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Mスポーツのマルコム・ウィルソン、アクロポリスのWRC復帰を歓迎

©M-SPORT

Mスポーツのマネージングディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは、今季8年ぶりにアクロポリス・ラリーギリシャがWRCに復帰することに対し、歓迎の意を表している。

この伝統のWRCギリシャは、南米のラリーチリが新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による制限を受けて開催をキャンセル、その代替戦として開催されることが発表された。

独自の取材に対しウィルソンは、9月にチリのコンセプシオンで予定されていたWRCが今季開催されないことを残念だとしながらも、Mスポーツにとってのアクロポリスの重要性を強調した。

「我々は、このアクロポリスでは1997〜2009年の間に8回も優勝している、最も成功を収めたラリーのひとつだ」とウィルソンは語る。
「最も際立っているのは2000年。コリン(マクレー)とカルロス(サインツ)が、フォード・フォーカスRS WRCで1−2フィニッシュを決めた時だ。このマシンは、ここMスポーツで初めて設計し、開発したマシンで、関係した誰にとっても特別な瞬間だった。自分は今でも、自分の事務所にこの時の写真を飾っているくらいだよ!」

Jaanus Ree/Red Bull Content Pool

2013年以来となるWRCアクロポリス・ラリーギリシャは、チリが予定していた9月9〜12日に開催を予定。これによりシリーズは、予定どおり12戦の構成を維持できることになる。

「ラリーチリがキャンセルを余儀なくされたことを、みんなが残念に思っている」とウィルソン。
「2019年は素晴らしいラリーを開催してくれた。しかし、COVID-19の関係で状況が難しいことも、みんな理解している。また近いうちにラリーができるようになることを願っているが、同時にアクロポリスという素晴らしい代替戦があることも忘れてはならない」

「このイベントがWRCとして最後に開催されてから8年も経ったなんて、信じられない。人にもマシンにとってもまさに試練となるイベントで、長年、スリリングなイベントを展開してきた。我々チームにとっても、いつも素晴らしいイベントだった」

アクロポリスラリーは、WRCのカレンダーから外れた2014年はERCとして開催。この時は、クレイグ・ブリーンとスコット・マーティンがプジョーのR5マシン、208 T16でデビューウインを果たしている。しかし、イベント自体は65周年を目前とした2018年の開催を最後にERCカレンダーからも外れている。

しかし、WRC屈指のラフ&タフイベントが今季開催されれば、39回目のWRC開催となり、WRCプロモーターはギリシャ政府と「複数年契約」に合意したことも伝えている。

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は「70年前、アクロポリスは“神々のラリー”と称されるほど特別なロケーションで開催されるイベントとして知られ、ドライバーにとってほかにはない戦いを提供していた。8年ぶりのWRC復帰は、我が国の劇的な回復の時期にふさわしい」とコメントを寄せている。

アクロポリスラリー伝統のパルテノン神殿前でのスタートは確定されているものの、ルートの詳細や、本拠地となるのがこれまで使用されたラミアやルートラキが候補に挙がっているのかなど、明らかにはなっていない。

アクロポリスラリーは、ヒュンダイとトヨタにとっては現チームとしては参戦経験のないイベントだが、トヨタは昨年、ラリートルコの準備参戦の一環としてギリシャ国内でテストを行っている。
(Graham Lister)

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