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2025年シーズンWRC第7戦ラリーエストニア(グラベル)は、7月18日(金)に2日目の7SSを走行し、トヨタのオリバー・ソルベルグが首位に立った。12.4秒差の2番手にオィット・タナック、14.2秒差の3番手にティエリー・ヌービルとヒョンデのふたりが続く。勝田貴元は、30.0秒差の6番手につけている。
木曜日に行われたタルトゥ市内でのSS1に続き、金曜日から本格的な林道ステージを走行する。この日は、タルトゥ北部の「Peipsiaare(24.35km)」と「Mustvee(11.37km)」を連続で2回走行したのち、ラーディ飛行場で中間サービスを実施。午後は南部の「Kambja(23.74km)」をループし、最後に1.72kmのスーパーSS「Elva Linn」で締めくくる7SS、120.64km。
ドライコンディションとなったオープニングのSS2を制したのは、2022年以来となるラリー1マシンでの参戦チャンスを掴んだソルベルグ。後方スタートの利を活かして、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)に5.3秒、ヌービルに5.6秒差をつけてみせる。これでソルベルグが、ヌービルに3.8秒、ロバンペラを4.5秒差に従えてトップに立った。6.4秒差の総合4番手にタナック、8.4秒差の総合5番手に勝田貴元(トヨタ)がつける。
SS3はタナックがソルベルグに0.2秒差のベストタイム。タナックはロバンペラとヌービルをかわして、ソルベルグに6.2秒差の総合2番手にポジションを上げた。その後、クルーはサービスを挟まず、SS2とSS3を再走。SS4はソルベルグがロバンペラに2.8秒、タナックに3.2秒差をつけ、この日2度目のベストを刻んだ。
SS5はタナックがソルベルグを0.9秒上まわるベストタイムをマーク。午前中のセクションを終え、ソルベルグがタナックとの差を8.5秒に拡大して首位の座をキープした。トップで最初のセクションを終えたソルベルグは「ラリー1のドライブは本当に楽しいよ。思った以上に、いいタイムで走れている」と、笑顔を見せた。
10.7秒差の総合3番手にロバンペラ、12.0秒差の総合4番手にヌービル、少し離れた21.4秒差の総合5番手には、このステージでオーバーシュートを喫した勝田貴元。厳しい先頭スタートを強いられたエルフィン・エバンス(トヨタ)が、21.9秒差の総合6番手で続く。
40分間の中間サービスを挟んだ午後のセクション、SS6はアドリアン・フルモー(ヒョンデ)がソルベルグに3.3秒、ヌービルに6.3秒差をつける今回初のベストタイム。ヌービルがロバンペラをかわして総合3番手、フルモーもエバンスを捕らえて、総合6番手にそれぞれ順位を上げている。
SS7はソルベルグがフルモーに0.3秒、ヌービルに1.2秒差のベスト。ペースを取り戻したフルモーが、グリップに苦しむ勝田をパスして、総合5番手に浮上する。SS8はエルバに設定されたスーパーSS。大観衆が集まるなか、ヌービルと勝田が同タイムのベストタイムで1日を締め括った。
無理をせず2.0秒差の11番手タイムでまとめたソルベルグは、総合2番手のタナックに12.4秒差をつけて、首位の座をしっかりとキープ。「今朝の段階ではクルマのことを100%理解できていなかったから、『とにかくドライブを楽しもう』と思ったんだ。でも、今日は人生で最高の1日になったよ。ステージを制し、ラリーをリードして、コクピットでこの素晴らしいフィーリングを味わえたんだ」と、ソルベルグは喜びを噛み締めるように振り返った。
14.2秒差の総合3番手にヌービル、20.1秒差の総合4番手にロバンペラ、29.8秒差の総合5番手にフルモー。フルモーの0.2秒後方には、勝田がつけている。
競技3日目はSS9〜SS17の9SS、SS走行距離は125.76km。オープニングのSS9は、日本時間7月19日の14時23分にスタートする。
WRCエストニア SS8後暫定結果
1. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:06:33.4
2. O.タナック(ヒョンデi201Nラリー1) +12.4
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +14.2
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +20.1
5. A.フルモー(ヒョンデi20Nラリー1) +29.8
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +30.0
7. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +41.4
8. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:05.1
9. M.セスクス(フォード・プーマ・ラリー1) +1:11.4
10. J.マカリアン(フォード・プーマ・ラリー1) +1:30.0