WRCサルディニア事前情報:地中海に浮かぶサルディニア島が舞台のグラベルラリー – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCサルディニア事前情報:地中海に浮かぶサルディニア島が舞台のグラベルラリー

©Hyundai Motorsport GmbH

今シーズンのWRCは、前戦ポルトガルからヨーロッパのグラベル連戦に突入。今週末は、その2戦目となるラリーイタリア・サルディニアが行われる。暑さのなか、低速で岩の多いステージは、クルーにもマシンにも過酷なチャレンジとなる。

舞台となるのは、地中海に浮かぶサルディニア島。今年は拠点が西側のアルゲーロから、東側のオルビアに戻され、16SS・320.24kmというコンパクトな構成となっている。

WRCサルディニアでは何年も、終盤にドラマが起こる場面が見られ、2024年はセバスチャン・オジエがスローパンクを喫し、わずか0.2秒という僅差でオィット・タナックに優勝を奪われた。そのタナックも5年前、最終ステージでステアリングが破損し、ほぼ確実と見られていた勝利を逃している。

グラベルが覆うステージを最初に走行する不利の影響は大きく、選手権リーダーのエルフィン・エバンスにとっては、金曜日の懸念要素となる。前戦ポルトガル同様、ラリー1マシンは12台がエントリー。WRC2部門は34台が鎬を削りあうことになる。

■路面とタイヤ
ラフな道のテクニカルなステージを灼熱のなかで走るのがWRCサルディニア。平均時速が90kmを超えることは稀だ。ドライバーたちはリスクを分析し、それに応じた速度域を判断しなくてはならず、純粋なペースよりもマネジメント力が試される。

ステージは石が多く、基本的にナロー。2回目の走行では、コンディションはさらに悪化する。タイヤの摩耗も鍵となる要素で、どこまでもコーナーが続くうえに、暑さもタイヤを痛めつける。

ハンコックがこのイベントに供給するタイヤは次の通り。
RC1
第1:ハード Dynapro R213W WRC3 本数:16〜20本
第2:ソフト Dynapro R213W WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:28本

RC2、RC3
第1:ハード Dynapro R213 WRC3 本数:14〜18本
第2:ソフト Dynapro R213 WRC7 本数:8〜12本
最大使用可能本数:26本

■ラリーデータ
開催日:2025年6月5日〜8日
サービスパーク設置場所:オルビア
総走行距離:320.08km
総ステージ走行距離:1190.50km(SS比率26.89%)
総SS数:16

■アイテナリー:
https://app-cdn.sportity.com/d24b3153-71a7-416c-b085-416e06ed4d68/58864178-65f2-456d-bb12-9d9055b17350_Itinerary%20V.%208.0%2001-06-2025.pdf

■鍵となるステージ
SS9/12 Tula–Erula (15.28km)
昨年から距離は短縮されたが、それでもWRCのクルーを苦しめる舞台に変わりはない。 ステージの砂地セクションにある風力発電所を通って曲がりくねっている眺望は、WRCでもおなじみの光景だ。しかし、ここから道はよりラフに岩が多くなり、2回目の走行ではルーズな石がたくさん掻き出され、パンクのリスクが高まり、ステアリングやサスペンションといったコンポーネンツに衝撃を与える。低速コーナーであってもスタックしやすく、2023年には、首位を走行中のオジエがワイドになってヤリスWRCが道の端に乗り上げ、リタイアを喫している。

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
エルフィン・エバンス(#33)
カッレ・ロバンペラ(#69)
セバスチャン・オジエ(#17)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#1)
オィット・タナック(#8)
アドリアン・フルモー(#16)

[Mスポーツ・フォードWRT]
グレゴワール・ミュンステール(#13)
ジョッシュ・マカリアン(#55)

[トヨタ・ガズーレーシングWRT2]
サミ・パヤリ(#5)

■2024年WRCサルディニア最終結果
1 O.タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) 3:06:05.6
2 S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッド) +0.2
3 D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド) +2:25.8



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