WRCスウェーデン:GRヤリス・ラリー1でエサペッカ・ラッピが復帰 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:GRヤリス・ラリー1でエサペッカ・ラッピが復帰

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月25日(木)から27日(日)にかけてスウェーデンのウメオを拠点に開催される2022年WRC第2戦「ラリースウェーデン」(スノー)に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンに加え、エサペッカ・ラッピがチームに復帰。この布陣で、今季から導入された新規定ラリー1仕様のマシン、GRヤリス・ラリー1での初めてのWRCスノーラリーに臨む。また勝田貴元もTOYOTA GAZOO Racing WRT Next GenerationからGRヤリス・ラリー1で今季2戦目に挑む。

(以下チームリリース)


開催地を北部に移しラリー・スウェーデンが2年ぶりに開催
GR YARIS Rally1でフルスノーラリーに挑む

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、2月25日(金)から27日(日)にかけて、スウェーデンのウーメオーを中心に開催される、2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦「ラリー・スウェーデン」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(4号車)の、3台のGR YARIS Rally1で参戦。ハイブリッドユニットを搭載する新開発のトップカテゴリー・ラリーカーで、2年ぶりの開催となるラリー・スウェーデン優勝を目指します。

デビューイベントとなった開幕戦のラリー・モンテカルロでは、セバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組が優勝争いを展開。僅差で優勝を逃し総合2位でフィニッシュしましたが、GR YARIS Rally1は初戦から高い信頼性とスピードを証明しました。オジエは、今シーズンは限定出場となり、第2戦ラリー・スウェーデンでは2018年シーズンまでチームの一員だったラッピが代わりにGR YARIS Rally1をドライブします。ラッピは昨年のWRCラリー・フィンランドでプライベーターとしてヤリスWRCを駆り、総合4位でフィニッシュ。WRカーによるWRC出場は久しぶりでしたが、その速さが健在であることを証明しました。フィンランド出身のラッピは、ヤリスWRCで2017年のラリー・フィンランドを制するなど、ハイスピードなラリーを得意としています。また、スノーラリーでも常に高いパフォーマンスを発揮し、ラリー・スウェーデンでは表彰台を獲得したこともあります。GR YARIS Rally1による出場は今回が初となりますが、他のふたりのドライバーと同じように、ラリー・スウェーデンでの活躍が期待されます。

エバンスは開幕戦モンテカルロで首位を争いながらも、小さなミスでタイムを失い総合21位でラリーを終えました。スノーラリーについては、2020年のラリー・スウェーデンで優勝するなど非常に速く、今回のラリー・スウェーデンでは自身のシーズン初優勝と、GR YARIS Rally1の初優勝を狙います。また、モンテカルロで総合4位を獲得し、パワーステージを制してボーナスポイント満点を獲得したロバンペラも、2021年のアークティック・ラリー・フィンランドで総合2位に入るなど、スノーラリーを得意としています。今大会に参加する選手の中でドライバーズ選手権首位に立ったことにより、ラリー・スウェーデンでは競技初日に1番手スタートを担うことになり、路面に積もった雪を掃き飛ばしながら走行するなど、不利な条件での走行となる可能性もあります。それでも、競技初日に上位につけることができれば、好結果を残す大きなチャンスはあります。なお、シーズン全戦にGR YARIS Rally1で出場する勝田貴元は、今回もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationからの参戦となります。

昨年、ラリー・スウェーデンは新型コロナウイルスの影響により中止となり、代替スノーイベントとしてアークティック・ラリー・フィンランドが行われました。2年ぶりの開催となる今回は、開催地をこれまでのトルシュビーから北に移動。スウェーデン北部最大の都市ウーメオーを中心に、より厳しいウインターコンディションでの戦いとなることが予想されます。ドライバーは、雪と氷に完全に覆われた森林地帯の未舗装路を、金属製のスタッド(=スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用タイヤで走行。スタッドがしっかりと氷雪路面に食い込むと非常に高いグリップ力が発生し、雪壁に囲まれたコーナーをハイスピードで駆け抜けることができます。チームはここ数週間、フィンランドとスウェーデンでテストを行ない、氷雪路でのGR YARIS Rally1のパフォーマンスを高めてきました。

