WRCモンテカルロ:プレイベントカンファレンス(WRC) – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCモンテカルロ:プレイベントカンファレンス(WRC)

 

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
エルフィン・エバンス=EE(Mスポーツ・ワールドラリーチーム)
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
クリス・ミーク=KM(シトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチーム)
フランソワ・デルクール=FD

Q:
セバスチャン、2014年はチャンピオンタイトル防衛に挑むことになりますね。昨年のこの時期と比べ、世界チャンピオンとしてシーズンを迎えることは、どのように気分が違いますか?
SO:
昨年とはまったく違うね。昨年の今頃はかなり緊張していて、自分たちの実力がどれくらいなのか不安だった。マシンの仕上がりはよかったのかどうか知りたかったし、疑問がたくさんあった。幸い、ステージを1本終えた後の答えはいいものだったし、マシンの仕上がりがいいことも分かった。今年は状況が違い、ドアにはカーナンバー1を貼り、誰もがこのラリーで勝つことを期待し、それを望んでいる。でも何が起きても不思議ではない。メテオ(ウェザークルー)にとってもこのラリーは難関だ。自分の仕事に専念する。このラリーで勝った時はIRCで、WRC戦としては優勝したことがない。そして、勝ちたいと思っている。

Q:
メテオにとっては、あなたがギャップの出身であることは有利になるでしょうか?
SO:
多分、少しはね。この辺には友人も多いし! でも、天気に関しては、誰を信用していいかは分からない。いつもどおり、自分たちのチームスタッフを信じるよ。

Q:
今年はさらに厳しいシーズンになると思いますか?
SO:
(タイトルを獲ることは)難しいといつも言っているし、トップに居続けることはさらに難しい。参戦マニュファクチャラーが増えるのはいいことだ。4メーカーが揃うのは久しぶりだからね、いいことだよ。競技面では、どのマシンのパフォーマンスも接戦だと思う。少なくとも、昨年まで参戦していた3メーカーのことは分かっているし、新しいマシン(ヒュンダイ)に関しては様子を見なくてはならないが、彼らも速いのではないかと思っている。イベント数が多いし、規定も新しくなって、選手権リーダーはデイ1で不利になる。選手権での争いは厳しくなることは間違いないと思うよ。

Q:
2013年のWRCシーズンが終わってから60日しか経っていませんが、テストはどれくらい行ないましたか? また、モンテに向けてのテストの手応えはどのように感じていますか?
SO:
そうだね、シーズンブレイクはそれほどなかったね! 昨年は初めてタイトルを獲ったので、要望が多くトロフィーを持ってヨーロッパ中を駆けまわった。よかったよ。それから休暇を2週間とり、日差しを楽しみながらラリーに関する電話も問い合わせも受けなかった。これが重要なんだ。でも、今はラリーマシンに戻り、モンテカルロを迎えることができてうれしい。特にギャップからスタートするんだからね。ギャップでスタートするのは特別な瞬間だし、たくさんの応援が集まると思う。競技の点では何も変わらない。自分が知っているステージは2本しかなく、それ以外は人生で初めて挑むエリアだ。フランソワ(デルクール)だけが、そのうち何本かを知っている。ここにいることができて、うれしいよ。

Q:
エルフィン、MスポーツからWRCにフル参戦という素晴らしいチャンスを手にしましたね。選手権カレンダーのなかでも最もチャレンジングな一戦を前に、どのような気分ですか?
EE:
このイベントが簡単に攻略できる秘策はないことは分かっている。学ぶことが山積みだ。今年の前半は経験を積み、後半でどこまでできるか見ていくつもり。成長を続けることが大切だし、期待に応えたい。

Q:
昨年のこのイベントでは、フォードのウェザークルーを務めていましたね。凍るような寒さの山の中で立っていた時、一年後にWRカーに乗っていることは想像できましたか?
EE:
正直なところ、想像したことがなかった。去年は修行の年として充実していたし、さらに成長を続けるために素晴らしい機会を得られた。このチャレンジを心から楽しみにしているよ。

Q:
プレイベントのテストはいかがでしたか? WRカーに対応できている手応えはありましたか?
EE:
2日間のテストはいい内容だった。いい準備ができたし、できる限りマシンの備えが整ったと思う。このイベントに向けてはかなりリサーチしてきたけど、とにかく賭けの側面が大きい。僕にとって重要なのは経験を積みラリーを走り切ることだ。

Q:
このイベントでは、父であり元英国チャンピオンのグインダフ(エバンス)、ペター・ソルベルグとともに8回の参戦経験があるフィル・ミルズと、ベテランのアイスクルーを揃えましたね。彼らからは素晴らしいアドバイスが得られたのではないですか?
EE:
自信の後押しになるし、彼らは経験が豊富。それに、クリスマスの間もベストのシステムを模索するために没頭してくれた。自分自身、アイスノートクルーを使うのは初めて。自分たちの目標がどこにあるのかよく自覚しているし、このイベントでうまく機能してくれることを願っているよ。

Q:
ティエリ−、2014年はヒュンダイというまったく新しいチームから始まりますね。テストを終えて、マシンにはどのような第一印象を持ちましたか?チームの一員としての気分はいかがですか?
TN:
まだ始まったばかりだ。すべてが新しい。ヒュンダイは昨年から活動を始め、全てを一から築いて、年の中盤からマシンの開発が始まった。すべてがかなり新しい段階だが、この2ヶ月間マシンをドライブし、いい方向で開発が進んだ。最後のテストはよかったし、マシンのフィーリングもいい。でも、まだ目指すべきトップパフォーマンスには及ばないことも分かっている。

