WRCポルトガル:トヨタはセバスチャン・オジエが首位に浮上 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCポルトガル:トヨタはセバスチャン・オジエが首位に浮上

©TOYOTA

WRC第5戦ラリーポルトガル(グラベル)は5月17日(土)、SS12〜SS18を走行。トヨタGRヤリス・ラリー1を走らせるトヨタは、セバスチャン・オジエ/バンサン・ランデが首位に浮上。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンも2番手に続き、最終日に向けて1‐2体制を築いた。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは5番手、TGR-WRT2から参戦するサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンは6番手、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは7番手で続いている。

なお、トヨタGRヤリス・ラリー2でWRC2部門を戦うTGR WRCチャレンジプログラム2期生は、小暮ひかるが部門17番手、山本雄紀が25番手。ルノー・クリオ・ラリー3でWRC3部門に参戦する松下拓未は部門8番手につけている。

(以下、発表リリース)


WRC 第5戦 ラリー・ポルトガル デイ3
激しい首位争いを経てオジエが総合1位に
ロバンペラは総合2位に順位を上げる

TOYOTA

5月17日(土)、2025年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦「ラリー・ポルトガル」の競技3日目デイ3が、ポルトガル北西部の「マトジニョス」を中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(GR YARIS Rally1 17号車)が首位に立ち、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は総合2位に、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)は総合5位に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合7位につけました。また、TGR-WRT2からエントリーのサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)は、総合6位につけています。

ラリー・ポルトガルの競技3日目デイ3は、サービスパークの東から東北にかけてのエリアで、3本のステージをマトジニョスでのミッドデイサービスを挟んで各2回走行。一日の最後には「ロウサダ」のラリークロスサーキットでスーパーSSが行なわれ、全部で7本のステージを走行し、その合計距離は122.92kmでした。前日に続き天気は良く、路面は概ねドライコンディション。しかし朝のステージは湿っているところも多く、グリップを得にくいコーナーも少なくありませんでした。

デイ2で首位のオィット・タナック(ヒョンデ)と7秒差の総合2位につけたオジエは、デイ3オープニングのSS12、13と2ステージ連続でベストタイムを記録。差を2秒まで縮めました。しかし、続くSS14ではギャップが開き11.8秒差に。ミッドデイサービスを経て始まった午後の再走ステージでは、SS15、16と連続で2番手タイムを刻むも、首位タナックとの差は13.9秒と僅かに拡がりました。しかしオジエは、SS17で2番手タイムを記録し、そのステージでタナックがトラブルで遅れ総合3位に後退した結果、首位に立つことに。オープニングステージで勝田を抜き、総合3位に順位を上げていたロバンペラが、SS17ではベストタイムを刻み、オジエと26.0秒差の総合2位に順位を上げました。そして迎えたSS18、ラリークロスサーキットでのデイ3最終ステージでは、オジエが今大会5本目のベストタイムを記録。総合2位ロバンペラとの差を27.6秒差に拡げ、TGR-WRTは1-2体制でデイ3を終えました。

デイ2で総合3位につけた勝田は、オープニングのSS12でロバンペラに順位を明け渡すも、SS13では2番手タイムを記録。総合3位に復帰しました。しかし、続くSS14では2番手タイムのロバンペラと1.3秒差の3番手タイムとなり、再度順位が入れ替わることに。以降は総合4位の座を守っていましたが、SS17でティエリー・ヌービル(ヒョンデ)に先行を許し総合5位に後退。それでも、デイ3が終了した時点でヌービルとの差は2.2秒と、十分逆転可能な位置につけています。

TGR WRT / McKlein

Rally1車両でのラリー・ポルトガル出場は今回が初となるパヤリは、デイ3でも安定性の高い走りを継続。最終のSS18では3番手タイムを記録するなど速さも示し、総合6位の座を堅守しました。また、エバンスも総合7位の座を守り、最終日のデイ4ではパワーステージおよびスーパーサンデーでの、ボーナスポイント獲得に挑みます。

