WRCがポイントシステムを改正、土曜日時点の順位で配点に加え日曜日単独順位でポイント – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCがポイントシステムを改正、土曜日時点の順位で配点に加え日曜日単独順位でポイント

©TOYOTA

FIAは2024年WRCのスポーティングレギュレーションを発行。12月のワールドモータースポーツカウンシルで承認されたポイントシステムの内容が明らかとなった。

[ポイント制度]
カウンシルでは、特に日曜日の競技の盛り上げを高めるための配点システム改正を行うと明言されていた。2024年の規定では、WRCのマニュファクチャラーズ選手権、ドライバーズ選手権、コ・ドライバーズ選手権のポイントは、土曜日終了時点での順位に対し、次の通りにポイントを配分する(土曜日最終コントロールまでのタイムペナルティは反映する)。
1位:18ポイント
2位:15ポイント
3位:13ポイント
4位:10ポイント
5位:8ポイント
6位:6ポイント
7位:4ポイント
8位:3ポイント
9位:2ポイント
10位:1ポイント

このポイントを獲得するためには、クルーはラリーの最終順位に残っていなくてはならない。最終順位に残れなかった場合は、次のクルーが繰り上がりとなる。

さらに、日曜日の最初のコントロールからラリーの最終コントロールまでの単独順位に対して下記の通りにポイントが与えられる(このセクションに対して与えられたペナルティは反映される)。
1位:7ポイント
2位:6ポイント
3位:5ポイント
4位:4ポイント
5位:3ポイント
6位:2ポイント
7位:1ポイント

パワーステージポイントについては、WRCはこれまでと変わらずステージ単独順位の5位〜1位に対して5〜1ポイントが与えられる。1ラリーで得られる最大獲得可能ポイントは30ポイントと、2023年と変わらない。

このシステムの導入により、主催者は土曜日終了時点で暫定順位表(トップ10のみ)、日曜日単独の暫定順位表(トップ7のみ)、さらにそれぞれの公式順位表の発行が義務づけられる。

WRC2、WRC3、ジュニアWRC、そのほかのカップについてのポイント配分は、これまでと変わらず下記の通りとなる。
1位:25ポイント
2位:18ポイント
3位:15ポイント
4位:12ポイント
5位:10ポイント
6位:8ポイント
7位:6ポイント
8位:4ポイント
9位:2ポイント
10位:1ポイント

[ルートノートクルー]
ルートノートクルーについては、オールターマック戦のラリーについてプライオリティ1に加え、プライオリティ2のドライバーにもノートクルーを使うことが認められるようになった。1ドライバーにつきノートクルーは2名とし、国際格式の競技ドライバーズライセンスを所持していなくてはならない。

[その他の変更]
そのほかの変更としては、ラリー1規定のマシンは、マニュファクチャラーズ選手権のポイント対象でなければ、ハイブリッドユニットを搭載しないことが認められる。その際、安全規定を順守した上で、ダミーのハイブリッドユニットを置かなくてはならないなどの条件が定められている。

また、イベント前の車検を終えた時点からTC0までの間にエンジントラブルが発生した場合、エンジン交換が認められるようになった。マニュファクチャラーが1シーズンに使用できるエンジンは、1シーズンで2基まで。また、ラリーフィニッシュまでの間にエンジントラブルが発生した場合は、1シーズンの制限数を超えない範囲で、ダメージを受けたエンジンを交換することが認められる。

トランスミッションの使用数制限に関するイベントリンクは、エストニアに替わってラトビアが入ったことで、次の通りになる。
リンク1:ポルトガル/イタリア
リンク2:ラトビア/フィンランド
リンク3:セントラルヨーロッパ/ジャパン

マニュファクチャラーズ選手権を戦うチームの、1シーズン当たりのハイブリッドユニットハイブリッドユニットの制限数(テストは含まない)は、新ユニット最大3基。1シーズン当たりのハイブリッドユニットの合計数は無制限。2025年、2026年は、1シーズン当たり最大で新ユニットが3基となる。インバーター、MGU、バッテリー・パックのうち、少なくとも1つに変更がない場合、再生ハイブリッド・ユニットは新しいハイブリッド・ユニットとはみなされない。これら3つの要素が同時に変更された場合、その決定はFIAとハイブリッドシステムサプライヤーの裁量に委ねられる。

またRC5クラスに、2024年1月以降の公認を受けたラリー5キットカーが加えられた。

金曜日の出走順について、P1勢に変更はないが、主にWRC2部門などが対象となるP2も、ラリー時点で選手権首位のドライバーが先頭を務めることになった。以降の順番は、ドライバーのパフォーマンスを考慮して主催者が決定する。

マニュファクチャラーおよびWRCチームが、サービスタイム中またはサービス待ちの間、サービスベイに停めているラリーカーの視界を故意に妨げることを禁止する条項は、2023年シーズン中盤から導入された。



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