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WRCスウェーデン:4連勝を目指すトヨタから勝田貴元が初のワークス参戦

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月9日(木)から12日(日)にかけてスウェーデン北部のウメオを拠点に開催される2023年WRC第2戦ラリースウェーデン(スノー&グラベル)に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、勝田貴元/アーロン・ジョンストンをマニュファクチャラーズ選手権のポイント対象としてノミネート。勝田は、待望のワークス初参戦に挑むことになり、2018年にはWRC2部門優勝も飾っているWRCスウェーデンでの活躍に期待がかかる。

(以下チームリリース)


シーズン唯一のフルスノーイベント、スウェーデンで
4大会連続優勝と選手権のリード拡大を目指す

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月9日(木)から12日(日)にかけて、スウェーデンで開催される、2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」に、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 69号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)の3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。2023年シーズン開幕2連勝と、このラリーでの4大会連続優勝を目指して戦います。

2023年シーズンの開幕戦ラリー・モンテカルロでは元世界王者のセバスチャン・オジエが優勝し、新世界王者のロバンペラが総合2位を獲得するなど、チームは良いスタートを切ることができました。そして迎える第2戦ラリー・スウェーデンは、雪と氷に覆われた道を走行するフルスノーイベントです。1年間のブランクを経て開催された昨年大会では、ロバンペラが優勝。デビュー2戦目だったGR YARIS Rally1 HYBRIDを初優勝に導き、ロバンペラも王座獲得の礎となった3連勝の第一歩を踏み出しました。チームにとってラリー・スウェーデンは非常に相性の良いラリーであり、WRC復帰初年度だった2017年シーズンには、現チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラがヤリスWRCでスウェーデンを制覇。チームに最初の優勝をもたらしました。その後も2019年、2020年、そして2022年と出場した5回の大会で4勝を獲得しています。

完全に封鎖された凍結湖で幼少期からスノードライビングの腕を磨いてきたロバンペラは、トップカテゴリー参戦初年度だった2020年の第2戦ラリー・スウェーデンで表彰台争いに加わり、総合3位を獲得。そして2022年大会で優勝するなどスノーラリーを非常に得意にしています。また、エバンスは2020年大会で優勝しており、レギュラードライバーの二人にとっても、ラリー・スウェーデンは相性の良いラリーであり、今回もまた優勝に焦点を合わせています。

開幕戦ラリー・モンテカルロを制したオジエは、今シーズンもまた、全戦ではなくいくつかのラリーに出場を絞り、オジエが出場しないラリーに関しては、新たに勝田をチームの3台目のドライバーとしてノミネート。昨年、非常に安定したリザルトでドライバー選手権5位となった勝田にとっては、新たなる、そして大きなチャレンジとなります。勝田はこれまで、TGR WRCチャレンジプログラムによりラリー・スウェーデンに5回出場しており、R5車両(現Rally2車両)で臨んだ2018年大会では、WRC2カテゴリーで日本人初優勝を飾りました。また、GR YARIS Rally1 HYBRIDで出場した2022年大会では総合4位を獲得しています。

なお、今回のラリー・スウェーデンには、イタリア人のロレンツォ・ベルテリが、GR YARIS Rally1 HYBRIDをドライブする初のカスタマードライバーとして出場。カラーリングが完全に異なる4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDが、スノーロードを駆け抜けます。

ラリー・スウェーデンは昨年の2022年大会より、豊富な積雪を求めて北上。北部最大の都市であるウーメオーにサービスパークを置き、ステージは全面的に新しくなりました。雪と氷に完全に覆われた森林地帯の未舗装路を、ラリーカーは金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた、特殊な雪道専用の「スタッドタイヤ」で走行。スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むと非常に高いグリップ力が発生し、雪壁に囲まれたコーナーをハイスピードで駆け抜けることができます。

