ楽しいラリーだし、投票を行えば、みんなこのイベントが楽しいと言うと思うよ。主催もとてもいいし、マシンにいる時間は最高だ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ダニ、コルシカでのポディウムフィニッシュ、おめでとう。今週はかなり浮き沈みがあったのでは。マシンにペースがあり、いいタイムも出していたが、思うようなフィーリングが得られない時もあった。走り終わってタイムがよくない時もあれば、素晴らしい時もあり、不安定だった。それでも3位は素晴らしいリザルトだ。
DS:辛い週末だった。3位でフィニッシュしたのなら満足しなくてはならない。滑り出しは全てが間違った方向に進んでいて、マシンのフィーリングも少し不思議な感じだった。でも、マシンに手を入れたら、よくなったステージもあれば、そうでないところもあった。複雑な週末だった。3位に入ったけれど、完全にハッピーな訳ではない。

Q:いろいろな要素が入り組んでいるのか。週末の間にセットアップを変更したか。どの方向性がベストだったか。
DS:タイヤのマネージメントが少し難しく、どうすればこのタイヤでプッシュできるかを知ることが大変だった。次のターマック戦では、もう少しセットアップの作業が必要だ。

Q:今日は、ヤリ‐マティ・ラトバラ、クレイグ・ブリーンがポディウムを狙ってハードにプッシュしていたが、うまくやり抜けた。今日は彼らを抑え切るために全開だったか。
DS:今日の目標は、最初のステージだった。ヤリ‐マティとクレイグがすごく迫っていたので、あのステージを走り切った時、セバスチャンのおかげで2位に上がったからうれしかった。彼がトラブルを抱えたので、最初はモチベーションが上がっていた。最後のステージは、彼がとても速く、順位を取り返された。

Q:マルク、ポディウムフィニッシュおめでとう。今年のWRCは色々なことが変わったが、今回のイベントをどう思う。
MM:今年は、前回の開催から間隔が短かったので、かなり昨年と似ていた。主催者は人数が少ないのにとても集中していて、ミスもなく、適切な人材を配置していて、素晴らしい仕事ぶりだった。タイムコントロールも完璧で、僕もハッピーだ。そうすれば、自分の仕事ができる。前にも言った通り、ここではドライバーに伝えるコーナーがたくさんあるが、チームがいい仕事をしてくれてハッピーだよ。まだマシンにしなくてはならない大変な仕事は残っているが、新しいマシンだし、どのチームもドイツ戦に向けてはしっかり準備をしていかなくてはならないと思う。

Q:コ・ドライバーとしては楽しいイベントか。
MM:新しいマシンなので、低速コーナーでは楽にペースを維持できるが、高速コーナーでは集中して正確なペースでリズムを変えなくてはならない。でも、ペースノートはうまく行ったので、かなり満足しているよ。去年から行った変更にも満足している。

Q:ミシェル、このイベント前は、今季まだ勝利のない唯一のチームだった。今季最初の4戦で、4つのマニュファクチャラー、4人のドライバーが勝利を収めた。いま、WRCはとてもエキサイティングになっている。
MN:その通り、非常に面白い選手権になると思う。モンテカルロが始まってすぐに、マシンの力が接近していることが分かったし、どのドライバーも素晴らしいので、もちろんとてもコンペティティブになる。

Q:この週末のティエリーのパフォーマンスについてどう思ったか。今日、最後のステージを走る彼を見るのは、緊張したか。何事も起こらないよう、祈っていた?
MN:昨日の夜に1つステップを上がったと思っている。タイム差は十分あると思ったので、あまり心配はしていなかった。最初の2戦での小さなミスがあったとしても、ティエリーがやってくれると分かっていたからね。

Q:ターマックでのマシンのパフォーマンスについてはどうか。満足しているか。
MN:もう少し良くする必要があると思う。シトロエンは舗装で素晴らしい走りを披露していたし、間違いなく我々はもっと取り組まなくてはならない。特に、次の舗装戦ではね。でも、エンジニアはマシンを改善するためにいい解決方法を見つけてくれるはずだ。

RALLY CARS