WRCスウェーデン:チームオーダーなしの全開対決 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:チームオーダーなしの全開対決

 

 2014年シーズン、第2戦は唯一のスノーイベントとなるラリースウェーデン。今回も隣国ノルウェーのステージが採用され、北欧独特の固く踏み締められた圧雪路を舞台にハイスピードバトルが展開された。
 ラリーは2月5日水曜日の夜にカールスタッド近郊で行なわれたスーパーSSで幕を開けた。2台同時走行のサイドバイサイド戦を制したのは、フォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセン。0.8秒差にチームメイトのセバスチャン・オジエを従えて、幸先の良い首位スタートとなった。

フォルクスワーゲン、1-2-3体制

 本格的なラリースタートとなる2月6日木曜日、SS2以外はノルウェーのステージを使用し、サービスを挟まずに6つのステージを走破する。シビアなタイヤマネージメントが要求される、クルーにとっては厳しいアイテナリーだ。オープニングのSS2、ベストを記録したオジエがミケルセンをパスして首位に立った。オジエは続くSS3でもベストを並べ、その後方ではヤリ‐マティ・ラトバラがオット・タナクをとらえて3番手に浮上。フォルクスワーゲンが早くも1-2-3体制を築いてみせた。このまま2番手以下との差を広げるかと思われたオジエだったが、先頭スタートゆえの安定しない路面コンディションに苦しみ、SS6ではミケルセンに首位の座を明けわたしてしまう。それでも直後のSS7でベストを奪い、すぐにトップの座に復帰する。

 デイ1を終えて、首位オジエとミケルセンの差はわずか5.8秒。3番手のラトバラは12.2秒差とトップ2台から少し引き離されてしまった。4位にタナク、5番手にシトロエンのマッズ・オストベルグ、6位にフォードのミッコ・ヒルボネンが続く。
 デイ2最初のSS8、首位のオジエに予想外の罠が待っていた。スタートから12km地点で痛恨のミスを喫し、スノーバンクに激突。脱出に手間取ったオジエは約4分30秒を失い、総合20番手までポジションを落としてしまう。さらにこのステージでは7番手につけていたヒュンダイのティエリー・ヌービルもサスペンションを壊して戦列を去っている。
 オジエの脱落によって、トップはミケルセンに。しかし、SS10でラトバラがミケルセンをパス。ラトバラはその差を広げにかかるが、ミケルセンも食い下がり、デイ2を終えてふたりの差は3.6秒。最終日に勝負の決着は持ち越された。43秒差の3番手はオストベルグ、1分02秒7差の4番手にはヒルボネンがつけている。SS8で大きく遅れたオジエだったが、以降のステージで6つのベストを刻み、9番手まで順位を戻した。

ラトバラ、3度目のスウェーデン勝利

 最終日は4つのステージを2度ループする、今ラリー最長の142.16km。首位のラトバラが4連続ベストを奪取。さらにSS18ではミケルセンがコースアウトを喫して、右フロントサスペンションにダメージを負ったこともあり、午前中のセクションを終えて、ふたりの差は42.7秒にまで広がった。しかも、ミケルセンの後方には3番手のオストベルグが迫りつつあり、「まだ午後のステージが残されているし、勝負は分からない」とオストベルグもアタックを宣言する。13.8秒差で挑んだ最終のSS24、オストベルグは渾身のベストで走り抜けるが、5.9秒届かず3位。「もう1ステージあれば、分からなかったね」とフィニッシュ後に肩をすくめた。

 ラトバラは残されたステージも完璧なペースで走り切り、今シーズン初勝利。ミケルセンも自身最上位の2位を獲得し、フォルクスワーゲンが1-2フィニッシュを達成した。自身3度目となるスウェーデン勝利を決めたラトバラは、「コンディションが難しかったし、アンドレアスも本当に手強かったよ。今日はチームからオーダーもなく、全開のバトルだった。素晴らしいチームから参戦できて、本当に幸せだ」とラトバラは笑顔で語った。
 3位は最終のパワーステージを獲り、ボーナスポイント3点を手にしたオストベルグ。4位は得意のスノーにもかかわらずベストすら奪えなかったヒルボネン。プライベーター体制でフォード・フィエスタRS WRCを駆ったタナクは5位でフィニッシュした。「あのミスの後で、この順位なら大満足だ」と振り返ったオジエは6位。7位は久々のWRC参戦となったヘニング・ソルベルグが入っている。

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