記憶に残るこの一戦:2009年ポルトガル、グロンホルムが見せたスピード – RALLYPLUS.NET ラリープラス

記憶に残るこの一戦:2009年ポルトガル、グロンホルムが見せたスピード

©Naoki Kobayashi

本来であれば、WRC第6戦ラリーポルトガルが開催されていたはずの先週末。ご存じのとおり、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、現時点でWRCは第3戦メキシコ以降、イベントのキャンセル・延期の状態が続いている。今後はラリーが通常どおり開催されるその日まで、WRCカレンダーに合わせて、“記憶に残るこの一戦”を掲載する予定。

第1回目は、2009年ラリーポルトガルをお送りする。

観客の安全管理の問題を指摘されたポルトガルは、2001年を最後にしばらくWRCの開催から遠ざかっていた。そして2007年、それまでのポルトから地中海沿岸の古都ファロに開催地を移し、新フォーマット採用による念願のWRCカレンダー復帰を果たした。インターコンチネンタル・ラリーチャレンジの一戦として開催された08年を挟み、09年に再びWRCカレンダーに戻ったポルトガル。目玉となったのが、07年シーズンを最後にWRCを引退していた、マーカス・グロンホルムの復帰だった。

Naoki Kobayashi

2年ぶりの現役復帰となった彼がドライブしたのは、前年にWRCを撤退していたスバルのインプレッサWRC2008。ポルトガル観光省のスポンサードにより、白地にブルーラインが描かれたカラーリングを纏ったグロンホルムのインプレッサは、シェイクダウンの段階から地元ポルトガルの大観衆の声援を受けることになる。当時は圧倒的な強さを誇っていたセバスチャン・ローブに対抗する存在として、グロンホルムの現役復帰がたびたび話題上がってきたこともあり、彼の周囲は常にメディアが囲んでいた。

わずかに200kmほどのテストを経て挑んだ2年ぶりの実戦、グロンホルムは後方スタートというアドバンテージはあったものの、一時は総合2番手を走行。彼の腕は錆びついていなかったのだ。しかし、チームは翌日以降の出走順を考えて最終のSS7でペースダウンを指示。首位のミッコ・ヒルボネンから23.9秒差の4番手で初日を終えた。
「出走順のためにあえてスローダウンするなんてバカバカしい。あのまま走ってれば、面白い展開になったかもしれないのに……」と、グロンホルムは納得のいかない表情だ。

Naoki Kobayashi

久々の実戦、しかもマシンはインプレッサ、「もしかしたら、もしかする?」と、観客の期待は否が応でも高まるが、ここは筋書きをトレースしてくれないグロンホルム。デイ2最初のSS8、スタート直後のジャンクションでまさかのコースオフを喫してしまう。立木に激突してマシンは大破。
「完全に自分のミス。もっとスピードアップできたかもしれなかったのに」と、肩をすくめた。

その後、グロンホルムがWRCに登場したのは、漆黒のフォード・フォーカスRS WRC08で参戦した2010年のスウェーデン。そして、記憶に新しいトヨタ・ヤリスWRCのステアリングを握った昨年のスウェーデンの2戦。どちらも消化不良の結果に終わっている。それでも奔放な人柄やコメントから、その人気は健在だった。どうやらヤリスWRCの感触はすこぶる良かった様子、そろそろ地元フィンランドでの勇姿も見たいところだが、果たして?

Naoki Kobayashi

2009年ラリーポルトガル 最終結果
1 S.ローブ/D.エレナ(シトロエンC4 WRC) 3:53:13.1
2 M.ヒルボネン/J.レーティネン(フォード・フォーカスRS WRC 08)+24.3
3 D.ソルド/M.マルティ(シトロエンC4 WRC)+1:45.4
4 P.ソルベルグ/P.ミルズ(シトロエン・クサラWRC)+2:44.6
5 H.ソルベルグ/C.メンケルド(フォード・フォーカスRS WRC 08)+5:46.3
6 M.オストベルグ/O.ウンネルド(スバル・インプレッサWRC2008)+6:20.8
7 F.ビラグラ/J.ディアス(フォード・フォーカスRS WRC 08)+12:59.5
8 K.アル-カシミ/M.オール(フォード・フォーカスRS WRC 08)+18:21.7
9 A.アラウジョ/M.ラマルホ(三菱ランサーエボリューションIX)+22:18.5
10 M.プロコップ/J.トマネク(三菱ランサーエボリューションIX)+23:25.6
R. M.グロンホルム/T.ラウティアイネン(スバル・インプレッサWRC2008)アクシデント

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