Q:
マシンの最大の特徴はなんですか?
TN:
まだ走り込む必要がある。走ったのはほとんどがターマックだが、シャシーのフィーリングがいい。どの部分も、まだ改良の余地がある。ここにいられることをうれしく思うし、マシンの組み立てがこのラリーに間に合ってよかった。でも今季はマシンを開発する年として考えている。コンペティティブに攻め始めるのは2015年だ。

Q:
昨年はかなりコンペティティブなバトルをしてきたのに、開発に一年を費やすのはストレスになりませんか?
TN:
それを選んだのは僕自身だ。ここからの数年が辛いことは分かっている。僕がチームを育てていく。それに、自分のペースが相応に速いことも自覚している。昨年は大きなミスをしなかったし、これからは開発という大きな作業に取り組んでいく。これまでのようにベストを尽くしていくし、できるだけ早く成果が出ることを願っている。

Q:
モンテではこれまであまりいいリザルトを残してはいませんね。
TN:
今まではいつも少し恐怖心があったが、今回はまったく新しいラリーになった。ステージはヴァランスの時代とは違うし、いいラリーだから楽しみにしている。でも、大きな試練もある。アイスやバンピーなエリアなどだね。雨のモンテではこれが厄介だけど、どうなるかは分からない。峠では雪になっているかもしれないしね。

Q:
チームの雰囲気はいかがですか?
TN:
とても盛り上がっているよ。みんな、ここにいられることをうれしく思っているし、エンジニアたちも短い時間に信じられないほどの仕事をこなしてきた。去年の終わりにはたくさんの人が疲れ切っていたけど、これからはもっと仕事が増えるし、すべてはいい流れになってきていると思うので、スタートが待ち切れないよ。

Q:
クリス、シトロエンからWRCにフル参戦するシーズンを迎えますね。JWRCでもシトロエンに乗っていましたし、昨年もスポット参戦しているので、シトロエンと馴染みがないわけでもありません。再びWRCのフル参戦に挑むことは、どれほどの意味を持ちますか?
KM:
フルシーズの機会を得られて最高だよ。これまでにないほどのね。これほど経験豊富なチームから、素晴らしいマシンで参戦するなんで本当に素晴らしいこと。ここ3、4年は開発やテストの役目が多かったから、ラリーに勝つためのマシンに乗れることがうれしい。たくさん経験を積みたいし、経験を増やすためにフル参戦できるのは最高だ。

Q:
JWRC時代はモンテでいい成績を残していましたが、それ以降は今ひとつでした。どうすればその流れを変えることができますか?
KM:
このラリーが大変な難関であることは誰でも知っている。標高が高いので、どこがトリッキーな場所なのかを予想するのが難しい。でも、このラリーではいつもエンジョイしてきたよ。速さが問題になったことはないし、ジュニア時代は2005年に勝っている。2009年と2010年(IRCとして開催)はプジョーに乗って、セブ(オジエ)と好バトルを展開した。残念ながらフィニッシュはできなかったけどね。いつでもチャレンジングなラリーだし、ギャップ周辺のステージは、ヴァランス周辺とは違う。とてもテクニカルでトリッキーだ。なにもかもが異なるステージになるが、できる限りベストの準備を整えてきている。

Q:
今年の目標は?
KM:
WRCには関わってきたが、このようなチャンスは初めて。どのラリーも確実にフィニッシュしなくてはならないし、そうすれば焦らなくても自然と速さがついてくる。シーズン後半の方が知っているラリーが多いので、常にトップ争いに加わっていきたいと思う。でも、まずは学ぶことからだ。

Q:
プレイベントテストはいかがでしたか? マシンに完全に対応できた手応えはありますか?
KM:
すでに成熟されたマシンで、トップ争いができるマシンであることを見せつけてきている。このことは、チームにとっても強みのひとつだ。僕はここから多くを学ぶことができる。彼らはマシンのことを熟知しているから、僕の勉強の後押しとなる。今回はイベント前に3日間のテストを行ない多くを学んだが、それでも実際のラリーとなれば話は別だ。まずは前に進み出すことから始めなくてはね。

Q:
フランソワ、あなたは20年前にモンテカルロで勝っていますね。そしてフィエスタRS WRCでまたモンテに戻ってきました。なぜ、再び参戦することを決めたのですか?
FD:
体力的にもまだ十分だし、毎日様々なスポーツをこなしている。モンテカルロは本当に特別な、私にとって大切なイベントだ。このイベントに再び戻って走るのは、不思議な感じだ。なぜそれが不思議なのかは分からないが……少年の頃、私はいつもラジオ・モンテカルロを聞いていた。いいマシンでWRCに戻ることができてとてもうれしいよ。私にとっていいチャレンジになるし、いいリザルトを残したい。

Q:
どんなリザルトが可能だと思いますか?
FD:
このラリーには18回参戦していて、熟知している。でも、天気がこのような時はなにが起きても不思議ではない。雪が降るかもしれないし、アイスのところではミスもしやすい。私は18回の参戦で一度もミスをしたことがない。もしかしたら、今回初めてするかもしれない。とても難しいラリーだ。それだけは確かだ。

Q:
イベント前にテストできるチャンスはありましたか?
FD:
私にはテストが必要だ。若いドライバーはとても速いからね! ラリーのことは分かるから、マシンを学ぶためにテストをした。2年前は、まったく違うマシン(プジョー207 S2000)でドライブした。100kmくらい走ったと思う。それでもまだ足りないが、ここにいることができてうれしいよ。



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