【現地レポート】マキネンのトヨタWRCチーム代表就任に対する地元フィンランドの反応 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

【現地レポート】マキネンのトヨタWRCチーム代表就任に対する地元フィンランドの反応

©RALLY PLUS

先日、世界中から注目を集めたトミ・マキネンのチーム代表就任のニュースは、マキネンの地元であるラリー大国フィンランドでどのように受け止められたのか?

その反応について、モータースポーツが縁でフィンランドに住み早18年(!)という中川由紀さんからのレポートをお届けします。

現在、フィンランド人ワークスドライバーがフォルクスワーゲンのラトバラのみという状況ですから、地元の期待も大きいようですね。


 トミ・マキネンの「TOYOTA GAZOO Racing」チーム代表就任が決まり、彼の地元フィンランドではこのニュースがどのように報道され、読者たちはどう思ったのか、現地よりレポートします。

 まず、6月下旬にはすでに国営放送YLEのサイトなどで「代表就任が決定したらしいが、正式発表はまだ」的なニュースが掲載され始めました。

 そして、7月7日の正式発表の前夜、TVのスポーツニュースが「明日、正式発表」とアナウンス。翌日は朝から各スポーツメディアがいっせいに第一ニュースとして報じました。読者たちの反応は、「フィンランドのモータースポーツ界にとって久しぶりにいいニュースだ」というものが一番多く「トミ、GJ」「トミ、がんばって」というような、マキネン個人への応援コメントがたくさん寄せられました。しかし、なかには日本のプロ野球でもよく言うような「名選手=名監督となるとは限らない」という厳しい意見も。

 また、フィンランドでは「ラリー・イングリッシュ」という言葉(?)があります。これは往年の名ラリードライバーたちの外国メディアへの受け答えがあまりにもアルファベット読みの英語で、短く簡単な単語をつないだだけでぶっきらぼうに答えていたことからついた名称。物マネする人もたくさんいます。近年ではフィンランド人ドライバーの英語力もアップしましたが、マキネンは「ラリー・イングリッシュ」最後の世代としてあまりにも有名です。というわけで、読者コメントにはマキネンの英語力を心配する声も。

「おいおい、またあのマキネン英語が帰ってくるのか」
「誰か英語の通訳がいるんじゃないか」
「トヨタチームってことはドイツ語も話さなくちゃならないんじゃないか?」

などなど。マキネン本人はインタビューに「(今まで日本のメーカーと何年も関わってきたが)日本語を勉強する時間はなくてね、ほんのいくつかのフレーズは知ってるけど」と答えていましたが。


マキネンは2014年の新城ラリーに来場した際、勝田範彦のWRX STIでデモランを披露。その鋭さは健在でした。©RALLY PLUS


ベテラン候補として一番人気のヒルボネン。現役ドライバーに最も近い感覚を持っていることは間違いありません。©M-SPORT

 誰がドライバーになるのかについて、ファンは発表当時から「フィンランド人を是非に!」と盛り上がっていますが、7月16日にマキネンが「ドライバー選出作業はすぐに始めなければならない。ラリーフィンランドはいいドライバーが集まるので、実際の走りを見るのに絶好のチャンス」とし「モデルとしてひとりがベテラン、もうひとりは才能ある若手がいい」と語ったことに対し、様々な候補を挙げています。

 ベテラン候補として圧倒的に多いのはミッコ・ヒルボネンですが、
「ラトバラを移籍させろ」
「キミがフェラーリから来るぞ」
「マーカス、カムバック!!」
さらに「トミ、自分で出ちゃえば?」などという無茶ぶりも。

 新人枠での一番人気はエサペッカ・ラッピ。ほかにはカレ・ロバンペラ(ハリの息子)、ヤルコ・ニカラなどの名前も。そんななか注目は、16日のYLEスポーツニュースで紹介されたTMG育成ドライバーのテーム・スニネン。実際は彼が大本命なのでは? と思います。トヨタそのもののカムバックを歓迎する声もとても多かったです。


今年はWRC2にシュコダワークスから参戦するラッピと、現役トップのラトバラ。このコンビでトヨタを担う可能性も?©VOLKSWAGEN


TMG育成ドライバーとして修業中のスニネン。RALLY PLUS vol.06ではインタビューも掲載中(宣伝)。©Naoki Kobayashi

 マーカス・グロンホルムもトヨタへの期待とマキネンへのエールを送っています。マーカス自身は「今はラリークロス、フィンランド選手権参戦中の息子ニクラスのチーム代表をやっているけれど、これで十分」だそうです。

 ちなみにファクトリーをどこにするかはまだ決まっておらず、マキネンによれば決定を任されているとのこと。ケルンのTMGファクトリーはWEC関連で手狭になっており、ユバスキラ郊外のトミ・マキネン・レーシング近隣に新たな施設を建設する案もあるとか。このファクトリーの設置とドライバー選出がチーム代表としての最初の仕事になるだろうと語っていました。

果たしてどうなるのか? 今後の動向から目が離せません!!



ワールドラリーカレンダー2019