ラリーは24日(木)にシェイクダウンが行われ、25日(金)から競技がスタート。ウーメオーの北側エリアで3本のステージを各2回走行します。そのうち、最も北側に展開するSS2/5「カムスヨーン」は、全長27.81kmの今大会最長のステージです。また、1日の最後にはウーメオーで5.24kmのショートステージを1本走行します。競技2日目の26日(土)は、ウーメオーの西側エリアで2本のステージを各2回走行。それに加えて、ウーメオーでも11.17kmのステージを各2回走行します。最終日の27日(日)は、ウーメオーの北西で2本のステージを各2回走行。最終ステージは、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で17 本が予定されています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
ラリー・モンテカルロでは少し運に恵まれませんでしたが、GR YARIS Rally1の信頼性の高さと速さを確認できたことは、ラリー・スウェーデンに向けて大きな励みになりました。ラリー・スウェーデンには、2017年にドライバーとして出場し、チームにとっての初優勝を獲得するなど良い思い出があります。それ以外の年も我々のチームは多くの成功を収めてきましたが、このようなコンディションのラリーに新しいクルマで臨むということに関しては、どのチームも経験値は似たようなレベルです。ラリーはウーメオー周辺の完全に新しいエリアで行われますが、十分な積雪が保証されるはずですし、ステージもこれまでとは異なるものになるでしょう。エサペッカがチームに復帰し、今シーズン初めて我々のラインナップに加わるのは素晴らしいことです。エルフィンやカッレと同様、彼は以前からこのようなコンディションを得意にしているので、全てがうまくいけば、TOYOTA GAZOO Racingの4人のドライバーにとって非常に良い週末になる可能性があると信じています。

エルフィン・エバンス
今年最初のラリーでは自分が望んでいたようなスタートを切ることができませんでしたが、それによってスウェーデンでより良い出走順で走れることができるのは、小さな恩恵といえます。その利点を活かし、いつも通りベストを尽くし、できる限り良い結果を出したいと思っています。今回は全てが新しいので、氷雪路のテストではいろいろなことを試し、全体的には良いフィーリングを得ることができました。とはいえ、路面のコンディション次第で、クルマのトラクション等は大きく変わるため、このような路面でどれくらいの速さがあるのかを正確に述べるのは簡単ではありません。主催者から提供されたステージの映像を見た限り、非常に高速なところもありますが、道幅が非常に狭くテクニカルなセクションもあるようです。

カッレ・ロバンペラ
モンテカルロは、全体的にはとても満足のいく週末になりました。スタート直後はかなり困難な状況でしたが、クルマのフィーリングを改善するために、チームと一緒になって多くの作業を行いました。スウェーデンでは一番手で初日のステージをスタートすることになり、路面の雪かき役を担当することになります。しかし、できるだけ多くのポイントを獲得できるようにベストを尽くしますし、最終的に良いラリーとなることを願っています。テストでは、新しいクルマのスノーセッティングをゼロからスタートしたので、最初のうちは運転が少し難しく感じましたが、2回のテストを経て、チームメイトと共に正しい方向に進むことができたと思います。

エサペッカ・ラッピ
この瞬間を迎えることに、とても興奮しています。もう一度最高峰のクラスで戦うことを、長い間待ち望んでいました。ここ数週間、テストを通してチームと再び一緒に仕事をしてきましたが、それがとても自然なことであるように感じられました。GR YARIS Rally1のフィーリングは最初からとても良かったですが、ステップバイステップでさらに良くなってきています。昨年、Rally 2カーでいくつかのイベントに出場した経験が、Rally1をどう走らせるのがベストなのかを理解する上で役に立っていると思います。ラリー・スウェーデンは、これまで常に楽しんで戦うことができていたイベントですし、競争力も発揮できていました。最後にラリーに出場してから5ヶ月も経っていることを忘れるべきではありませんが、いいペースで走ることができると信じていますし、最低でも表彰台争いに加わることが目標です。簡単ではないとは思いますが、可能性はあるはずです。



RALLY PLUS