WRCサファリ:ピレリ・スコーピオンKX WRCがサファリに登場 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCサファリ:ピレリ・スコーピオンKX WRCがサファリに登場

©PIRELLI

WRC第6戦では、ラリー界でも最も伝統的なイベントのひとつ、サファリラリー・ケニアが2002年以来初めて開催される。今季、最も過酷なラリーとなる可能性もあるとみられるこのイベントに、ピレリはすべてのWRカーにスコーピオンKX WRCのグラベルタイヤを供給する。

Scorpion KX:ピレリがワールドラリーカーに供給するグラベルタイヤ。サファリで第一の選択となるコンパウンドはハードとなるとみられ、最も摩耗の激しい路面と距離の長いステージでの耐久性に対応できるような設計となっている。ソフトは湿ったコンディションやウエット路面で相応のグリップを得るための代替案となるだけでなく、特に1回目のループでのルーズなグラベルコンディションでの選択肢となる。両コンパウンドとも追加で補強を行っており、特にサイドウォールには、カットや裂傷から守る対策が施されている。

Scorpion K: 下位カテゴリーのマシンに供給するグラベルタイヤで、過酷なサファリに向けて強化を施しているほか、WRカーに供給するKXの特徴の多くが流用されている。

テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「サファリラリーがカレンダーに復帰して、WRCが再びアフリカに上陸することに、我々は大変盛り上がっている。一会社として、ピレリはケニアでの豊富な経験を誇り、過去には偉大なドライバーにより何度も優勝を果たしている。また、テクニカル面でも非常にチャレンジングなイベントだった。もちろん、近年のイベントは過去のように果てしない距離は設定されないが、それでもラフで摩耗の激しい路面、高速巡航が続くロングセクションを想定しており、我々の製品のパフォーマンスが試されることになる。天気の変化がどれほど激しいかも分かっているので、チームやドライバーは限られた数のソフトタイヤをどのように使い分けていくかが重要な要素となるはずだ」

Toyota Gazoo Racing WRT

ピレリが今回のサファリに持ち込むタイヤの本数は、約1350本。そのうちおよそ450本がWRカー用だ。各WRCドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は28本で、シェイクダウン用には別途4本が供給される。

各マシンに用意されるタイヤの種類と本数は次のとおり。
ワールドラリーカー
Scorpion KX Hard
:2本
Scorpion KX Soft:8本
※使用できる最大本数は24本。シェイクダウン用に別途4本が供給される。

またピレリは、WRC2、WRC3を含め、エントリーする4WDマシンにも900本のタイヤを供給する。
4WDマシン(WRC2、WRC2を含む)
Scorpion K4A Hard
:26本
Scorpion K6A Soft:8本
※シェイクダウン用に別途4本が供給される。

サファリラリーがWRCとして最後に開催されたのは2002年。この時はコリン・マクレーがピレリを履いたフォード・フォーカスWRCで優勝を飾った。マクレーにとって3度目のサファリ優勝で、ピレリを履いての勝利は2度目。豪快な走りでファンを魅了したマクレーは1997年にスバルでサファリを制してブレイクしたが、これはピレリにとって記念すべきWRC100勝目だった。

通常、ケニアはドライでダスティだが、豪雨に見舞われるとセクションによっては深いマッドホールができるなどコンディションが一変する。このため、1本のステージでも正反対のコンディションに直面する可能性があり、タイヤチョイスはかなり重要で、同時にトリッキーでもある。過去、ケニアで勝利を飾る鍵のひとつはパンクを避けることだったが、これは近年でも同じことが言えるだろう。

サファリのラリーと言えば、マシンにイベント専用のシュノーケルやフロントの保護バーを装着する姿がおなじみだったが、今回のサファリ戦ではその外観を見ることはない。しかし、各チームはマシンを可能な限り補強してくると見られており、サファリがほかのWRCに比べてどれほど過酷であるかを示している。



RALLY PLUS