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WRCパラグアイ事前情報:WRC初開催の南米グラベルラリー

©TGR WRT / McKlein

WRCは舞台を南米に移し、シリーズとして初めて開催されるラリーパラグアイを迎える。選手権の新規イベントは新しい試練をもたらすことになるが、ヨーロッパ外イベントのため、規定によりマニュファクチャラーズチームは現地でテストを行うことが認められない。自然の道と特設の道を組み合わせたステージは、オープンな広場、深い森のセクション、牧場を縫うように伸びていく。地形自体は大きく変化はしないが、ジャンプや溝、タイトな道、ウオータースプラッシュなどの試練が待ち受ける。

ラリーの拠点となるのは、アルゼンチンの国境沿いにあるエンカルナシオン。南半球の晩冬にあたるこの時期は、多くの観客が集まることが見込まれる。気温は15〜25℃で推移し、この時期は常に雨の可能性があると予想されている。

ラリーパラグアイの前進となっているイベントは、長年、FIAコダスールラリー選手権として開催されてきた、ラリートランス・イタプア。パラグアイのラリーとしては、ラリートランスチャコに続いて長い歴史を誇り、初開催は1981年。最初の2年は、ダットサン160Jのサンチアゴ・シルグエロ・プホイが制した。その後、6年間の空白を挟み、1989年に再開された。オートドローモ・スーパースペシャルステージで開催され、今回のラリーパラグアイでもアイテナリーに含まれている。

ラリー1勢では、オィット・タナックが南米のWRCイベントで最も勝利を収めており、チリで2勝、アルゼンチンで1勝をマークしている。キャリアでは、セバスチャン・オジエが南米イベントを12回、ティエリー・ヌービルが11回参戦している。オジエの南米イベントでの勝利はまだないが、2013年、14年、16年はアルゼンチンで、2019年にはチリで2位に入っている。ジョッシュ・マカリアンは唯一、南米での参戦経験がない。

■路面とタイヤ
競技初日は、エンカルナシオンの東部でサービスパークにも近いエリアを走行。郊外のオープンな道を走るが、森のセクションもあり、日差しが舞い上がる埃の間から点滅するように入り込む視界が試練となりそうだ。ウエットになれば、粘土質の路面が厄介な存在に。また、数多くのウォータースプラッシュが興味深いものになるかもしれない。土曜日は西部に向かい、もう少しオープンでワイドな道に。金曜日よりも速度域が高くなるように見えるが、ベースがサンディでジャンクションも少ない。サファリのようなイメージにも見え、特にアルティガスは平原を疾走する。日曜日は、この2日間をミックスしたような1日となり、特にパワーステージなど人工のセクションは最高のエンターテインメントとなると見られている。同じく粘土質とサンディな地盤のほか、石の多いセクションもあり、特に2ループ目は道が荒れそうだ。

ハンコックがこのイベントに供給するタイヤは次のとおり。
RC1
ソフト Dynapro R213W WRC7 本数:24〜28本
ハード Dynapro R213W WRC3 本数:8〜12本
最大使用可能本数:28本

RC2、RC3
ソフト Dynapro R213 WRC7 本数:22〜26本
ハード Dynapro R213 WRC3 本数:8〜12本
最大使用可能本数:26本

■ラリーデータ
開催日:2025年8月28日〜9月1日
サービスパーク設置場所:エンカルナシオン
総走行距離:333.18km
総ステージ走行距離:1003.69km(SS比率33%)
総SS数:19

アイテナリー:
https://app-cdn.sportity.com/a5e69e3f-5fae-407d-bc73-53c13ad5f799/503f19a0-cc0f-4c8b-ab58-1da4fb1bcef7_Itinerary%20v3%20-%2031072025.pdf

■鍵となるステージ
SS17/19 Mision Jesuitica Trinidad (18.5km)
パラグアイのすべてのステージと同様に、このステージも天候の影響を受ける可能性があり、雨が降れば非常にトリッキーな区間も出てきそうだ。リズムや路面、グリップと変化が大きい。また、3km付近には橋の下と上を走行する区間があり、このステージで最も見応えのある観戦スポットとなりそうだ。変化はこれで終わらず、さらにフィニッシュでは石畳も待ち受けている。

TOYOTA

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#1)
オィット・タナック(#8)
アドリアン・フルモー(#16)

[Mスポーツ・フォードWRT]
グレゴワール・ミュンステール(#13)
ジョッシュ・マカリアン(#55)

[トヨタ・ガズーレーシングWRT2]
サミ・パヤリ(#5)



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