WRCスウェーデン:トヨタのエルフィン・エバンスが3番手に浮上、勝田貴元は痛恨のコースオフ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:トヨタのエルフィン・エバンスが3番手に浮上、勝田貴元は痛恨のコースオフ

©Toyota GAZOO Racing WRT

WRC第2戦ラリースウェーデンは、2月10日(土)にSS9〜SS15を走行。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、総合2番手でこの日を迎えた勝田貴元/アーロン・ジョンストンが、SS10で悔しいコースオフを喫し、デイリタイアとなった。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合3番手に浮上。前日デイリタイアしていたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンはこの日再スタートし、デイ単独順位とパワーステージでのポイント獲得を目指す。

(以下チームリリース)


WRC 第2戦 ラリー・スウェーデン デイ3
エバンスが総合3位にポジションアップ
勝田は首位を争うも痛恨のデイリタイアを喫する

Toyota GAZOO Racing WRT

2月17日(土)、2024年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの競技3日目デイ3が、スウェーデン北部ウーメオーのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)が総合3位に順位を上げました。また、デイ2で総合2位につけていた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はデイリタイアとなり、前日のデイリタイアから再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は、総合51位につけています。

ラリー・スウェーデンの競技3日目デイ3は、サービスパークの西側から北側にかけてのエリアで、7本合計125.96kmのステージが行なわれました。大雪に見舞われたデイ2から一転、デイ3は午前中から爽やかな青空が広がり、太陽が力強く雪面を照らすなど好天に恵まれました。

デイ2で一時ラリーをリードし、その後総合2位に順位を下げるも、首位エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)と3.2秒差の総合2位につけていた勝田は、トップに返り咲くべくオープニングのSS9からハードにプッシュ。ラッピとの差を0.9秒まで縮めました。続くSS10でも勝田は攻めの走りを続けましたが、コーナーでクルマの姿勢を乱し雪壁に激突。スタックを喫して再スタートすることができず、残念ながらデイリタイアとなりました。なお、勝田は明日の最終日で再出走をする予定です。

デイ2で総合5位に順位を下げていたエバンスは、SS10で総合3位にポジションアップ。午後1本目のSS12ではベストタイムを記録するなど、総合2位のアドリアン・フォルモー(Mスポーツ・フォード)との差をじわじわと縮めていきました。結果的に、エバンスはフォルモーと16.7秒差の総合3位でデイ3を終えましたが、最終日のデイ4でも総合2位争いは続きます。なお、エバンスは土曜日までの順位でポイントが与えられる新しいシステムにより、このラリーを最後まで走り終えることができた場合は最低でも13ポイントを獲得することができます。さらに、日曜日のリザルト次第では12ポイントを追加で獲得することも可能です。

Toyota GAZOO Racing WRT

首位に立ちながらもデイ2でデイリタイアを喫したロバンペラは、チームのメカニックたちによって修理されたクルマで再出走。SS10ではベストタイムを刻みました。総合リザルトこそ45位ですが、日曜日だけの順位によるポイントを獲得可能な明日の最終日に向けて、調子を整えました。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
今週末、我々が優勝できるだけのパフォーマンスを持っていたことは確かです。しかし、残念ながらカッレと貴元は小さなミスが結果に大きく影響を及ぼすことになってしまいました。とてもいい仕事をしていただけに、貴元が表彰台に上ってくれたら本当に良かったのにと思わざるを得ません。今朝最初のステージでは速かったですし、勝てる可能性も見えていました。しかし、急激にスピードを上げようとすると、悲しいことにミスをしてしまうものです。一方、エルフィンは難しい出走順だったにも関わらず、とても堅実な仕事をしてくれました。再走ステージで大きな差をつけるのは難しかったと思いますし、まずは土曜日を総合3位で終えることができたのは、明日さらに多くのポイントを獲得することが可能という意味でも良かったと思います。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)
今朝は太陽が出てコンディションも良好でしたし、ラリーを再スタートすることができて良かったです。昨日のようなことがあった後に、再びプッシュするのは簡単なことではありませんが、とにかくドライビングを楽しもうとしましたし、朝最初のステージを走り終えていいフィーリングを感じることができました。2番手という出走順は、特に午後の再走ステージではベストではありませんでした。フォローできるようなクリーンな走行ラインもあまりなかったですが、全体的には特に問題ありませんでした。明日は、チームがさらに多くのポイントを獲得できるようにベストを尽くすつもりですし、それが自分たちの目標です。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)

Toyota GAZOO Racing WRT

今朝はとても順調でしたが、ループの最後のステージのジャンクションでクルマのフロント部分に雪を詰まらせてしまい、そのせいでかなりパワーを失うという不格好なミスをしてしまいました。そのため、2位争いで大きく水をあけられてしまいました。午後の再走ステージでは、タイムを挽回するのはさらに難しくなりました。再走ステージは路面にグラベルが多く出ていて、タイヤの摩耗も激しく、スタッドを温存しなければならなかったからです。最後のステージは、リヤのグリップが全くないような状態でした。明日はできるだけ多くのポイントを獲得するため、一日を通してプッシュするつもりです。

勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 HYBRID 18号車)
今朝は、トップ争いをするためハードにプッシュしました。最初のステージはとても上手く行き、トップとの差を縮めることができたので、そのまま攻め続けてさらにタイムを稼ぐつもりでした。しかし、残念なことにSS10のあるコーナーで、進入スピードが少し高すぎたのだと思いますが、リヤのグリップを失い雪壁に当たってスタックしてしまいました。とても残念ですし、非常にいい週末になるかもしれなかっただけに、チームに本当に申し訳なく思います。このようなことから学ばなければなりませんが、明日はまだポイントを獲得できる可能性があるので頑張ります。

ラリー・スウェーデン デイ3の結果
1 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) 2h03m52.0s
2 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +1m06.3s
3 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m23.0s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +2m22.1s
5 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (シュコダ Fabia RS Rally2) +4m01.1s
6 サミ・パヤリ/エンニ・マルコネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m15.1s
7 ゲオルク・リンナマエ/ジェームズ・モルガン (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m15.3s
8 ローペ・コルホネン/アンシ・ヴィニッカ (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m35.1s
9 ミッコ・ヘイッキラ/クリスチャン・テモネン (トヨタ GR Yaris Rally2) +5m51.2s
10 ラウリ・ヨーナ/ヤンニ・フッシ (シュコダ Fabia RS Rally2) +6m29.3s
45 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +49m21.4s
51 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +59m15.8s
(現地時間2月17日21時00分時点のリザルトです。最新リザルトはwww.wrc.comをご確認下さい。)

明日のステージ情報
競技最終日となる2月18日(日)のデイ4は、サービスパークの東側エリアで25.50kmのステージ「ベステルビーク」をSS16、17として2本連続で走行。その後サービスパークのすぐ近くで、SS15の再走ステージであるSS18「ウーメオー2」を走ります。最終ステージでもあるSS18は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3本のSSの合計距離は61.08km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は216.58kmとなります。



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