TOYOTA

TOYOTA

50台以上のエントリーを集めたRally2車両の戦いは、GR Yaris Rally2でWRC2にエントリーする、オリバー・ソルベルグが首位をキープ。WRC2クラス2番手のライバルとの差を50.1秒に拡げ、総合でも10位の座を守りました。また、その他のGR Yaris Rally2勢は、ローペ・コルホネンがWRC2 4位、ヤン・ソランスが5位、アレハンドロ・カチョンが5位につけています。

ユハ・カンクネン (チーム代表代行)
今夜、2台がトップに立つことができたことを喜ぶべきでしょう。素晴らしいバトルが続いていただけに、オィットに起きてしまったことはもちろん残念です。しかし、今日の午後のコンディションは非常にラフだったため、このようなことは起こりうるものですし、これもラリーの一部です。幸いにして我々のクルマは全車が無事に一日を終えることができましたし、ドライバーたちは今日も素晴らしい仕事をしてくれました。セブは良い位置につけていますが、まだ72kmの走行距離が残っていますし、明日はサービスも受けられないため、まだ何も確実ではなく、集中し続けなくてはなりません。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)
今日は望んでいたような一日ではありませんでした。運転のフィーリング自体はそれほど悪くなかったのですが、それとつり合うスピードを見つけることができませんでした。それでも私たちは諦めませんし、ポジティブな姿勢を保ち、明日に向けて改善点を見つけなければなりません。この週末の序盤はペースが良かったので、なぜこのようなことになったのかを解明しなければなりません。明日は新たな一日ですので、さらに多くのポイントを獲得できるように全力を尽くします。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)
総合順位と明日の出走順の両方に関して、順位を上げることができたという意味では、自分たちにとってかなり良い一日でした。過去のこのラリーと比較しても路面のコンディションは非常にソフトで、2回目のステージの走行は本当に過酷でしたし、タイヤとクルマに大きな負担がかかりました。最適なスピードを発揮することができていないため、後方のオィットを抑え続けるのは簡単ではないかもしれません。しかし、もちろん明日も全力で戦いますし、可能な限り多くのポイントを獲得できるようにトライします。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)

TOYOTA

今日もまたタフな一日でした。朝のステージは楽しむことができましたが、午後はとても深い轍ができるなど非常にラフなコンディションになったので、トラブルなくコース上に留まり続けるためには大変な努力が必要でした。ですので、こうして一日を終えることができて嬉しく思います。リードを奪う方法としては望ましいものではありませんでしたし、オィットを気の毒に思います。しかし、これもまたこのスポーツの一部ですし、特に今日の様なラフなコンディションでは起こり得ることです。明日はまだ長く厳しい日曜日が待っているので、ただ自分の仕事に集中し、最後まで走り切らなければなりません。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)
朝のステージはクルマのフィーリングもペースも良く、カッレとのバトルを楽しむことができました。しかし午後はコンディションが完全に変わってしまい、路面がラフになったことで非常に難しくなり、残念ながら順位を失ってしまいました。しかし、今は明日に集中し、自分ができることに専念しなくてはなりません。ギャップはまだかなり接近しているので、プッシュを続けて様子を見たいと思います。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)
今日の自分たちのパフォーマンスにはかなり満足しています。ロードクリーニングの影響が少なからずあったので、ペースを見極めるのは簡単ではありませんでした。しかし朝は特に流れが良く、楽しんで走ることができました。午後は、このクルマで経験するのは初めての非常に荒れたセクションもありましたが、無事にクリアすることができたので、明日どうなるのか楽しみです。

ラリー・ポルトガル デイ3の結果
1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) 3h01m04.7s
2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +27.6s
3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1) +36.1s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +44.6s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +46.8s
6 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m58.4s
7 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +2m15.9s
8 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +4m13.2s
9 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +4m41.7s
10 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR Yaris Rally2) +7m07.5s
(現地時間5月17日20時30分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
ラリー最終日となる18日(日)のデイ4は、サービスパークの北西エリアで「パレーデス」、「フェルゲイラス」、大ジャンプで人気の「ファフェ」という3本のステージを、サービスを受けることなく各2回走行。最終ステージとなるSS24ファフェ2は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが付与される「パワーステージ」に指定されています。6本のステージの合計距離は72.16km。リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は410.67kmとなります。



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