WRCアルゼンチン:ポスト会見「楽しめていれば結果はついてくる」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCアルゼンチン:ポスト会見「楽しめていれば結果はついてくる」

 

WRCアルゼンチン、イベント後記者会見の内容
(5月11日、抜粋)

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:ヤリマティ・ラトバラ=J-ML(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ミーカ・アンティラ=MA(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
3位:クリス・ミーク=KM(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
3位:ポール・ネイグル=PN(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ヨースト・カピート=JC(フォルクスワーゲン・モータースポーツ、ディレクター)

Q:
ヤリマティ、アルゼンチンでの初優勝、そしてWRC10勝目おめでとう! 伝統の一戦を制した今の気分は?
J-ML:
本当に、本当にうれしい。このイベントをフィンランド人が制したのは久しぶりだし、しばらくシトロエンが独占していたけれど、今、フォルクスワーゲンと共に勝利を勝ち取ったのだからね。チームにとっても素晴らしい成果だ。

Q:
今回はペースが素晴らしかっただけでなく精神的にもセバスチャン・オジエからのプレッシャーに打ち勝った。勝因は?
J-ML:
素晴らしいバトルだった。心からそう思うが、ここではほんのわずかなことが噛み合ったのだと思う。まずマシンに自信があった。最後のテストでセッティングをほんの少し変えた。2つ目はバトルとドライビングを楽しんでいた。自分がしていることを楽しめていれば、結果がついてくるものだよ。

Q:
金曜日終盤のペースは素晴らしかったが、土曜日はオジエとスプリットを獲り合うバトルは見事だった。ふたりは同じステージでミスをしたが、プレッシャーを感じていた?
J-ML:
そうだね、SS8ではなぜだか分からないがスタート前は少し緊張していたし、スタートしてからもリラックスできずにくだらないミスをしてしまった。アクセルを開けるのが早すぎて、ホイールが少しまずい位置につけてしまったので、右フロントが砂にはまってしまいスピンしてしまった。でもラッキーなことに走行を続けることができた。ギヤを早く変えるのに手こずって5、6秒ロスして、次のスプリットではセブ(オジエ)が4秒くらい先行していたので、手応えもなかったし難しくなるなと思った。彼のリードが5、6秒広がったが、彼がスピンして同じ場所でエンジンをストールしたので、これで差は10秒くらいになったなと思ったんだけど、実は僕が2.5秒先行していたんだ! どうして前に出られたのか分からなかったんだけど、その後のセブは強くて僕らは互角だった。その後、彼のタイヤが裂けてしまった。信じられないようなSSだったよ。このすべてがひとつのステージで起こったんだ。

Q:
今回の自分のペースのレベルに関しては、これがギリギリ? それともまだ上に行ける?
J-ML:
このラリーの前にも言ったけど、ここはある意味、耐久戦のようなものだし、速さに関しては荒れたセクションでは慎重になっていたと思う。まだ余地はあったけど、リザルト的には不必要だったから、戦略的にはまったく間違いがなかったと思うし、アタックできると思ったところでは攻めたし、自信がないところは慎重に行った。だから、もっと攻められたとすればパワーステージだったろうね。もっと速く行けたと思うけど、あんなに難しいコンディションだったからね。計画どおりにいって優勝した方がいい、3ポイントのためにリスクを負う必要はないと思った。でもセバスチャンは驚異的なタイムを叩き出した。

Q:
ミーカ、優勝おめでとう。ヤリ-マティはこの週末、何度もあなたをほめていた。今回のアルゼンチンでは、すべてが順調に進んだ。
MA:
ヤリ-マティも言ったように、ずっとこのラリーで勝ちたいと思っていた。本当に光栄だよ。かなり長い間参戦していて、いつもいいところまで行っては順位を落としていたが、今回は優勝争いを展開し、ついに果たした。本当にうれしいよ。ヤリ-マティは週末の間ずっと、僕の仕事をほめてくれていた。もちろんそのこともうれしい。来年、僕が報酬を上げろと言うのを恐れているんじゃないかと思うけど、これなら交渉できそうだね!

