WRCサファリ:ピレリ「不安定な天候でコンディション悪化の可能性」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:ピレリ「不安定な天候でコンディション悪化の可能性」

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WRC単独タイヤサプライヤーのピレリは、グラベル7連戦の3戦目となる今週のサファリ・ラリーケニア「予想しにくい天候が懸念される」としている。

今季のグラベルラリーとしては4戦目となるサファリに、ピレリは第一選択肢としてScorpionのソフトコンパウンドタイヤをノミネート。予想外のウエットコンディションとなった前戦のサルディニア(この時は第二選択肢にノミネートしていた)でも、いいパフォーマンスを見せていた。2022年のサファリでは、スプリントレースとして挑んだドライバーたちの非常にアグレッシブなアプローチにも関わらず、週末を通じてで使用されたのはソフトタイヤだけであり、ナイバシャ湖周辺のバンピーで岩だらけの道での過酷な打撃に耐えた。

このアフリカのラリーでの危険性は誰もが知っており、滑りやすく、岩が多く、深い轍のある起伏の激しい路面では、最終的に重視されるのはパフォーマンスよりも持久力となる。そして「フェシュフェシュ」と呼ばれるパウダー状の砂がマシンに詰まりやすいという懸念材料も加わる。今年のラリーでは、ラリー中に雨が予想されるため、こうした心配がさらに深まる可能性がある。雨が降れば道路はさらに滑りやすくスリッパリーになり、岩が露出し、泥沼やバンプのリスクが高まり、グリップが低下する可能性が出てくる。

最悪のケースになっても、ソフトコンパウンドのScorpion KX SAタイヤは、最も滑りやすいコンディションや濡れた路面でもグリップを発揮するよう設計されており、性能と耐久性のバランスはすでにこれまでのラリーで証明されている。ハードコンパウンドのScorpion KX HAタイヤは第二選択肢となり、摩耗の激しい路面や最長ステージに向いている。

規定によるタイヤ配給本数は、ソフトが24本、ハードが8本。これにシェイクダウン用の4本が追加され、クルーが選んだコンパウンドのタイヤが割り当てられる。

WRC2勢、WRC3勢はScorpion Kを使用。ラリー1マシン用に開発されたKXの特徴の多くが流用されている。サファリでは、ラリー2マシンはK6B(ソフト)とK4B(ハード)、ラリー3マシンには K6A(ソフト)とK4A(ハード)が用意される。この部門の配給本数は、ソフトが22本、ハードが8本で、さらにシェイクダウン用に1セットが追加される。

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テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「サファリラリーが現代仕様の構成となっても、ほかのWRCグラベルラリーとは違って、速さ勝負ではなく耐久戦であることは明らか。ケニアでは距離の割には摩耗は少ないが、タイヤやリム、サスペンションが受ける打撃は多く、激しい。高速セクションも少なくないが、ハードブレーキングや歩くようなペースで走らなければならない部分も多い。今年は、雨が降ればこうしたコンディションをさらに悪化させ、例年以上に予測不可能なラリーとなる可能性がある。Scorpion SAタイヤは、グリップと耐衝撃性を同時に確保する適切な汎用性を持ち、ステージの厳しさに耐えられないほど柔らかすぎもせず、サスペンションを損傷させるほど硬すぎもしない構造になっている。2022年も前年より厳しいコンディションとなったが、今年はさらに悪化する可能性が高い」

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