WRCフィンランド:トヨタが1-3フィニッシュ達成、ラッピが初優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCフィンランド:トヨタが1-3フィニッシュ達成、ラッピが初優勝

©TOYOTA

WRC第9戦フィンランドはすべてのSSを終えて、トヨタのエサペッカ・ラッピが初のWRC総合優勝を達成した。総合2位には激戦を制したMスポーツのエルフィン・エバンス、総合3位はトヨタのユホ・ハンニネンという順位となった。ハンニネンにとっても初表彰台フィニッシュとなる。

M-SPORT

この日設定されたのは、SS22〜SS25というわずか4SS。6.80kmと10.12kmの2SSを2度走行し、その合計距離はわずか33.84kmと短い。スタート時点でトップのラッピと総合2番手のテーム・スニネン(Mスポーツ)とは49.1秒の差があり、何事もなければラッピの初優勝はほぼ見えていると言っていい。また、スニネン、ハンニネン、エバンスの3人が5.6秒差で並んだ総合2番手争いも大きな注目を集めた。

オープニングのSS22、ここでベストタイムをたたき出したのは前日に悔しいリタイアを喫したトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラ。SS2番手にはハンニネンが続く。ハンニネンはこれでスニネンと並ぶ総合2番手タイ。SS3番手タイムを記録したエバンスもふたりの背後2.0秒差につけており、気の抜けない状況が続く。ラッピはペースを抑え、SS7番手タイムでまとめている。続くSS23では再びラトバラがベストタイム。SS2番手はスニネンが獲り、エバンスとハンニネンのタイムを上まわって総合2番手に返り咲いた。スニネンとエバンスは2.5秒差、エバンスとハンニネンは0.2秒差となった。ラッピはSS8番手タイムをマーク、初優勝に向かって着々と歩を進めている。

CITROEN

最終SSを前にしたSS24、ここで総合2番手だったスニネンがまさかのクラッシュ。幸いステージは走り切ったものの、SSベストタイムのハンニネンから19.3秒遅れのSS21番手タイムに沈んだ。これでスニネンは総合4番手に後退、2位争いの主役はハンニネンとエバンスのふたりに絞られることとなった。一方、このSSではラッピも左リヤホイールにダメージを受け、SS10番手タイム。ラッピはSSフィニッシュ後にタイヤ交換をして無事戦線に復帰した。最終SSを前に、トップのラッピと総合2番手ハンニネンの差は37.8秒。ハンニネンとエバンスの差は0.9秒となっており、どちらが2位となるかはまったく読めない展開だ。

HYUNDAI

パワーステージであるSS25、3人の出走順はエバンス、ハンニネン、ラッピ。先に走行したエバンスは4分50秒1というタイムでフィニッシュし、残るふたりの走行を見守る。続いてハンニネンがスタート。ハンニネンは渾身のアタックで4分51秒3というタイムを記録した。この瞬間、0.3秒差でエバンスの上位フィニッシュが決定。最後にスタートしたラッピは危なげなく6番手タイムでステージをまとめ、WRCトップカテゴリー参戦わずか4戦目にして総合優勝を勝ち獲った。トヨタにとっては第2戦スウェーデン以来となるシーズン2勝目だ。

この結果、1位ラッピ、2位エバンス、3位ハンニネンが決定。4位にスニネン、5位にはしぶとく走ったシトロエンのクレイグ・ブリーン、6位にはヒュンダイのティエリー・ヌービルという順位となった。最終パワーステージはMスポーツのオィット・タナックが制している。

次戦は8月17〜20日に行われる第10戦ラリードイチェラント。第4戦ツール・ド・コルス以来のフルターマックイベントとなる。選手権もこのドイツを含めて残り4戦、今回リタイアに終わったセバスチャン・オジエも実質的にランキング首位に並んでおり、挽回を期すはず。成長著しい若手たちの登場によって、果たして勢力図に変化はあるか。

WRCフィンランド終了後暫定リザルト
1. エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) 2:29:26.9
2. エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC) +36.0
3. ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +36.3
4. テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC) +1:01.5
5. クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC) +1:22.6
6. ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:33.1
7. オィット・タナック(フォード・フィエスタWRC) +1:53.6
8. クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC) +3:12.6
9. ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +4:11.5
10. マッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC) +4:21.2



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