Q:
車内での雰囲気についてだが、チームメイトと優勝争いをしている時でも、とても穏やかに見える。今回ずっと、ふたりの雰囲気は落ち着いていた?
MA:
基本的にスタートからフィニッシュまで、ドライビングは常にコントロールされていた。自分たち独自のプランを立てて、自分たちのラリーに専念し没頭した。ヤリ-マティが言ったように、パワーステージでもポイントは気にかけなかった。とにかく走り切ることが目標だったし、ポイントが獲れればボーナスだという程度にしか思わなかった。一番の目標はラリーに勝つことだったからね。

Q:
セブ、この週末は素晴らしいバトルを見せてもらった。総合2位、パワーステージではマキシマムポイント。ヤリ-マティとのバトルに関して今の気分は?
SO:
この2位は僕の精いっぱいだった。ここで21ポイント獲得できたんだから、悪くはないよ。ヤリとは5ポイントしか違いはないから、選手権のことを考えればまったく悪くはない。もちろんいつものとおり今回も優勝を目指していたが、まず最初に言わなくてはならないことは、いつも繰り返しているとおり、僕はラフすぎるラリーは好きじゃないし、ここは今や選手権で最もラフなラリーだから、ここで勝てなかったとしても僕にとっては大きな問題にはならない。僕たちのペースはよかったし、あんなコンディションだったから全力ではプッシュしないと決めたんだ。ヤリ-マティが勝ったからそう言っているわけじゃない。彼とミーカは勝利にふさわしい走りをした。

Q:
土曜日には、くだらないリスクは負わないと言っていたが、ヤリ-マティに追いつけないと思ったのはいつ?
SO:
僕はミナ・クラベロのステージがとにかく嫌いなんだ。ここでプッシュするのは、賭けのようなものだよ。だから正直、プッシュはしたくなかった。最初の3本はかなりゆっくりで、パワーステージになってボーナスポイントのためにプッシュしただけ。日曜日の午前にプッシュしたことは後悔していないし、2位を受け入れる。勝ちを逃したのは今日よりももっと前だと思う。デイ1では自分のパフォーマンスはそう悪くはなかった。デイ2はパンクがなければ、土曜日の夜の時点では互角だったと思う。最終日は、2台が必死で勝利を目指していたら、どちらもフィニッシュできなかった。だからフォルクスワーゲンとしては、いい流れだったんじゃないかな。

Q:
セブは2位でもいいが、彼は優勝の方が好きだ。あなたも同じでは?
JI:
今週は彼らの方が強かった。セブは勝つことが好きだが、僕たちはああいったタフなコンディションは好きじゃないということしか言えないね。

Q:
クリス、総合3位だが、目標はクリーンな走りで完走することだと言っていた。ポディウムフィニッシュは出来過ぎ?
KM:
誰もが、今回は最もラフなラリーアルゼンチンだったと言っているから、かなりいい結果なのだと思う。このラリーはIRCで走ったことがあるが、ステージはまったく違っていた。初日のペースは初めて走るにしてはかなりよかったし、周囲がリタイアして3位に浮上して、まったく違うラリーになった。メキシコとポルトガルでは残念な結果になったので、そこから自分のポジションを守るためにサバイバルモードになった。フィニッシュしなくてはならなかったから、3位で終えることができて本当にハッピーだ。

Q:
最終日のステージはかなり難関でミケルセンが追っていたが、自分自身のことに集中できていたか?
KM:
彼はこのラリーとの相性がいいので、自分のペースに集中しなくてはならなかった。彼に経験があることは誰もが知っているし、シュコダで走っていた時代もいい速さを持っていた。今週もいい走りをしていたが、とにかく自分のプランのことだけに気を配らなくてはならなかった。1分も差をつける必要はなかったしね。

Q:
ポール、この難しいコンディションはどれだけタフだったか?霧も多かったが。
PN:
霧のなかでの走行はコ・ドライバーにとって本当にハードだ。先がほとんど見えないんだからね。ミナ・クラベロとエル・コンドルは月面のようなところなんだ。地上に戻ることができて、本当にうれしいよ!

Q:
ヨースト、フォルクスワーゲンはこれで9連勝、アルゼンチンではヤリ-マティが優勝、チーム代表として誇らしい内容なのでは。
JC:
もちろん。チームのみんなは今は夢心地だと思うし、このチャンスを与えてくれたフォルクスワーゲンに心から感謝している。2シーズン目でこのような成果が出せるとは思っていなかった。アルゼンチンには大きな工場があるので、大勢の従業員が応援してくれているのが目に留まった。本当に素晴らしいよ。

Q:
チームのドライバー同士が優勝争いを展開していた。常に、チームオーダーは出さないと言っているが、このことで緊張は生まれていないか?
JC:
まったくないね。チームは競り合いを楽しんでいる。日中サービスではメカニックたちは担当のマシンの作業をするが、それぞれのマシンだけじゃない。夜のサービスでは、両方のメカニックが一台の作業に取り組む。メカニックの間には、バトルはないんだ。彼らはマシンが最善の状態になるようにプリペアするし、私とドライバー、コ・ドライバーはみんな揃って昼食をとる。セブはテーブルに来てこう言ったよ。「ハーイ、ミーカ、いい走りだね。素晴らしいループだったよ」。これが我々のチームなんだ。いつもチーム内での競り合いを楽しんでいるし、スポーツ精神にのっとっているし、健全な姿だ。



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