Mスポーツのテクニカルディレクターにクリス・ウィリアムズが就任 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

Mスポーツのテクニカルディレクターにクリス・ウィリアムズが就任

©M-SPORT / Dan Bathie

Mスポーツは、長年ラリーエンジニアリングのトップを務めてきたクリス・ウィリアムズが2022年のWRCシーズンから新たにテクニカルディレクターに就任することを発表した。

ウィリアムズはMスポーツに25年在籍しており、その間に数々のラリープロジェクトで責任者を務めてきた。その功績が認められ今回、テクニカルディレクターという重責を担うことになった。ウィリアムズは今後、ラリー事業における現在と今後の全エンジニアリングプロジェクトを監督することになる。

ウィリアムズが直接Mスポーツのプロジェクトに関わったのは、2005年のフィエスタSTグループNまで遡る。このプロジェクトでは、ノーマルのST150ロードカーを、現在でも実戦で活躍を続ける世界的に成功したエントリーレベルのラリーカーに転換させた。このカスタマー向けに専念されたマシンの哲学は、その後の多くのプロジェクトに受け継がれていくことになる。

2009年にはSTに替わってフィエスタR2 1600を投入。このR2は新たに創設されたカテゴリーに初めて登場したモデルで、300以上のキットを売り上げ、様々な選手権を制するなどグローバルに成功を収めた。

2013年にはウィリアムズはMスポーツのカスタマーマシンとして最も成功を収めたフィエスタR5 Mk1の設計とエンジニアリングを担当。これもこのカテゴリーで最初に登場した初めてのマシンで、市場を牽引するモデルとなり、投入以来の通算勝利数は956に達する。現在でも、このカテゴリーのベンチマークとなっているモデルだ。

2015年5月には、ラリー界の最高峰レベル、フィエスタWRCのエンジニアリングを手がけ、当時、WRCのミッドライフサイクルのアップグレードを実施した。

2017年はウィリアムズにとって最大の挑戦に取り組むこととなり、新しい技術規定に対応したフィエスタWRCの設計とエンジニアリングを任された。与えられた期間はわずか18ヶ月だったが、ウィリアムズは自身の経験のすべてを投入してマシンを作り上げ、初実戦となったモンテカルロで優勝を飾っただけでなく、Mスポーツ・フォードWRTにドライバーズ、コ・ドライバーズ、マニュファクチャラーズタイトル連覇をもたらした。2021年11月に最後のWRCを走り終えたこのフィエスタWRCは、WRC通算32勝、ポディウム68回をマークした。

Mスポーツの最新プロジェクトである期待のプーマ・ハイブリッド・ラリー1も、ウィリアムズの手に委ねられた。新しい時代のWRCカーがもたらす挑戦には、言うまでもなく、ハイブリッド車を扱うために必要な安全機能や予防措置も加わったが、ウィリアムズと彼のチームが作業ペースを落とすことはなく、設計、エンジニアリング、テストプログラムに忙殺された21カ月を終えたところ。Mスポーツは、数週間後、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1がラリーモンテカルロでデビューする非常にエキサイティングなシーズンに備えて、万全の態勢を整えている。

「自分のことを信頼し続け、長年にわたり、初めてのプロジェクトであるフィエスタSTグループNから、現在のプーマ・ハイブリッド・ラリー1まで、プロジェクトを率いる機会をたくさん与えてくれたマルコムに心からの感謝を伝えたい」とウィリアムズは語る。
「特に、自分たちが愛するスポーツが大きな変化を迎える時期に、テクニカルチーム全体を率いる機会を与えられたことは、大変光栄なこと。自分たちは、革新的で、献身的で、決意の固いエンジニアとデザイナーからなる小さなチーム。自分は、モータースポーツの最高レベルで競争し、勝利するクルマを作るために、彼らを助け、導き、サポートすることを光栄に思う」

Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンは「クリスはMスポーツで成功を収めた数々のプロジェクトの責任者を務めてきた。彼の献身的な努力と決意がなければ、今の我々の地位はなかっただろう」と語る。
「競技マシンでの実績がある彼がテクニカルディレクターに就任し、エンジニアリング面をすべて統括することは理にかなっている。プーマ・ハイブリッド・ラリー1のモンテカルロでのデビューでは期待どおりのパフォーマンスを見せてくれると確信しているだけでなく、クリスと彼のチームが今後もMスポーツの未来に向けて開発するプロジェクトを楽しみにしている」

Mスポーツのテクニカルディレクターは長年、クリスチャン・ロリオーが務めていたが、2021年のはじめにヒュンダイに移籍。ヒュンダイi20 Nラリー1の製作を担当している。



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