「フォルクスワーゲンはみんな、不思議な気持ちでいる」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

「フォルクスワーゲンはみんな、不思議な気持ちでいる」

©VOLKSWAGEN

前戦ラリーGBで4年連続となるマニュファクチャラーズタイトル獲得を決めたフォルクスワーゲンだったが、その直後に今季いっぱいでのWRC活動終了を発表。今週開催されるWRCオーストラリアが、チーム最後のWRC参戦となってしまった。WRC界を驚愕させたこのニュースには、当の選手やチームスタッフも困惑を隠さない。

VOLKSWAGEN

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すでにドライバーズタイトル獲得を決めているセバスチャン・オジエにとって、ラリーオーストラリアは2015年に優勝でドライバーズタイトル、フォルクスワーゲンのマニュファクチャラーズタイトルを確定させた思い出のあるイベント。走行順規定により、今回は再び先頭走行でオーストラリアの難関ルーズグラベルを掃かなくてはならない。それでも、自身39度目の優勝を狙う気持ちに変わりはないが、これが最後の参戦という事実に戸惑いも隠せない。
「フォルクスワーゲン・モータースポーツはみんな、不思議な気持ちでいる」とオジエ。
「今季いっぱいでWRC活動が終了するという発表は、4度目のタイトルを祝う方法ではないよね。今や僕らは、最後の参戦としてオーストラリアに臨む。この5年間を振り返れば、思い浮かべるのは成功だけではない。フォルクスワーゲンの素晴らしい人たちと共に励んできたことは、本当に喜びだった。これがフォルクスワーゲンでの最後のラリーなんて、おかしいよ。でも、ラリーの間はそのことは忘れて専念する。走行順はもちろん厳しいが、オーストラリアで祝福できるように全力を尽くす」

今季は流れに乗り切れない状況が続いたヤリ‐マティ・ラトバラ。最後の優勝は、同じくルーズグラベルのメキシコとなっているが、6番目からのスタートと、チームの中では最も理想的な状況を有利に活用したいところだ。
「先週のニュースは、どうにも喜ぶことはできない。短い時間で、あまりに衝撃が大き過ぎるこの決定を理解するのは、とても難しい」とラトバラも困惑気味だ。
「今言えるのは、フォルクスワーゲン・モータースポーツで過ごした時間は、いつまでも忘れないと言う事だけ。いま自分にできるのは、オーストラリアでの最終戦に完全集中する事だ。フォルクスワーゲンでの最後のラリーで、いい走りをして必ず優勝すると固く決意している。僕の今シーズンは厳しい内容だったので、オーストラリアをいい形で終えたい。特に、チームにとってはサヨナラ参戦だからね」

VOLKSWAGEN/Bodo Kräling

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アンドレアス・ミケルセンは依然として4人のドライバーによる選手権2位争いを続けており、このオーストラリアが最終決戦となる。現在選手権2位から5位までの4人は24ポイント差しかなく、シーズンを総合2位で終えるには、ポディウムフィニッシュは不可欠。ライバルの動向を考えれば、優勝を狙いたいところだ。
「このラリーオーストラリアは、ご存知の通りフォルクスワーゲンでの最後のラリー。感極まるだろうね」と決戦を前にミケルセンも語る。
「みんなと一緒に素晴らしい時間を過ごすことができて、本当にうれしかった。そして僕とアンデルスにとっても、選手権2位がかかる重要な一戦だ。友人でもあるティエリー・ヌービルから、2位を取り戻したい。走行順が3番手なので簡単にはいかないが、最初からプレッシャーをかけて全開で攻める。とてもモチベーションが高まっているし、楽しみにしている」



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