ヘイデン・パッドンがAPRCファイナルを制し初タイトル、3年ぶりの王者に – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ヘイデン・パッドンがAPRCファイナルを制し初タイトル、3年ぶりの王者に

©APRC / Tayler Burke

FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)はタイトル決戦となるファイナルが11月26〜27日、オーストラリアのコフスコーストラリー(グラベル)で行われ、ニュージーランドのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 AP4)が優勝。自身初のAPRCタイトルを獲得した。

APRCは2019年から、進出権を獲得したコンペティターによるファイナル一戦でタイトルを決める方式を導入したが、2020年からは新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大によりシリーズキャンセルが続いていたことから、この方式によるチャンピオン誕生はパッドンがふたり目となる。

今回のコフスコーストに設定された14SSには、過去にWRCオーストラリアで使用されたステージも含まれていたが、WRCでの優勝経験があるパッドンにとってもひと筋縄ではいかない決戦となった。パッドンの前に大きく立ちふさがったのは、地元オーストラリア選手権の強豪、トヨタ・ガズーレーシング・オーストラリアのハリー・ベイツとルイス・ベイツの兄弟(トヨタGRヤリスAP4)だ。このコフスコーストではオーストラリア選手権も併催されていたことから、両タイトルを狙うベイツ兄弟はスタート直後からパッドンを猛追した。

SS5までは首位に立っていたパッドンだったが、ターボホースにダメージを負ったほかドライブシャフトを破損し、3ステージを3輪駆動で走行することを余儀なくされた。サービスでこれを修復するためにタイムペナルティを受けたことで順位を落とし、ハリー・ベイツに27.7秒遅れの2番手で初日を終えた。

しかし、日曜日に入り再び勢いを取り戻したパッドンは、この日3本目のSS11で首位を奪回。次のSS12ではハリー・ベイツがコースオフを喫したことで、マージンは一気に3分以上に広がった。残る2本を慎重なアプローチで走り切ったパッドンは、トップでフィニッシュ。APRCタイトル獲得を決めた。

「タイトルを獲得するためだけにやってきたので、本当に良かった。この一戦の勝負ですべてが決まるというのは、本当にプレッシャーが大きかった」とパッドン。
「歴史の長い選手権だし、過去のチャンピオンはビッグネーム揃い。最後にニュージーランド人がこのタイトルを獲得したのはポッサム・ボーンだったので、 その次に名前を刻めるのはとても光栄なことだ。土曜日には一時はタイトルへの道が閉ざされたかと思ったが、最終的にはたどり着くことができた」

パッドンは今季、これでニュージーランド選手権、ツアーヨーロッパラリーシリーズ(TER)、APRCのタイトルを獲得したことになる。

APRC

2位は4分以上遅れてのフィニッシュとなったが、ルイス・ベイツが入り、初めてのオーストラリアタイトル獲得を決めている。3位はリッチー・ダルトン(GRヤリスAP4)、シュコダ・ファビアR5のダニエル・ゴンザレスが4位でフィニッシュした。一方、WRCラリージャパンにも参戦したルーク・アネア(フォード・フィエスタR5)は、土曜日の2本目でコースオフを喫し、リタイアとなった。

APRCファイナル・コフスコーストラリー 最終結果
1 H.パッドン(ヒョンデi20 AP4) 1:41:43.8
2 L.ベイツ(トヨタGRヤリスAP4) +4:09.6
3 R.ダルトン(トヨタGRヤリスAP4) +6:16.5
4 D.ゴンザレス(シュコダ・ファビアR5) +8:30.1



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