WRCスウェーデン:3日目もエサペッカ・ラッピが首位をキープ、トップを争った勝田貴元はまさかのコースオフ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:3日目もエサペッカ・ラッピが首位をキープ、トップを争った勝田貴元はまさかのコースオフ

©HYUNDAI

2024年シーズンWRC第2戦ラリースウェーデンは、2月17日(土)にラリー3日目の7SSを走行し、ヒョンデのエサペッカ・ラッピが首位をキープした。1分6秒3差の2番手にはアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)、1分23秒差の3番手にはエルフィン・エバンス(トヨタ)がつけている。

土曜日はサービスが置かれたウメオの西と北を舞台とする3SSをリピートし、木曜日と金曜日に走った「Umea Sprint」を延長した「Ume(10.08km)」で締めくくる7SS、125.96km。SS9/SS12「Vannas(15.65km)」は新ステージ、SS11/SS14「Bygdsiljum(28.06km)」は昨年行なわれた「Bostmark」をベースに、前半に高速セクションが加えられている。

今シーズンから導入された新ポイントシステムにより、土曜日終了段階でトップ10に入っていたクルーは、最終日を完走することを条件に「18-15-13-10-8-6-4-3-2-1」の配分でポイントが与えられる。

首位のラッピと、総合2番手の勝田貴元(トヨタ)の差は3.2秒。すでに3番手以下とは1分20秒以上離れており、このふたりに優勝争いは絞られたと言ってもいいだろう。また、金曜日にコースオフから戦列を去っていたカッレ・ロバンペラ(トヨタ)と、オィット・タナック(ヒョンデ)もマシンを修理し、再出走を果たした。

オープニングのSS9、好天に恵まれたものの、レッキ後に降雪があり、非常に滑りやすいコンディションとなった。ベストタイムはリスタートにまわったタナック。勝田はベストから1.9秒差のSS4番手タイムでまとめ、4.2秒差のSS5番手タイムに終わったラッピとの差を、0.9秒にまで戻した。その後方ではWRC2のオリバー・ソルベルグ(シュコダ)をかわし、フルモーが総合3番手に浮上している。

SS10、首位を争っていた勝田がステージ中盤でオーバースピードからコースオフ。スノーバンクにヒットしたことで、GRヤリス・ラリー1はフロントにダメージを負っており、ラリー続行を諦めることになった。勝田の脱落を受けて、首位のラッピはペースダウン。「タカのアクシデントは本当に残念だ。悲しいが、こういったことは起こりうる。スノーバンクは使いすぎるまでは、味方になってくれるからね」と、勝田を気遣った。このステージは再出走のロバンペラがベストタイムをマークしている。

M-SPORT


この日最長の28.06kmを走行するSS11。首位のラッピが安全なペースで走行するなか、総合2番手につけるアドリアン・フルモー(Mスポーツ・フォード)が、今ラリー初のベストタイムを記録した。「僕にとってはWRC初ポディウムのチャンスだし、なんとしてもコースに留まる必要がある」と、フルモーは慎重に語る。また、1.5秒差のSS2番手タイムで走ったティエリー・ヌービルは(ヒョンデ)は、総合5番手までポジションを戻した。

ウメオでのサービスを挟んだ午後のセクション。雪は依然として多いものの、最初の走行により一部でグラベルが出ており、パンクの危険性が高まっている。SS12、エバンスがフルモーに1.5秒差をつけてベストタイム。後方ではソルベルグをパスしたヌービルが総合4番手に順位を上げた。続くSS13とSS14は、ようやくスピードを取り戻したヌービルが連続ベストを刻む。

この日の最後を締めくくるSS15もヌービルが一番時計。首位のラッピは午後のステージもミスなく走り、総合2番手のフルモーに安全圏とも言える1分6秒3差をつけて、タフな土曜日を終えた。「午後はずっとタイヤを温存しながら、スマートに走ろうとトライしたよ。最後のステージは難しいコンディションだったけど、楽しむことができた」と、安堵の表情を見せている。

TOYOTA


総合2番手は悲願のWRC初ポディウムを目指すフルモー。ただ、16.7秒差の総合3番手にはエバンスがつけており、最終日も油断のできない展開が待っている。金曜日には14番手まで順位を落としていたヌービルは、総合4番手まで復活を果たした。総合5番手はWRC2最上位につけるソルベルグ。以下、総合6番手にサミ・パヤリ、総合7番手にゲオルグ・リンナマエ、総合8番手にルーぺ・コルホネン、総合9番手にミッコ・ヘイッキラと、トヨタGRヤリス・ラリー2勢が続いた。

競技4日目はSS16〜SS18の3SS、SS走行距離は61.08 km。オープニングとなるSS16は、日本時間2月18日の15時27分にスタートする。

WRCスウェーデン 3日目暫定結果
1. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) 2:03:52.0
2. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:06.3
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:23.0
4. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +2:22.1
5. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:01.1
6. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:15.1
7. G.リンナマエ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:15.3
8. R.コルホネン(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:35.1
9. M.ヘイッキラ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +5:51.2
10. L.ヨーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:29.3

WRCスウェーデン 土曜日終了時点暫定ポイント
1. E.ラッピ 18
2. A.フルモー 15
3. E.エバンス 13
4. T.ヌービル 10
5. O.ソルベルグ 8
6. S.パヤリ 6
7. G.リンナマエ 4
8. R.コルホネン 3
9. M.ヘイッキラ 2
10. L.ヨーナ 1



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