全日本ラリー唐津:初日、変化するコンディション下でコバライネンが全SSベストタイムを奪取 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー唐津:初日、変化するコンディション下でコバライネンが全SSベストタイムを奪取

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2023年シーズン全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州2023 in 唐津」の初日は、4月15日(土)に6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が、新井大輝/金岡基成(プジョー208ラリー4)に、56.1秒差をつけて初日トップに立った。56.7秒差の3番手には福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がつけている。

ターマック初戦の新城ラリーから約1カ月のインターバルを経て、全日本ラリー選手権の舞台は九州の唐津へ。前戦はオープンクラスでの参戦となった勝田範彦/木村裕介だったが、トヨタGRヤリス・ラリー2がJP4規定をクリアしたことで、無事JN-1クラスへのエントリーを実現。チームは初戦で得たデータやフィードバックを活かすべく、唐津に向けたテストも実施している。また、新井敏弘/保井隆宏と鎌田卓麻/松本優一を擁する「SUBARU RALLY CHALLENGE」は、スバルWRX STIに、シーケンシャル式トランスミッションを投入した。

ラリーは唐津市南部と伊万里市に広がる山間部のターマックステージを走行。ステージには攻撃性の高い荒れたアスファルト路面が多いうえ、この時期は天候も変わりやすく、タイヤマネージメントが重要な鍵となる。

初日は「ボートレースからつ」に置かれたサービスパークを拠点に、11.85kmの「SANPOU(SS1/SS4)」を含む3SSをループする6SS、44.64km。前日までの予報どおり朝から雨が落ちており、ステージはウエットコンディションとなった。

この日の最長距離を走行するSS1、ベストタイムを刻んだのは前戦のウイナー、コバライネン。ステージ終盤で金属片を拾ってパンクを喫しながらも、このステージだけで2番手の鎌田を13.1秒差も引き離してみせた。「タイヤにカットを入れすぎた」と語る新井敏弘が13.6秒差の3番手。14.2秒差で勝田、17.4秒差で二輪駆動のプジョー208ラリー4をドライブする新井大輝が続く。

SS2もコバライネンが制し、最初のステージで7番手に沈んだ福永が3.3秒差のセカンドベストをマークした。SS3は、またもパンクに見舞われながらも、コバライネンが3連続ベストタイム。午前中のセクションを終えて、コバライネンは2番手の勝田に25.2秒ものアドバンテージを手にしている。

SS3を終えて勝田は2番手ながらも「前戦のクラッシュもありましたし、恐る恐る走っている状態です」と、肩を落とした。26.0秒差の3番手に福永、SS2でコースオフを喫して数秒を失った鎌田が26.6秒差の4番手。「2輪駆動でウエットは厳しい」と振り返った新井大輝が5番手、SS3でハーフスピンを喫した新井敏弘は6番手に沈んでいる。

サービスを挟んだ午後のセクション。コースの一部で濃い霧が発生するなか、コバライネンが3連続ベストをたたき出す。コバライネンは、この日行われたすべてのステージを制し、初日だけで2番手以下との差を1分近くに拡大している。

「無理をせず、とてもいい走りができた。タイヤは午前中の4本カットから、2本カットに変更して走った。路面があまり濡れていない場所箇所ではさらにプッシュできたよ。マシンのセットアップもバッチリで、良いリードを得られた。明日も同じようなペースで走るつもりだ。あまり落としすぎると、逆に危険だからね」と、コバライネンは余裕の表情で語る。

午後のセクション、雨が上がった路面でスピードアップを披露したのが新井大輝。SS4とSS6で2番手タイムを刻み、4輪駆動勢を従え、首位から56.1秒差の2番手で初日を折り返した。「セットアップを変えたことが、ばっちり決まりました。上手くいきすぎたくらいです。ただ、霧でまったく視界がなかった箇所もあったので、それがなければ、もう少し行けたはずです」と、笑顔を見せている。

56.7秒差の3番手は、午後のセクションでペースを上げた福永。1分11秒3差の4番手に鎌田、1分13秒8差の5番手に勝田、1分22秒8差の6番手に新井敏弘が続き、ベテラン勢が厳しい戦いを強いられている状況だ。



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