ラリーは9日(木)の午前中にシェイクダウンが行われ、その晩7時過ぎから競技がスタート。ウーメオーの市街地近くで全長5.16kmのSS1「ウーメオー・スプリント1」が1本行われます。森林地帯での本格的な戦いは翌日10日(金)の朝から始まり、ウーメオーの西側から北側にかけてのエリアで3本のステージを各2回走行。最も北側に展開するSS4/7「ボッツマーク」は、今年新たに設けられた新ステージです。そして、一日の最後にはSS1の再走ステージがSS8として行われます。競技3日目の11日(土)は、ウーメオーの北側エリアで3本のステージを各2回走行。一日の最後にはSS1およびSS8のロングバージョンである、10.08kmの「ウーメオー1」がSS15として行われます。最終日の12日(日)は、ウーメオーの北東で1本のステージを2回走行。その後、土曜日のSS15を再走する最終ステージのSS18「ウーメオー2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全18本で合計301.18km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1194.16kmが予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
開幕戦ラリー・モンテカルロでの結果により、我々は素晴らしいシーズンのスタートを切り、ラリー・スウェーデンに向けて良い感触を得ることができました。このラリーは、私たちチーム全員が楽しみにしていて、私自身も出場して走りたいと常に思っているラリーです。2017年にチームとして初めて優勝し、その時に私がステアリングを握っていたことも含め、多くの良い思い出があるラリーです。初めてウーメオーで開催された昨年の大会は、積雪が多くとても楽しめました。カッレは一番手の出走順から優勝しましたが、今回も勝てるかどうかはコンディションと、路面にしっかりとした氷の層があるか次第です。もし、路面に掃き飛ばさなければならないような雪が多かったら、カッレはきっと苦労するでしょうし、スノーラリーが好きで得意なエルフィンはより有利な出走順で戦うことができます。貴元もスノーラリーは大好きです。今回初めて我々のチームのポイント獲得対象選手になりましたが、彼に特別なプレッシャーを与えるつもりはありません。ただ昨年と同じように戦ってくれることだけを願っています。

カッレ・ロバンペラ

TOYOTA

モンテカルロでは、良いフィーリングでシーズンをスタートし、多くの選手権ポイントを獲得することができたので良かったです。スウェーデンでもこの調子を維持し、ラリーを楽しみたいと思っています。このような雪のラリーは毎年1戦しかなく、スタッドタイヤを装着したクルマでスノーバンクに囲まれた道を激しくプッシュするのは、最高かつ特別なことです。昨年のスウェーデンでは良い成績を収めることができたので、今回も同じリザルトを目指します。雪に覆われた道を最初に走るのは難しい場合が多く、コンディションに大きく左右されます。ラリーの事前テストはとてもうまく行きました。路面は厚い氷の層で覆われコンディションは完璧でした。ラリー本番の路面もそうあってほしいしですし、金曜日に一番手で走行する際は、できれば苦労せずに走りたいです。

エルフィン・エバンス

TOYOTA

ラリー・モンテカルロではペースが良かっただけに、あのような結果に終わってしまったことは残念でしたが、全体的には良いスタートが切れたと思います。そして次に臨むスウェーデンは、全く違うチャレンジになります。路面は雪や氷で覆われていますが、年間カレンダーの中で最もハイスピードなラリーのひとつです。特に、今年はラリーのベースが少し北側に移動し、ステージはさらに高速になり、ルートには初めて走る新しいステージもいくつかあります。ループを構成する各ステージの中でもグリップが頻繁に変化するため、常に完璧なクルマを用意するのは不可能に近いですが、事前に行なったテストでは様々なオプションを試すことができました。

勝田 貴元

TOYOTA

ラリー・スウェーデンに向けて本当にワクワクしています。雪上でのドライビングにはとても慣れていますし、リラックスして走ることもできるので、雪道は大好きです。今回はチームの3人のノミネートドライバーのひとりになることで、これまでよりも少しプレッシャーを感じるかもしれませんが、このポジションでの出場は僕が本当に望んでいたものです。困難な瞬間もあるかもしれませんが、それを乗り越えてチームのために多くのポイントを獲得したいと思っています。ただベストを尽くすだけで、これまでと何も変わりません。雪道での事前テストはクルマのフィーリングがとてもよく、チームは1年前よりもクルマを大きく進化させてくれたので、より大きな自信を持ってスウェーデンを戦えることを期待しています。もちろん、他のチームも改良と開発を続けているので、フルアタックで臨まなくてはなりません。



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