プロドライブ、初勝利から30周年 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

プロドライブ、初勝利から30周年

 

 スバルワールドラリーチームなど、ラリー、レースと幅広いカテゴリーのモータースポーツのチーム運営やマシン製作を担う英国拠点の名門ワークショップ、プロドライブ。初めて競技参戦に挑んだ中東選手権カタールインターナショナルラリーで勝利を挙げたのは、1984年1月27日だった。

 当時、プロドライブ製のポルシェ911SC RSを駆ったのは、サイード・アルハジリ。この年は、ヘンリ・トイボネンが同じマシンでヨーロッパ選手権に参戦したが、背中の負傷が響き惜しくもタイトルを逃した。

 プロドライブのチェアマン、デイビッド・リチャーズは、初めてのイベントをふり返る。「カタールでの初ラリーで使ったポルシェ911は、かなりノーマルの状態だった。砂漠よりサーキット向きのマシンだったから、数々のトラブルを乗り切ったよ。このポルシェはドイツの工場から直送された。アルハジリと共に数々の成功を収めたが、初ラリーでの勝利は一番の思い出だね」

 プロドライブの歴史の中でハイライトに挙げるのは、1995年。コリン・マクレーがRACラリーを制し、英国人初のWRCチャンピオンに輝いたと共に、スバルにマニュファクチャラーズタイトル3連覇をもたらした。

 19年続いたスバルとの関係が印象に強いプロドライブ。これまでに製作した871台のラリーマシンのうち、半数近くがスバル車だというが、そのほかにもポルシェ、MG、BMW、MINIなど様々な車両にも取り組んでいる。事実、プロドライブが初めてWRCに参戦した1984年アクロポリス、初めてのWRC勝利となった1987年のツール・ド・コルスは、プライベート参戦したバーナード・ベギュインのBMWだった。

 現在、プロドライブは、人工衛星のコンポーネンツ、商用ジェットのファーストクラスキャビン、電力やハイブリッド車両の最新技術など、様々な事業にも手がけている。

「プロドライブは、1984年、シルバーストンの小さなワークショップからスタートした。全社員で、ランチテーブルを囲んだものだ」とリチャーズ」現在は多角的なビジネスが我々の強みとなっている一方で、将来も間違いなくレースカーに関わり続ける。そして、その頃の技術は、今とはかなり違っているだろうと強く感じているよ」



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