WRCエストニア事前情報:グラベル連戦4戦目の舞台は選手権屈指の高速ステージ – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCエストニア事前情報:グラベル連戦4戦目の舞台は選手権屈指の高速ステージ

©TOYOTA

WRCは7月14〜17日、グラベル連戦の4戦目となるシリーズ第7戦ラリーエストニアを迎える。この国でWRCが開催されるのは、今年で3回目だ。

同じグラベルステージでも前戦サファリは石が多くダスティな道だったが、ラリーエストニアの道はとにかくスムーズで超高速。ジャンプやクレストもふんだんに盛り込まれている。エストニア最古の街であり同国第2の都市タルトゥを拠点とするルートは、国南東部の景観豊かなステージがクルーを迎える。情熱的なファンは、母国のヒーロー、オィット・タナックはもちろん、選手権屈指の高速ステージを疾走するすべてのクルーに熱い声援を送る。

エストニアは2020年9月、悲願だったWRCカレンダー入りを実現。33番目のWRC開催国となったこの時の開催は、選手権通算600回目という節目にも重なり、記念すべきこの一戦をタナックが制した。2021年は会期を7月に移し、2020年はCOVID-19のパンデミックにより短縮されたルートもフルで構成。今年は、ハイブリッドの新世代ラリー1マシンで初めてシーズンの折り返しイベントとして開催される。

■エントリー状況
ラリー1マシンでのエントリーは11台で、筆頭は、昨年の覇者で現在ドライバーズ選手権で首位に立つトヨタのカッレ・ロバンペラ。昨年のエストニアでの勝利が自身初のWRC優勝となり、当時20歳289日と選手権史上最年少でのWRCウイナーとなった。今回、イベントを連覇すればシーズン5勝目となり、選手権リードもさらに広がることになる。チームメイトとしてトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブするのは、エルフィン・エバンス、エサペッカ・ラッピ。勝田貴元は、トヨタ・ガズーレーシングWRT NGから、4台目のヤリス・ラリー1を駆る。

注目は、母国ラリーに挑むことなるヒョンデのタナック。チームメイトのティエリー・ヌービルは、ドライバーズ選手権2番手でこのエストニアを迎える。3台目のヒョンデi20 Nラリー1をドライブするのは、若手のオリバー・ソルベルグだ。

Mスポーツ・フォード勢は、WRCエストニアではこの2年間、連続で2位フィニッシュを果たしているクレイグ・ブリーンを筆頭に、アドリアン・フルモー、ガス・グリーンスミス、ピエール・ルイ・ルーベがフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1をドライブする。

■サポートカテゴリー
激戦となっているWRC2部門には、ディフェンディングチャンピオンのアンドレアス・ミケルセン(トクスポーツWRT、シュコダ・ファビア・ラリー2)、前戦のサファリを制し現在選手権で首位に立つカエタン・カエタノビッチを含む20台がエントリー。注目を集めるのは、WRC1勝をマークしているニュージーランドのヘイデン・パッドンで、ヒョンデi20 Nラリー2で今季初めてのWRC参戦に挑む。ヒョンデ・モータースポーツからは、テーム・スニネンもエントリーしている。フォルクスワーゲン・ポロGTIのイーゴン・カール、ゲオルグ・リンナマエはいずれもエストニア出身。米国のショーン・ジョンストン(サンロック・ジュニアチーム、シトロエンC3ラリー2)は、前戦サファリでポディウムに上がっている。8月のWRCフィンランドでラリー1デビューが決まったヤリ・フッツネンは、特色の似ているこのWRCエストニアを準備に充てて挑む。

Mスポーツ・ポーランドが製作するフォード・フィエスタ・ラリー3とピレリタイヤのワンメイクで戦われるジュニアWRCは、このエストニアが第4戦。選手権首位に立つ英国のジョン・アームストロングを筆頭に、ロベルト・ビルベスは母国優勝を目指す。フィンランド出身の昨年王者、サミ・パヤリ、ラウリ・ヨーナ、アイルランドのウィリアム・クレイトン、ケニアのマクレー・キマチも、タイトルを目指しての戦いを続ける。クレイトン、ヨーナ、パヤリ、キマチ、WRC初参戦のルーペ・コルホネンは、WRC3部門にもノミネートしている。

■ラリールート

TOYOTA

ラリーは、14日の午前にアビッサーレでシェイクダウンを行った後、タルトゥの市役所広場でのセレモニアルスタートで開幕。その後すぐ、タルトゥのサービスパーク近郊に設定される1.66kmのスーパーSSで競技が始まる。

金曜日は、タルトゥの北部と南部の4SSを2ループする8SSの構成で、イベント最長のPeipsiaare(24.35km)も含まれる。土曜日も4SSを2ループ。スキーコースを走るKekkoseは、Maekula(10.27km)の一部として設定されている。有名なジャンプスポット、Alakulaが登場するOtepaa(17.08km)もこの日の構成に含まれている。この日は再び、スーパーSSを走行して締めくくられる。競技最終日は、3SSを2ループ。終盤に豪快な下りが待ち受ける3本目のKambjaは、2回目はパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2022年7月14〜17日
サービスパーク設置場所:タルトゥ
総走行距離:1486.77km
総ステージ走行距離:313.84km(SS比率21.10%)
総SS数:24

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ (#69)
エルフィン・エバンス (#33)
エサペッカ・ラッピ (#4)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
オリバー・ソルベルグ(#2)

[Mスポーツ・フォードWRT]
クレイグ・ブリーン(#42)
ガス・グリーンスミス(#44)
アドリアン・フルモー(#16)

■2021年ラリーエストニア最終結果
1 K.ロバンペラ/J.ハルットゥネン(トヨタ・ヤリスWRC) 2:51:29.1
2 C.ブリーン/P.ネイグル(ヒョンデi20クーペWRC) +59.9
3 T.ヌービル/M.ウィダグ(ヒョンデi20クーペWRC) +1:12.4

■近年のウイナー
2021年 K.ロバンペラ/J.ハルットゥネン(トヨタ・ヤリスWRC)
2020年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(ヒョンデi20クーペWRC)
*2019年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC)
*2018年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC)
*2016年 R.サーマキス/M.クルス(シュコダ・ファビアR5)
*WRCラウンド外としての開催



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